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マックス爺のエッセイ風日記

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2017.04.20
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カテゴリ:東日本大震災
<名取市閖上(ゆりあげ)地区の津波被害と鎮魂>

  

 マウンテンバイクに乗って名取市の閖上(ゆりあげ)地区へ来ている。ここは「東日本大震災」の津波で、大きな被害が出た港町。江戸時代から城下町仙台へ新鮮な魚介類を提供する重要な役割を持ち、震災前まで海岸にはズラリと水産物加工の工場が並んでいた地。その街が津波に飲み込まれ、壊滅状態となっていた。ようやく復興計画が立てられ、街は今再建に向けて必死だ。


  
               <震災前の閖上地区>

 写真左の河口が名取川。正面の海は太平洋。小さな漁港の下に見える運河が、藩祖伊達政宗が掘削した「貞山堀」で、北は北上川河口(石巻市)から南は阿武隈川河口(亘理町)まで繋がる内堀で、太平洋の荒波を避けて藩内の余剰米を港に集め、三十五反船で江戸まで運び巨利を得た。またこの港町は、仙台市のベッドタウンでもあり、高校の同級生5名ほどがこの町からバスで通学していた。

  
  
              <震災直後の閖上地区>

 東日本大震災の津波により、壊滅した街。海岸の工場は鉄筋コンクリート造りのため残ったが、民家は建物の基礎部分しか残っていない。死者は600名以上。

  
  
              <海まで続く瓦礫の山>

  
             <瓦礫が残る日和山の石段> 

 日和山は標高6.2mで、海と天候状況を確認するため築かれた人工の山。津波はこの山のさらに2.6m上に達し、頂上の神社は流されて土台しか残っていない。左側の松は海水に浸かりながら、奇跡的に生き延び、今もこの場所にある。

  
  
         <震災直後の日和山山頂から内陸部方面を見た図>

 津波で破壊された神社の基礎部分(左)や、海水の塩分で枯れた樹(右)。左手の松が生き残ったもの。閖上の市街地はほとんどが津波に流されて基礎部分しか残っておらず、奥羽山脈の方まで丸見え状態だ。

  
          
             <津波に破壊されながら残った建物>

 これは今回私がデジカメで撮影した建物で、周囲には荒れ地が広がる。鉄骨造りの建物は辛うじて残ったが、1階部分の入り口と左側の壁が津波で破壊された。いずれは取り壊され、再建されるのだろう。


    
          <東日本大震災受難碑(手前)と日和山(奥)>

 多くの人命が失われたこの地に、亡くなられた方々の鎮魂を願って建てられた受難碑。あの日から6年と1か月の月日が流れた。


          

 鎮魂の祈念碑。形は閖上(ゆりあげ)の「Y」と、再生する若芽を表したのだろうか。真っ白い像が、悲しみを増幅する。青い空にぽっかり浮かんだ白い雲。どうぞ安らかにお眠りください。


  
               <日和山への石段とスイセン>

 石段の現状。災害当時に流れ着いた瓦礫は全て取り除かれ、石段の両脇には慰霊のための花が植えられている。今はスイセンが咲いていた。


     
            <山頂の慰霊碑上部(左)と下部(右)>


  
         <日和山山頂の閖上桜と荒れ果てた市街地>

 標高6.2mの山頂に鎮魂のため植えられた「閖上桜」が白い花を咲かせていた。その若木が、今はすっかり荒れ果てた閖上の市街地を見下ろしている。


    
                   <閖上桜>

震災後、私がここを訪れたのは今度で3度目。「閖上桜」が頂上に植えられていることは知っていたが、花を観たのは初めてだった。真っ白い花は亡くなられた方の魂を慰めるには相応しい色だ。2本のうち北側の樹は幹が枯死していた。だが根元から生え出た2本の「ひこばえ」が立派に成長し、花を咲かせている。まさに「死と再生」に相応しい光景だった。


         
             <仮設の祠に手を合わせる参拝客>

 私が頂上の石碑前で軽い食事を摂っている時に、下から宮司が上がって来た。そして黙って仮宮を掃除し始めた。私があんまり長い間頂上にいたため、怪しい人物だと警戒してやって来たのだろう。中国の女性2人が沖縄、大阪、京都、奈良などで寺社に油を撒いた事件があったばかり。でも私のように目立つ服装で犯罪を犯す人間は、普通いないと思うのだがねえ。思わず苦笑した私だった。<続く>

  
                                  <日和山石段脇のスイセン>





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Last updated  2017.04.20 10:10:51
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