マックス爺のエッセイ風日記

2017/09/25(月)05:05

救急病棟にて(6)

健康(155)

<ブラックジャック>     病室の天井を見て、あまりにクリヤーなのに驚いた。これは手術のせいだろうか。血が頭部から抜け、脳が圧迫から解放され症状が消えたのだと思った。だが、やがていつものように視野はぼんやり霞むようになった。そうだろうなあ。これは「事故」の前からあったこと。両目の焦点距離の違いから来るものと眼科では言われていたのだ。ちょっとがっかりだが、そうは問屋が卸さない。              7時30分。頭部のCTスキャン撮影のためベッドで移動。10分もかからずに終了。個室に戻り8時に朝食。メニューは焼き魚、菜の花の辛子和え、煮豆、白菜と芋の味噌汁、そして牛乳。ご飯はいつも通り220g。9時30分。兄嫁が来院し飲み物の差し入れ。洗濯物を持って直ぐに帰宅。日曜日なのにありがとうね義姉上。     10時過ぎ、陰気なドクターが来室。執刀医とは異なる脳神経外科の先生。貯血バッグに溜まった量を確認後、左の額からドレンを抜いた。どうやら200ccの血液が抜け切ったのだろう。管を抜いた後の穴を縫ったのだろうか。チクリと痛みが走った。そのドクターに5月に自転車で転倒したことを話した。だが反応が鈍い。そんな古い時期の怪我ではないと言いたげだ。だが病院の資料には3か月後に症状が出ることもあると書かれていたはず。              看護師さんが2人来て、温かいタオルで体を清拭してくれた。その後、鏡で手術の痕を見せてくれた。左の額を5cm切った個所には、金属的なホチキスの針がまるでジッパーのように刺さっている。「これはブラックジャックだね」。私は心の中でつぶやいた。一方ドレンを抜いた穴は、黒い木綿糸のようなもので縫われていた。手術痕との「面会」はあっと言う間に終わった。                注)ブラックジャック:手塚治虫の人気漫画の主人公で、天才的な謎の外科医。頬の大きな傷跡が特徴。大金持ちや悪人からは高額の治療費をふんだくる一方、貧乏人は無料で助ける義人でもある。専門は脳外科だったはず。     12時に昼食。メインはかば焼き風のサワラ、卵豆腐、春雨とワカメのサラダ。果物にバナナとネーブル。ご飯を除き、いずれも少量だ。こんな風に書けるのは、食事の内容を書いたメモが付いているため。因みに私のは「常食1」となっている。きっとほとんど制限のない患者用の食事なのだろう。              13時45分。看護師が来て胸の「心電図計」と指に装着していた「体内酸素計」を取り外した。これらの装置はナースステーションと直結し、刻々と情報を伝えていたのだ。残るのは左腕の「点滴剤注入口」のみ。終了後、男3人の病室へ移動。入院後3度目の部屋替え。それだけこの救急病棟は人の移動が激しく、症状が軽快した患者はナースステーションから次第に離れて行くのだ。<続く>

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