テーマ:日記を短歌で綴ろう(3394)
カテゴリ:短歌
~わがランニングコースにて~
私が最近ずっと走っているのは9kmのコースです。ここをノロノロと、あるいはトボトボと歩くよりも遅いスピードで足を引きずっています。こんな姿を見たらきっと「何だ、あの爺さんは」と思うことでしょう。走り始めてから間もなく40年近く。すでに9万kmは走りました。地球を2周と4分の1走った計算になります。今日はコース紹介の抜粋で、短歌も添えました。どうぞお楽しみ下さいませ。 ヤマユリはとても大ぶりな花で、遠くからでも良く目立ちます。でもどこにでも咲く訳ではありません。当然のことながら地下に球根があり、毎年決まった時期に咲くのです。期間は長くても1週間程度。短ければ4,5日で咲き終え、花びらは枯れて落ちてしまいます。だから定期的に訪ねないと、花を見逃します。こんなプレゼントが待ち受けているコースは、何だか嬉しいですね。 走ることイコールわれの生くる術 汗水垂らしただトボトボと 今朝も一人走りてゆけば山百合の ほのかに匂う小径なりけり 山道を往けば真白き山百合の 佇みていしわれを待つごと 点々と紅き斑を花びらに 浮かべ咲きたり山百合の花 *まだら 太白山(321m)に続くこの道は、旧秋保電鉄の軌道跡です。ここに6つほどの沼があり、山の湧水が集まります。上の沼から順次下の沼へと流れ、やがては下流にある田圃に注ぎます。そう。ここは江戸の藩政期から続く農業用水で、昭和の初めまでは旧山田村と旧鈎取村の境界と思われます。この静かな道を、私は時計回り、反時計回りに1回ずつ変えて走っています。 走りつつ耳を澄ませば山清水 流れて沼へ注ぐ音する この沼は伊達の頃より百姓の 命をつなぐ用水なりき 静謐を潜めおりたる沼なるか 今も眠りぬ山懐に 行く手には青き沼あり点々と 菱生いし沼 鳥歌う沼 ウバユリ(姥百合)は地味な花です。それも雑草の中に立ってると、ほとんど目立たないほどです。そしてその名前の由来が哀しい。花が咲く頃には葉(歯)が落ちてしまい、その様子が年寄りの女性つまり姥を連想させると言うのですから失礼な話です。 さて、何年か前のこと。北海道の大沼公園の周辺を走ったことがありました。そこにウバユリについて書かれた標識が立っていたのです。その球根がかつてはアイヌ人の重要な食料だったことや、名前の由来など。その時花が咲いていたかどうか記憶は曖昧。これらの花も、3日後には枯れていました。 ふと見ればお暗き藪のその中に 紛れしごとき姥百合の花 翠なる花弁を四方に巡らせて 姥百合の花荒野に立てり *みどり 姥百合は悲しからずや人知れず 姥と言う名のままに枯れゆく その昔アイヌモシリは姥百合の 根を食したと知りしわれなり どれも4首ずつ詠みました。ランニングはさほど頭を使わないのですが、短歌は結構ひねるのですよ。きっとそれがボケ防止に役立つと信じているのですがね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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