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マックス爺のエッセイ風日記

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2019.06.12
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カテゴリ:
<詩 貧しく小さなもの> 


  

          
      再生 ~夏の夜の夢~


    おれが利根川にかかる橋を走って渡ると
    あの人が車を停めて待っていてくれた
    
    車の色は何色
    そして 
    その人の頚はモジリアニが描く少女よりも細く
    腰はゴーギャンが描く南島の女よりもたくましいか

    おれは博物館へと入る
    彩の国の古墳群の傍にある静かな建物
    そこに太古ヤマトの大王から贈られたものがある
    大王の名が金色の文字で刻まれた鉄の剣

    それからおれは古墳の地下にある資料室を見
    「くぼうの城」の円墳へ登る
    白い日傘を差したあの人も一緒に
    息を弾ませて

    とある日 皇居の周りを走る二人
    おれはゆっくりと
    そしてあの人はかなりのスピードで
    走り終えシャワーを浴びた二人は歩く
    熱く焼けた大都会の径を

            あの人が好きな鎌倉  
    おれが好きな京都や奈良
    いや もしも二人で歩けるのならどこでも良いさ
    たとえ日本でも日本でなくても
    
    奄美はあの人が好きな島
    そこでは歌者の歌を聴こう
    哀愁を帯びこぶしがきいた島唄を
    赤い実のなるソテツの森陰で

    おれが愛する島は沖縄
    そこでは古いグスクを幾つか巡り
    エメラルドグリーンのサンゴ礁を見つめよう
    ああ 東シナ海が夕日に染まるよ

    それからどこへ行こうか
    韓国 中国 台湾 東アジアの国々
    ベトナム タイ カンボジア 東南アジアの国々
    インド バングラディシュ スリランカ 南アジアの国々
    だが一体どれくらいあるのだろう 残された時間は

    星のない夜に目覚めたおれ
    だがまだ歌が響く
    おれの耳の奥底で 
    遠い海鳴りのように

    「悲しまないで うなだれないで」
    「振り向かないで こわがらないで」
    「とどまらないで あきらめないで」
    透明なセリのリフレイン

    ああ おののくおれよ おれのこころよ 
    決してあの人のそばから離れず
    いつか再生するその時を待とう
    そして その願いが叶うようひたすらに祈ろう    

    「わたしたちはみんな どこから来たのだろう」
    「ひとは命の船に乗り どこへと行くのだろう」


  
    <映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』主題歌REBORNのPVから 門脇麦> 
     
     詩のうち「 」内の部分をこの歌詞からお借りしました。切ない歌です。
            

               この詩を夢の人に捧げる





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Last updated  2019.06.12 00:00:27
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