文学へのトリガー(8)
~最近の出来事などを詠む~ つぼみ 身近で起きた出来事や、訪ねたブログに触発されて浮かんだイメージ、届いた年賀状からの着想。それらを俳句や川柳や短歌としてメモしています。このシリーズのテーマは『ブログは文学たり得るのか』。習作を文学作品へと昇華させるにはかなり推敲が必要ですが、たとえ荒削りの原石にも光はあるでしょう。私はブログの世界は実験と認識しています。そして恥をかくのも修行のうちと。 <出来事から> 松の内笑顔優しき女逝けり まつのうちえがおやさしきひとゆけり 享年は知らねど哀し屋根の雪 きょうねんはしらねどかなしやねのゆき 享年を知らざる女や屋根の雪 きょうねんをしらざるひとややねのゆき 俳諧の道極めしか冬銀河 はいかいのみちきわめしかふゆぎんが<届いた年賀状から> 師の長寿願ひて祈る年始 しのちょうじゅねがいていのるとしはじめ 嬉しやの初日に映ゆる金亀城 うれしやのはつひにはゆるきんきじょう(松山城) 友の老ひ知る手がかりの賀状かな とものおいしるてがかりのがじょうかな ともかくも寒気見舞ひを出し終へぬ ともかくもかんきみまいをだしおえぬ<ブログから その1> 初春や友の手術の成功す はつはるやとものしゅじゅつのせいこうす 老残の身に有難き初日かな ろうざんのみにありがたきはつひかな 初空や残れる日々は知らねども はつぞらやのこれるひびはしらねども 老残のわれに眩しき初日かな ろうざんのわれにまぶしきはつひかな 珈琲のデスクに注ぐ初日かな こーひーのですくにそそぐはつひかな 初春や珈琲に生き返るとき はつはるやこーひーにいきかえるとき 一杯の珈琲温し年始め いっぱいのこーひーぬくしとしはじめ コーヒーを大人の味と知ったとき (川柳) <ブログからその2> 黄花亜麻 モラエスの愛せし花ぞ黄花亜麻夫婦の契り千年経るとも もらえすのあいせしはなぞきばなあまめおとのちぎりちとせふるとも 腰痛を持ちたる友を哀れみぬ吾も苦しむ同病なれば ようつうをもちたるともをあわれみぬわれもくるしむどうびょうなれば 冬の街北の大地を歩む友心を癒す珈琲一杯 ふゆのまちきたのだいちをあゆむともこころをいやすこーひーいっぱい いづれもが倭言葉を紡ぐわざ文学の道けふも勤しむ いずれもがやまとことばをつむぐわざぶんがくのみちきょうもいそしむ 掲載した作品は直感的に詠んだのをメモし、多少手を加えたもの。載せなかった駄作は狂句まがい。さて直感で選んだ言葉を「文学」に仕上げるには、さらに「語彙の引き出し」を調べ、文法や俳句、短歌の約束事などの確認作業を要します。これらのほかに「俳句教室」への提出句を3句選んで仕上げる作業が残っています。今日は教室の当日ですが、この文章は2日前に予約したものです。<続く>