感覚のズレ
昨夜はベランダに干してある魚を家の中に入れた。「黄砂は夜でも飛んで来るの?」と妻が聞くので、「もちろん」と答えると、「じゃあ、入れといて」と言うわけだ。我が家では安い店から買った魚をさばいて一夜干しにすることが良くある。これが案外美味しい。でも折角の一夜干しに、黄砂や花粉まで引っ付くのはゴメンだ。 このところ暖かい日が続いている。今年はもう「寒の戻り」がないと、気象予報士が話していた。そのせいでもないだろうが、最近眠気が出て困る。昨日などは10時の休憩の時に、ついうとうと眠ってしまった。日照時間が長くなったせいか、体から分泌されるホルモンのバランスが冬と違って来たのだろうし、睡眠のリズムまでが狂うのかも知れない。 それに日曜日から再び走り始めたことも疲労の原因になっているのだと思う。昨日は19日ぶりに帰宅ランをした。前日女川でコバルトラインの山道を走ったせいか足に痛みがある。でもそれは久し振りのランニングで起きた筋肉痛のようだ。「お台場24時間走」以来、ランニングを休んでいたお陰で、走るための筋肉が衰えてしまったような気がする。 今日は山越えの帰宅ランを試みた。だがやっぱり足が重く、痛みも多少は残っている。故障した右足を無意識に庇っていたのか、何ともないはずの左足にも筋肉痛があった。それでもゆっくりとなら走れるのが嬉しい。3週間ぶりの山道にもう雪は無く、乾いた道に滑り止め用に撒いた砂だけが残っていた。 砂と言えば昨日の帰宅ランの途中、停まっている車のボンネットを触って見た。本当に黄砂が降って来てるか確かめるためだった。手に細かくて黄色い砂の粒がたくさん付いた。これは埃じゃなく、やっぱり黄砂なのだろう。この細かい砂粒が中国大陸から遥々飛来したのだ。 かつて鳥取大学の「乾燥地研究センター」の研究者が、中国の奥地で砂漠に適応する植物を植える事業に協力したことがあった。砂漠化を食い止めるため、鳥取砂丘での研究成果を役立てようとしたものだったが、その後の地球温暖化の影響などもあって、砂漠化を食い止めることは出来なかったのだろう。 ところで「名古屋国際女子マラソン」で惨敗した際の高橋尚子の発言に対して、和田アキ子が激怒したのだとか。それが「噂のチャンネル2」に載り、危うく「お祭り」状態になるところだったとネットで知った。アッ子の怒りは、Qちゃんが惨敗の原因として昨年の膝の手術を挙げたことらしい。負けた後でそんなことを言い出すのはアスリートらしくない。それなら最初から出なけりゃ良いじゃないかと。 誤解の原因はQちゃんの発言をマスコミが正しく伝えなかったことにあるようだ。私もあの当時、それらの報道から彼女の敗因は「膝の手術」のようだとブログに書いた。でも実際はレースの10日前までは絶好調だったのだそうだ。となると敗因は何なのだろう。 どんなに強く、優秀でも監督やコーチのいないランナーは孤独だ。たった一人で計画を立て、実践してきたQちゃんの場合は、自分の体調や精神状態を客観的に把握することが困難だったのではないか。それに加えて実際のレースから何年間も遠ざかっていたことが、感覚のズレをさらに増幅させたのではないか。私にはそう思えてならないのだが。