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2006.03.02
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カテゴリ:ヨーガ
私は昔から、救いがないほどの運動音痴で、
スポーツ観戦にもほどんど興味がない。
当然のように興味がわかなかった、あのトリノオリンピック。

しかし、あのフィギュアの荒川静香選手には、非常に衝撃を受けてしまった。
「金メダル」という爆弾で目が覚めた、ということもあるが、
一番感心したのは、あの彼女の素晴らしい&ノーミスの演技を支えた
底知れない「メンタル力」。

「金メダルが取れるなんて思ってもいませんでした~」
などと、インタビューでコメントしていた彼女をテレビで
聞いていて、ふと、こんなことを思った。

荒川静香選手の心は、まさに「ヨーガの境地」だったのでは!!!

おいおい、スポーツ、という究極の「競争」の世界なのに、
その対極みたいなヨーガなわけないだろう、
スケートとヨーガなんて似ても似つかん・・・・アホかいな、
とツッコミを入れたくなるかもしれませんが、まあ聞いてください。

(荒川選手のイナバウアーのポーズは、ちょっとヨガっぽい
 感じもするけどね・・・ま、それも置いといて・・・)


ヨーガ、というのは、単に体を奇妙にひねる
身体的エクササイズではありません。
究極は、心の止滅や静寂を目指す、もっともっと深~い精神世界。

荒川選手のコメントを、テレビで聞くにつれて、演技中の心の中では、
おそらく、このヨーガ的心理状態に非常に近い何かが作用していたような
気がしてしょうがないのである。

オリンピックなんていう究極の舞台では、あまりのプレッシャーのために、
「執着」と「恐怖」という、二人の最大の敵がむくむくと姿を現す。
「勝っても負けても、どっちでもいいもんね~」なんていう、中途半端なアスリートは、
オリンピックという大舞台にまで、勝ち上がってこれるはずがない。
そこは、身体能力的に世界レベル&心理的にも世界レベルの「負けず嫌い」
が集まる、非常に厳しい現場のはず。

「今度こそ、1位を取ってやる!」 
「なんとしても自己最高記録を出さねば」
「この技でミスしたら、減点されちゃう」
「いや、ミスするはずがない。こんなに練習したんだもの」
「もし、転んだらどうしよう・・・」
「神さま、奇跡を起こして・・・」

「結果への執着」&「失敗への恐怖」が、怒涛のように押し寄せる。
心のプレッシャーが、即座に体に伝わる。
すると、いつもは絶対しないところで、うっかりミスをしてしまう。
「心と体はひとつ」。
最大の敵は、まわりのライバル選手ではなく、結局は「自分」。
自分の心が生み出した、目に見えない敵・・・。

荒川選手は、そんなことを、経験上から、十分理解していらしたのでは
ないだろうか。

私が大いに影響を受け続けている、
有名な古代インドの聖典「バガヴァット・ギーター」に
こんな一節がある。

<あなたの職務は行為そのものにある。決してその結果にはない。
 行為の結果を動機としてはいけない。また無為に執着してはならぬ>

ヨーガの目的とは、波打つ心の動きを止め、
「結果」を放擲(放棄)し、
「今」という瞬間に集中し、三昧の境地を目指すことである。
そのために、あんな体に負担のかかりそうな、様々なポーズをとって、
瞑想をする。全てのポーズは、瞑想を深めるためのツールなのだ。

瞑想を深める最大の敵は、過去への悔いや結果への執着だ。
荒川選手が目指したゴールは、おそらく、
この「悔い」や「執着」を捨て去る、
ヨーガ的な境地だったのではないだろうか?

直前のショートプログラムの結果で、
2日目のフリーが3位スタートだったということも
この「執着」から離れるのにふさわしい、居心地のいい展開だったのかもしれない。
(最初から1位や2位につけていると、欲とプレッシャーで圧倒されて
 身が持たない)

もちろん、私は荒川選手じゃないので、心の中まで知るべくもないが、
今回のトリノに臨む心境は、こんな感じだったのではないかと推測する。

「今まで、精一杯協力してくれたコーチ陣や両親に、
 最高の演技を見せて喜ばせたい。
 メダルを取る取らない、勝ち負け、ではなくて、自分自身が納得いくように
 最高の舞台で最高の演技をして、とにかく楽しんで滑りたい・・・」

すでに昨年、世界選手権で有終の美を飾りって引退しようと考えていたのに、
トリノに出るチャンスまでが与えられた。ならば、この最後のチャンスを
フィギュアスケーター人生最高の体験にしよう、
そのためには、結果にこだわりすぎず、
「滑る」という、一瞬一瞬のプロセスを楽しんで、幸せな気分で演技しよう!
あの8年前の長野の時のような、不完全燃焼だけはなりたくないから・・・

世界トップレベルのアスリートだから、ライバルの演技や、審査員の目だとか、
変更されて厳しくなった採点システムだとか、
得する技だとか、勝敗の行方が気になって気になってしょうがないのは、当たり前。
アスリートの世界は結果がすべて。いろんなことを
計算に入れて勝負に挑むのは、本能のようなもの。

しかし、今回の彼女は、そのレベルの悩みを捨て去ることに努めた。
そして、「点数をむやみに減らさないこと」と、
「とにかく自分らしく滑ること」にこだわった。
得点にならないイナバウアーも、自分がやりたいから取り入れた。
要するに、スルツカヤや、コーエンのように、彼女はガツガツしてなかった。
これが、結果的には勝因になった。
(あー、偉大なトップアスリートたちに対して、
 まったくもって身勝手な邪推して、すいませ~~ん)

執着を捨て去ろうとしていた何よりの証拠は、あのヘッドホン。
確か、彼女は、自分の前に滑っていたコーエンの演技の最中に、
ヘッドホンをかけて会場に入場してきた。
「前の人の音楽や、観客の声援や拍手などが聞こえると、
 雑念が入ってしまうので、自分の曲を聴いていた」と、答えていた。

結果は、世界中の人が見ての通りの、まるで氷と一体化したような、
流麗な演技。特に、例のイナバウアーのシーンは、
競技の場であることを忘れさせられるような、
神秘的なまでのオーラが漂っていた。
そう、それはまさに、雑念から解放され
スケートを思い切り味わう、三昧の境地。

逆に、気の毒だったのが、スルツカヤ。

最愛の母の病死、自身の長年にわたる持病との闘い、薬漬けの日々。
生命とスケートへの執念、というか意地のようなものが、
顔の表情からにじみ出ていたような気がする。

<今度こそ勝つべきのは、この私よ、私なのよ。
 この最後の五輪で、勝たなくては意味がない。
 ここまで生き抜いてきたんだから、報われなくてはならないわ>
(・・・・なんて想像するのは、まったく勝手な深読みだけど)

だが、意気込みだけが空回りしたのか、
まさかの転倒をしてしまった。
そして、結果的に「トリノの女神は、荒川にキスをした」。
(NHK刈屋アナの、会心の名ゼリフ!)
表彰台でスルツカヤは、
絶望と脱力が入り交じったような表情をしていた。

荒川選手は、「金が取れるとは思ってもみなかった」「実感がわかない」と、
何度もコメントし、無邪気な笑顔を見せていた。
スルツカヤがあのセリフを聞いたら、どんなにか
悔しがり、恨めしく思ったことだったろう。
普通、トップ選手ならば、その金メダルという栄光こそ、
のどから手が出るほど欲しいものであるはず。
「やりました!(ついに、私が世界の頂点よ・・・)
 本当にうれしいです!」
なんていう、歓喜の言葉を、涙しながら口にする方が自然なのに、
あの無邪気なまでの荒川選手の笑顔。
執着を捨てていたから、自分でも、純粋に「まさか」と、
びっくりしてしまったんだろう。

「結果にこだわることなく、プロセスに専心する」
「一瞬一瞬を、大切に生きる」
「他人と自分を比べない」
「自分が気持ちよくハッピーになることを実践する」
「賞賛をおごることなく、ナチュラルに受け止め、ひけらかさない」

荒川選手の姿勢は、勝利の喜び以上の大事なことを、
私にたくさん教えてくれた気がする。

荒川静香選手、おめでとう!
あなたの金メダルの輝きは、
物質を超えた聖なる光に変わって、私に届きました。





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Last updated  2006.03.14 14:25:38
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