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ひなちゃんは3月3日で5歳になりました。つまり、ひな祭りに生まれたので「ひな」という名前をつけたそうです。5年前、そのひなちゃんが生まれる時、お母さんを病院まで運んだのはこの私です。
お母さんとは面識はなかったのですが、門の前で陣痛が起きてしゃがみ込んでいましたので、急いで車を出したのです。そして、縁というのは不思議なもので、半年ほど前から私のボロ家に、お母さんと6歳のお姉さん、76歳のおじいさんの4人が住むようになっています。 台風で家を壊されて、行く所がなくなり、私を頼ってきたという次第です。そういうわけで、家が見つかるまで、という事で一緒に住むようになりました。 このひなちゃんは、72歳の私を 「なかまさん」 と呼ぶ。大変可愛くて、まるで私の孫のようです。そして、6歳のお姉ちゃんも私になつき、2人は私の行く所、何処へでも付いてまわる。ひなちゃんは、寝る時は私と一緒でなければ寝ません。 そのひなちゃんが尋ねた。 「なかまさんは、あと、どれくらい生きているの?」 私は、しばらく考えたあと答えた。 「なかまさんは、死なないよ。いつまでもこの若さで生きているのだ」 ひなちゃんの顔が輝いた。 「それじゃー、私、絶対に、なかまさんと結婚する」 私は吃驚、側に居たお母さんと、おじいさんが大声で笑った。72歳の私は、4歳のひなちゃんを妻にするのか・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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