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おせんの江戸日誌

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2010年09月23日
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カテゴリ:こんこん飴売り
井戸端で里芋を洗い終わったのが申の刻のあたり。
見回してみるとあたりにはもう誰も居やしない。
暗くなったらおおごとだ、明るいうちに支度しなけりゃ!

あたしゃ里芋の入ったザルを抱えあげました。
そして小走りに家に駆け込むとすぐに
水の入った鍋を火にかけたのでございます。
ヤレヤレ・・・

里芋を山ほど洗ったせいか小腹が空いちまい、あたしは
新助の醤油飴を口に放りこみました。
アァ おいしい~ !
飴の甘みと醤油の味がまるで体中に染みわたるよう・・・
   これは売れるヨ。きっと。

湯が沸くまでの間に漬け物を切っておこうと
糠漬けの瓶(カメ)を引き出していると・・・あれまあ
外で水音がするような!???
おりしも聞こえてきたのが暮れ六つの鐘の音 . . . . .

気になるからと、外へ出てみると水音はどうやら井戸の方から
してきているようでございます。
そっとうかがうと薄暗くなりつつある井戸端で
水を浴びている裸の男が一人。
「 どこのどいつか知らないが酔狂な奴もいるものだ 」
もうじき真っ暗闇になるってえのに、どういうつもりだい!

とっちめてやろうと近づくと 
オオッ !!! 下帯(フンドシ)ひとつで向こう向きの
そのお方は なんと!波池の旦那じゃござんせんか!
とたんにそのお姿から後光がさすから現金なものでございます。

浅黒い筋肉質の体に真っ白な下帯がとても良くお似合い。
もちろんその凛々しいお姿はしっかりあたしの瞼の裏に
焼き付けられたって寸法でございます。ヒッヒ.......


「旦那、お帰りだったんですねえ。もう日も落ちる時分、
 お風邪を召しますよぅ ~ 」
自分でもどこから出てるか判らない甘ったるくうわずった声で
あたしが言うと
「お気づかい、いたみ入る」
ですって、サ。
もう、旦那ったら『 いたみ入る 』だなんて、
ほんとお堅いんだからぁ。イヤイヤ 。。。
でもほぉんと素敵なお声!

柄にも無くほんのり頬を赤らめたあたしですが
ちゃっかり酒盛りの約束を取りつけられたのは
上首尾でございました。


里芋


 

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最終更新日  2010年09月25日 15時59分02秒
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