パリオリンピック
もう終わっちゃいますが、パリオリンピックの話題です。東京オリンピックはいろいろダメな話題が多かったですが、東京だけでなくパリオリンピックもひどい話題が多く、もう駄目なイベントなのかもしれないと思ったり、悪いのはIOCだとか、バッハ会長だなんて思ってみたり。そんな悪い話題は置いといて。スポーツクライミングの話です。男子も女子も、惜しかったですが、どちらも素晴らしい成績だと思います。それぞれ本人がどう思っているかわかりませんが、2位でも4位でも立派だと思います。男子2位の”脱力クライマー”安楽宙斗選手は17歳。そんな年齢で、世界ランキング1位になるだけで、十分すごいことです。人間的にもまだ未熟であっても何ら不思議はない年齢なので、最後に固くなってしまって本当の実力が出せなかったとしても、仕方がないでしょう。これを今後の糧とすればいいし、次のロスにつながるモチベーションになるんじゃないかと思ってます。もちろん「2位で良かった」なんてことは思いませんが、「2位でダメだった」なんてことも思っていません。女子4位の森秋彩選手は身長154cm。ちっこいです。そんなちっこいのに、リードではジャパンカップを7度も獲ってるそうです。wikiによると、初優勝は12歳となっていますが、そのころはもっと小さかったはず。小さいと体を支えるのに有利ですが、リーチが短くなるということを考えると、体が小さいほうが有利とも言えない気がします(解説は後述)ので、これはすごいことだと思います。リードでは、完登目前まで行ったのに、4位に終わった原因はボルダリングの成績が振るわなかったことにあり、その原因は「最初のホールドに手が届かず0点の課題があった」ということだと思っています。そんな「スタートラインにすら立たせてもらえない課題設定」が意図的なものなのか、単なるルートセッターの無神経さから来てるものなのかわかりませんが、そういう点も含めて”パリオリンピック”なんだと納得するしかないのでしょう。そんな逆境にさらされながらも4位という成績は、十分素晴らしいものだと思います。今回のオリンピックは、運営の点や、審判の質や、いろんなところで「それはどうなんだ?」と思うところが多かったと感じてますが、選手たちは素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれて、メダルに手が届いたり、獲れると思ったメダルに手が届かなかったり、いろんなドラマを見せてくれました。選手たちの頑張りは、本当に素晴らしかったと思っています。さて、「リードは、体が小さい方が有利なのか?」ということを考えてみます。大雑把な話になりますが、体重は身長の3乗に比例します。それに対して壁に張り付いている際に体を支えるための力は、筋肉の断面積に比例しますので、身長の2乗に比例します。つまり、体が大きくなると、体重は3乗で増えるのに、筋力は2乗でしか増えないため、「体が大きい方が、筋力で体を支えるのに不利」ということになります。これが、「体が小さい方が有利」と考える根拠になっています。ただし、体が小さいと、遠くのホールドに手が届かないというケースが出てきてしまいます。「届かないなら飛びつく」という対応方法もあるのですが、それはやっぱりリスクが高くなります。ということを考えると、「体が小さい方が有利」とは、必ずしも言えないんじゃないかなぁと思うわけです。