新型iPodの脅威
というわけで、日本時間の13日午前2時、現地時間の12日午後7時から、アメリカ・カリフォルニア州のサンノゼでアップル社のスペシャルイベントが開催になり新型iMacG5、そしてビデオ機能搭載のiPodが発表された。iMacについてはともかく・・・iPod、である。まずはそのスペックをまとめておこう。●容量は30Gと60Gの2タイプで来週リリース。●30GBモデルが¥34,800、60GBモデルが¥46,800●30GBモデルは従来のiPod 20GBモデルよりも31%薄い。●画面はカラー液晶(320x240ピクセル、アスペクト比4:3、26万色)●画像圧縮はHD DVDで採用の高画質フォーマット、MPEG4/H.264をサポート●ビデオ出力可能 というのが、ハード側のスペック。僕が驚かされたのは、iPodへコンテンツを転送するソフト、iTunes6の最新版の機能と、そのコンテンツ供給についてだ。以下はまだ日本では開始されない(であろう)サービスだがアメリカではこんなものが始まってしまうという。●iTunesミュージックストアから、音楽ビデオを$1.99(\300?)で購入可能ここまでは、まだいい。●ピクサーのオリジナルショートアニメが$1.99で購入可能スティーブ・ジョブスとピクサーの関係を考えれば大いにあり。これもまだ、いい。●将来iTunes Music Storeでテレビ番組のダウンロードも可能に●米ABCと提携。「Desperate Housewives」「LOST」などが、放送翌日から1.99ドルで購入可能に 問題は、これだ。アップルはiPodとiTunesで、テレビ放送やビデオ・DVDというパッケージソフトとまったく異なる映像ソフト供給手段を手に入れることになるのだ。PCでの動画配信よりも手軽に。テレビパソコンで録画した番組をPSPやケータイ用に変換するよりカンタンに。iTunesで見逃した番組を手軽な価格で、短時間でダウンロードでき、最もパーソナルなメディアと化したiPodでいつでもどこでも楽しめることになる。これまでソニーをはじめとする国内メーカーが取り組みつつもその手順の複雑さなどで一般ユーザーになかなか認知されにくかった映像配信というジャンルについてもiPodとiTunesの連携がいともカンタンに実現させてしまうのか・・・とちょっとドキドキしながら今回の発表を見守ってしまった。さすがに映画をiPodで観たいとは思わないけどテレビドラマやバラエティ番組ならこのスタイルでの観賞はアリ、だなと。動画配信というビジネスが、ここにきて一気に現実味を帯びてきたか。僕のようなパッケージソフト制作に従事する人間からすれば、いよいよもって思考の転換と我が身の行く末の再確認を迫られた、そんな一夜。