香港編 その2。

お題:香港には貴方なら胃袋何個持って行く? 飲茶に溺れる編。


その1。にも書いたが、私達が最初に香港に行った際の観光ツアーに付いていた
飲茶はひどいモンだった。。小龍包・春巻・蟹焼売・芝麻団子に蛋撻。。定番中
の定番で、朝のお粥と共にこれが出た時はまぁまぁだな、と思った。問題は昼食
の「飲茶食べ放題」の時に、この朝食に出たものと全く同じメニューしか食べ放
題ではなくて、しかも味も見た目もほとんど同じだった事にある。ただしお店は
全く別の店。周りの円卓を囲んでいる地元の人たち(っぽい人達)はおばちゃん
がワゴンスタイルで売りに来る点心を選んで食べているが、私達にはそれは許さ
れていないのだ。。はっきり言ってどんなに旨いモノだって、続けて2食全く
同じものを食べさせられれば飽きる。それが普通レベルの味のモノならうんざり
する。。って事で、それ以降、香港行く時はこの教訓を生かしてキャセイ・パシ
フィック社の往復航空券+ホテル予約だけのツアーを利用している。

余談だかキャセイは機内食が美味しい。力を入れている、というだけある。機体
自体も最新型である事が多く、Yクラスの席にもパーソナル・モニターなんぞが
付いてて嬉しくなってしまう。サービスもいいし、お気に入りの航空会社だ。

香港、と言えば飲茶。飲茶と言えば。。数ある中でも、やっぱりお薦めは「陸羽
茶室」。中環の巨大ショッピングアーケードを抜け、ちょっと裏道を行った所に
この店はある。ドアの前には本物のインド人ドアマン(最初に陸羽に行った時、
彼を見て友人と私の頭の中には「隣のインドじん~~♪」という曲が流れた。。)
がいて、ちょっとたじろく。目が合うと彼はその濃い顔で微笑み、手招きした。
意を決してドアの前に立つと、うやうやしく扉が開けられた。
陸羽にはこういうウワサがあった。ここは1933年創業で、常連さんが多い。一見
さん、しかも観光客は相手にされなくて嫌な思いをするらしい。。という、実し
やか噂。。本当だったらどうしよう、と思って恐る恐る席に案内されるのを待つ。
こういう所では意外と堂々としている私達はすぐに席に案内された。茉莉花茶が
苦手なので、すかさず他のお茶を注文する。と、席担当のおじ様ウェイターの
唇の端に何故か笑みが。。。それからこのおじ様は優しかった。ここは朝の10時
前には点心を駅弁スタイルで売りにくるので、それを覗きこんで食べたいものを
もらうのだ(10時以降はあらかじめテーブルに準備してある伝票の中から食べたい
ものをチェックして注文する形式に変わる。モーニング飲茶を「早茶」と言う)。
売り子さん達は点心の名前を言いながらテーブルの間を歩くのだけど、音だけだ
とちんぷんかんぷん(^-^; むむ~~。。と思っているとそのおじ様が「これは
食べなさい」と売り子を呼び止めてくれたり、伝票を指差して「あれはこれだよ」
と教えてくれたり、果ては「何が食べたいのか?」と伝票の中から何品か指し示
しておいたらそれが来た時取ってくれたりした。言葉が全く分からなくても、食
いしんぼうなのは伝わったらしい(笑)。すっかりこのお店がお気に入りになった。
どれもが美味しかったが、その中でも本物の蓮の葉に包まれた粽が絶品!未だに
あれよりも美味しい粽は食べたことがない。
ここはインテリアも昔から全然変わっていない様で、時間が遡ってしまったよう
な錯覚に囚われる。年代物の落ち着いた色合いの調度品。真っ白なクロス。プラ
イド高そうなウェイター達。新聞を読みながら2~3品の点心をいつもの席で食
べている常連さん。常連さんには注文しなくてもその人好みのお茶が出てくる。
う~ん、格好いい。思わず常連になるほど通いつめたくなってしまった(^-^;;
香港行く度に訪れてはいるけど、これじゃ常連さんになるのは夢のまた夢。。

後はカオルーン・ホテル地階にある「環龍閣」。ここはペニンシュラ・ホテルと
同じ系列のホテルなので、このホテル直営の環龍閣ではペニンシュラと同じグレ
ードの点心がリーズナブルに食べられる。お茶も自由に選べるし、点心も丁寧に
作ってあり本当に美味。雰囲気も優雅で、サービスも行き届いている。「こんな
にお手頃なお値段の物を食べてるのに、こんなにサービスしてもらっちゃってい
いのかな。。?」と思うくらい(笑) 
ホテルのレストランなのであまり周りがうるさ過ぎないのと、フロアが広くてゆ
ったりできるのがお気に入りポイント(^-^)」
ちなみにあの有名な「XO醤」はここのシェフが発明・開発したものなんだそう
だ。結構高かったけど一瓶購入。うちに帰ってきてから使ってみたら、高級素材
がこれでもか!これでもか!!と入っていて、今までのXO醤の常識が見事に覆っ
てしまった。実に味わいが深くて、上手に使うと実に料理が美味くなる。凄すぎ。
これは重いかな?と思っても、買う価値あり。李錦記のは日本でも買えるから、
お土産にはこちらの方が良いと思う。

飲茶はお茶を楽しみながらのんびり楽しむのが基本。本当は点心をそんなに一杯
食べてはいけないらしい(笑)。歩きつかれた時、腹ごしらえと一休みを兼ねて
出来るのも嬉しい。けどね。。静かに、はかなり無理(^-^;; 中国の人は凄い
勢いで喋りながら、飲茶を楽しむ。この喧騒をBGMとして楽しめないと飲茶は
面白くない。この雰囲気に浸ってしまえば飲茶が好きになれる。

来年の香港行きでは尖沙咀にある「映月楼」に行きたいな!
ビクトリア湾とプロムナードが大きな窓越しに見渡せる、というロケーションも
さる事ながら、最近減りつつあるワゴンサービスをしているからだ。
ワゴンサービス、と言うのは、新幹線の車内販売みたいに、2~3品の点心を
乗せたワゴンをひいた売り子が客席の間を歩いていて、そこから食べたい点心を
持っているワゴンを呼び止めて取ってもらう形式だ。覗きこむと中身を見せてく
れるので、難解な料理名が並ぶオーダー表相手に頭を抱えるより、ずっと手軽で
香港らしい雰囲気も味わえる。また、映月楼は可愛らしい「動物型点心」がある
事でも有名。金魚型の餃子、鯉型のマンゴープリン&ココナッツプリン、兎型の
饅頭、等々。食べるに忍びないかもしれないけど、とても期待できそう(*^-^*)

まだまだ行ってないお店、行きたいお店がいっぱいある。飲茶はやっぱり香港で
食べたい!あ~本当に余分に胃袋を持っていきたい。。と、かなり本気で考えて
いるのであった(^-^;; (スイーツ編に続く)



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