さ寝の偲はゆくまんパパ さ寝の偲はゆ湯にて喩をおもへばはるか伊香保ろのやさかのゐでのさ寝の偲はゆ *1 ゆく春の夢の大陸移動説インドと伊豆は南より来し *2 やさしとふ言葉の意味の変遷の堆積として君のまなざし 射し込みし日に泛びたる張り紙の綴りの傷に心和みつ 誰がためにイエス・キリスト三十五坂本龍馬三十三歳 鉄幹が羨しかりしよふるごとく晶子を愛し国を憂ひて 天、命を革ふる文月を予期しつつ皐月の鳩のこふをあはれむ 白河の机上の論に魚棲まず田沼のころの懐かしきかな 「ルーピー」はそも何ぞやと研究社ポケット英和辞典を引きぬ 国民の不幸は去年の選びゆゑ それを言つちやあおしまひだけど 渡部恒三はいい親父だと倅を見ればすぐ分かるなり 中京区木屋町御池上ル上樵木町なる幾松の恋 十四で身売りをされて 宇都宮芸者一代書いてやりたし 宇都宮芸者のひと世ピー音と伏字だらけで本になり得ず 宇都宮芸者こしげの語りゐる絢爛たりし花柳の巷 *3 *1 東歌「伊香保ろのやさかのゐでに立つ虹の顕はろまでもさ寝をさ寝てば」(万葉集3414)、「伊香保ろの沿ひの榛原我が衣に着きよらしもよひたへと思へば」(同3435)などより。 *2 ヴェゲナーの「大陸移動説」の現代版、プレート・テクトニクス理論によれば、インド亜大陸と伊豆半島は、それぞれのプレートに乗って南方から移動してきた。 *3 以上三首、歳の離れた知り合いの実在の芸者。 2010年5月作 著作権を有します。 (c) 2010 Daddy Bear Nohara Sakamoto All rights reserved. ジャンル別一覧
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