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カテゴリ:愛犬との生活
息子を出産する直前まで、つわりが続きました。母子の体質が不適合とかで、医師に赤ちゃんを産むまでは我慢ですねと言われました。今思うと本当によく耐えたものだと思いますが、それよりも子供になにか困ったことが起こるのではと、それはもう心配しました。 陣痛の兆候があり、入院しましたが、聞いていたほどの痛みはなく、来ては遠のくという具合です。微弱陣痛ということだったのです。促進剤を使いましょうと言われ、不安は頂点に達しました。本当に大丈夫だろうか。 激痛との格闘の末にようやく産まれました。「元気な男の子ですよ」と言う声に、「なにかついていますか」と聞いたそうです。覚えてはいませんが。 産まれた途端に嘘のようにつわりがなくなり、こんなに気分のよいものかと思ったほどです。ご飯の匂いでむかむかすることもないのです。 息子は心配するほどのことはなく、くすくすくと育ち、元気で快活な子供に成長しました。 スープの冷めない距離に主人の実家と私の母が住む家あり、なにかと支援してくれますので、仕事を続けることもできました。 ところが、さほど遠くではない所に引っ越ししたときから異変が起きたのです。息子が小学校を卒業する間際のことです。なにかとつっかかるようになったのです。 住んでいた所は手狭で、近所で土地が売り出され、なんとかやりくりをして家を建てることにしたのです。そんなことで子供に配慮できなかったことに思い当たり、とても悔やみました。引っ越しによるストレスも相当のものだったと思います。友達とは違う校区の中学に行くことになるのです。私自身、子供のころに父の仕事の関係で移転が多く、寂しい思いをしたことがあるのに。 保育園育ちの息子はそれはもう友達思いで、園の遠足のときには、割り箸やティシュなどを必要以上にリュックに詰め込むのです。聞くと、誰々ちゃんが忘れると先生に叱られるからねと言うのです。 反抗は成長の証だといい聞かせながらも、息子の大きな変化に驚く方が先でした。 母は、あなたの時にはこんなものではなかったんだからと言い、主人は、心配することはないと言いますが、私自身はかなり神経質になっていました。つわりを思い出し、息子とは合わないんだろうかと落ち込んだりもしました。 東京から友人がヨークシャテリアを連れて遊びに来ました。学校から帰ってきた息子は、形ばかりのあいさつをしてさっと自分の部屋に行こうとします。 マリンは、とことこと息子の後をついて行きました。息子は、なんだこりゃという顔をしながらも抱き上げ、マリンはぺろぺろと息子の顔をなめまわします。しょうがないなと言う風情で居間の隅でひとしきり遊び始めたのです。 友人は、息子に、「この子飼ってやってくれない?」と声をかけました。息子は驚いた様子でしたが、しばらくして、「いいよ」とぽそりと応えました。 実は友人の家には犬が3匹いて、母犬と生後3年になる雌のマリンと雄のモモです。皆ブルーの美しい毛並をしていてます。友人から電話があったときに、犬でも飼えばいいのかなとため息まじりに息子の話しをしますと、息子が興味を示したらあげてもいいと言うのです。とても可愛がっていたので驚きました。 マリンが来て、家に流れていた空気が一変し、息子も穏やかになりました。 犬を飼う動機は色々だと思いますが、我が家の場合は、緊張を和らげ、明るさを取り戻す大きな助けになりました。 私はどうも世話を焼きすぎるきらいがあるのです。自分は束縛されるのは大嫌いなのにです。我がままなことです。遅まきながら、この頃に、いい加減にすることも重要なのだと学びました。今では相当にいい加減です。 マリンとの出逢い、友人の友情に心から感謝しています。そして後に、プリン、続いてマックスに出逢ったのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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