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2007.07.23
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カテゴリ:家事と仕事
おじいさん

去年の夏のことです。
友人の誘いで旅行をしました。
友人達は朝から合流し、既に観光を始めていたのですが、私は仕事の都合で、夜にホテルに。

翌日は、マイクロバスを借り切っての観光です。
友人とその会社の従業員や関係者、そして私。男性3名、女性5名。
友人以外のほとんどは初対面なのですが、旧知のようにすぐに打ち解けました。

仕事が続いていて、なかなか休暇がとれず、そろそろストレスがたまっていた頃のことです。
疲れてはいたものの、愉快な人たちとの旅は本当に楽しいものでした。

最後の観光は、昔は街道として栄えたという古い民家の並ぶ通りのそぞろ歩き。
平日とあって、他に人影もなく、通りは私たちだけのものでした。

土産物屋の表は、どこも景観を損なわないように配慮されていて品よく、しかし、
昔ながらの素朴な風情です。

一行は店に入って品定めをしたり、お茶やお菓子の振る舞いを受けていました。
蔵の窓や格子戸の写真を撮っていた私が、店に入ろうとしたとき、いつの間にか
側に着ていたおじいさんが、手招きをします。

まさか誘拐されるわけはではないだろうけど、皆が心配するかもしれないと躊躇する私に、
いいとこがあるんじゃ、こっち、こっちとなおも手招し、
店の横の暗い路地をさっさと進んで行きます。

おじいさんは、私がついてくるのをたしかめるように振りながら、いいとこがあるんじゃと
繰り返します。

長い路地を抜けると店の裏に出ました。なんと、そこは中庭になっていいるのです。
古びた屋敷の縁側におじいさんはもう座っていました。

そこじゃ、そこからの屋根の眺めが一番、ええ。

丁度私が立っている場所から、見上げると、ほんとうに美しい屋根の重なりが目に飛びこんで
きたのです。

思わず写真を撮りました。
おじさんはと見ると、なんとも嬉しそうな顔です。

おじいさんの写真をとってもいいかと尋ねると、ええよ。

おじいさんは、屋敷や庭の何やかやの講釈をするでもなし、ただ黙って座っているのです。
私も何も聞きませんでした。いいですねと言って、屋根を眺めていました。

どのくらいの時が経ったのか。
まだ、座り続けているおじいさんに、何度も礼をいい、急いで店に戻りました。
仲間達、心配しているのかと思いきや、
誰も気づかず、まだ買い物をしたりお茶を飲んだりしています。

旅に出かけたのは丁度今頃。とても懐かしく、あのおじいさん、あの屋根を思い出します。

うちわ


                   涼やかな風鈴と団扇は、
                   風と樹と空とフリー素材様からいただきました。
                              http://kaze-sora.com/ 





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最終更新日  2007.07.24 05:42:37
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