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テーマ:サッカーあれこれ(20135)
カテゴリ:イラン代表
先日サイパの補強についてお伝えしたが、その他の名門チームも選手の入れ替えが激しく行われている。
まずなんと言っても目立つのが先シーズンの大補強が奏功しなかったエステグラルだ。 まずはDFにカタールからゾブアハンに国内復帰していたハディ・シャクーリを加えると、ハジフィ杯決勝で対戦したぺガフから大型CBのタギプールまでも獲得。さらに右サイドにはパス・ハメダンの最強守備ラインからホスロ・ヘイダリを、左サイドには故障で今回の召集には漏れたがハシェム・ベイクザデと両翼を固める。そしてMFにはセパハンでの充実した一年を過ごしたホセイン・カゼミを復帰させ、エスティール・アズィンからは元U-19、U-23の10番ミラド・ヌーリを、さらにパス・ハメダンのキャプテンのジャラル・アクバリも久々の古巣復帰となった。そして前線には一時はダエイの後継者とも言われたアリレザ・アバシファードにUAEから復帰したシアヴァシュ・アクバルプールが復帰しマンスーリアンの後の10番を引き継いだ。 その一方で、サイード・ロトフィ、モハンマド・ナヴァジ、モフセン・バヤティニヤ、モフセン・ユーセフィにハミド・シャッフィーなどを切り捨てた。アミール・ホセイン・サデギにもメス・ケルマンへの移籍の噂があるほどだ。はっきり言って一年で結果を残せなければ「使い捨てる」やり方で彼らは栄光を勝ち取れるだろうか。 予想スタメン ---------------------Talebloo ----------Shakouri----Ghorbani---Taghipour ----Amirabadi---------Kazemi------------Maniei --------------Jabbari---------Akbari ----------------------Jabbari ------------Akbarpour-----------Majidi はっきり言って有力選手が多すぎてスタメンを決めるのも難しいが、こんな感じだろうか。モンタゼリ、ラヴァンハフなど昨年結果を残した選手が新戦力にやすやすとポジションを奪われるのも癪だろうが。 そしてチャンピオンチーム、ピルーズィはGKに代表のミサグ・メマルザデを、DFに両サイドをこなすラフ・アハンのアリレザ・モハンマドにモジュタバ・シリを、MFには一度代表に召集経験のあるボランチのモハンマド・マンスーリを、同じチームからクロアチア人MFのイヴァン・ペトロヴィッチも獲得。FWには昨年13ゴールをあげたカメルーン人FWイブラヒム・トーレを。そして移籍期間ギリギリにパス・ハメダンの堅守を支えたセェイエド・モハンマド・アラーヴィまでも獲得したのだ。さらにエステグラルが何年も声をかけてきたマラヴァンのマジャール・ザレもピルーズィとセパハンのどちらかが獲得しそうだという。 しかし今季のピルーズィは放出も派手だ。サイパにアガイーとカービィを譲り、中盤でいぶし銀の活躍を見せたファルザド・アシュービもメスに、ママニーとシェイスは解雇し、キャリミの兄であるGKファルシド・キャリミをぺガフに放出した。 予想スタメン --------------------Vaezi ---Nosrati---Heydari---Shiri---Nouri ------------Bagheri-------Alavi ------Badamaki------------------Vahedi -------------Tore---------Khalili しかし、例年この2チームの補強は度が過ぎている。私はパシャザデのファンということもあってエステグラルをサポートしてきたが、ここ数年は有望な若手の多いパス・ハメダンを応援している。しかしこの両チームはそのパス・ハメダンの最強の守備ラインから2人の主力を引き抜いた。まさにいいとこ取りの補強である。確かに資金面で潤沢な人気チームが補強に金をかけるのは当然の流れかもしれないが、特に今季のエステグラルのやり方には賛同できない。若干今季は派手さをおさえたピルーズィにしても、それは昨年の大補強があってのことだし、これでマジャール・ザレまで獲得すれば他チームとの格差は広がるばかり。 はっきり言って、両チームともここまでやれば国内リーグで優勝できるのは当たり前。むしろできなければ恥ずかしいくらいだ。私はこんなチームを応援する気には毛頭なれない。むしろ地方の小さなクラブが彼らを倒す姿を見るほうがよほど心地いい。ただ多くのタレントを擁する彼らがひとつの才能も腐らせず、使い捨てずに国内リーグ、そしてAFCでのターンオーバー制へとつなげることができるのであれば、それはイラン代表の未来の為にもサポートしたいが。個人的にこの移籍期間の両チームの恥知らずなえげつない選手の獲得、使い捨てには憤りを感じている。 そして、この両チームに追従するのがセパハンだ。パス・ハメダンから元U-23代表のモフセン・ミラビと昨季ピルーズィを相手にハットトリックを決めたメフディ・ジャファルプールを獲得。GKにはサイパから代表に復帰したベテランGKラフマン・アーマディを前線にはラフ・アハンから得点王ハディ・アシュガリとプリンス、アーマド・ジャムシディアンの両代表コンビを補強。しかし、なんといってもエマド・レザの慰留に成功した事が最強の補強だろうが。彼はピルーズィへの移籍が決まりかけたが、夫人が住み慣れたイスファーンを離れたくないと反対したらしい。そして大型CFで代表に初選出のバフマン・タフマセビをも補強している。一方でホセイン・カゼミをエステグラルに返却、ホジャト・ザドマフムードもフーラドへの移籍が取り沙汰されている。 予想スタメン --------------------Ahmadi ----Jafari----Aghily----Benghar---Akbari ----------Bahadorani-----Abu Al-Hail -------Jamshidian-------------Hajsafi --------------Karimi------Ashgari そして最後は今年もベゴビッチが率いることになったパス・ハメダンだ。前述のようにアラヴィとヘイダリを失ったが兵役の為にパス入りしたマジド・ゴラムネジャドもしくはセパハンから来たモフセン・ハミディがその穴を埋めるだろう。特にハミディは左サイドからFWまでこなすだけに、そのユーティリティー性の高さで重宝するだろう。勿論U-23時代にベゴビッチの元でプレーしているのも大きい。さらにセパハンからはグルジア人DFのジャバ・ムジリも獲得。貴重なレフトサイドでイランリーグでのプレー経験も長い即戦力だ。さらに外国人GKを排斥するとのIFFからの通達でサンドロ・トミッチを失ったが、ファジルセパシ・シーラズから若手で最も将来が嘱望されるソーシャ・マカニを獲得。彼もベゴビッチのU-23あがりだ。さらに絶対のキャプテンであったアクバリの穴にはメフルダド・キャリミアンを獲得。彼は2003年のユニバーシアード大会で10番を背負いタフマセビやセペル・ヘイダリ、モハンマド・モハンマディと共にプレーしたゲームメイカーで、今季はタイミングのいいヘッドと正確なパスを武器に8ゴール3アシストを決めている。年齢的にも若くアクバリよりも有能で将来のある司令塔になりそうだ。昨年は守備の強さで脆弱なFW人を補い好位置につけたが、今季は攻撃にも期待がもてそうだ。しかし、中盤のファラク・エフティアロビッチとリーグ戦終盤に前線で活躍したマフディ・へイリが禁止薬物の使用で数ヶ月の出場停止処分を受けていることが、スタートにどう響くかが懸念される。チャトラブグーン、マカニ、ナザリ、オムランザデ、ハミディといったベゴビッチのU-23世代が若い力でどこまで奮闘できるか楽しみだ。ちなみに昨年のパスは上記のビッグ3に対して2勝3分け1敗と限られた戦力で互角以上の結果を残している。さらにカップ戦ではピルーズィを3-0と蹂躙している。今季も彼らのビッグキリングが見られるか、じつに楽しみだ。 -------------------Makani -Hamidi--Omranzadeh--khorej--Shirzad ---------G.nejad---------Nazari -----------------Karimian---------Mujiri ------Chatrabgoon --------------------Obocha そして最後につけくわえになるが応酬組とUAE組について。 ショジャイーとネクーナムはスペインで、そしてテイムリアンはフルハムへ移籍、そしてマハダヴィキアは好調をキープしフランクフルトで再起を誓い、ヴァヒド・ハシェミアンは最高の時を過ごしたボーフムで再び背番号16をつけることに。小野伸二とも同僚となり、アジアンホットラインで多くのゴールの山を築けるか。共にプレーした同僚はベニッヒとズデベルくらいだし、ダエイともヘルタ・ベルリンでプレーし、ハシェミアンのゴールをアシストしたダリウス・ボシュッは引退しボーフムのU-19のコーチに就任。古巣は様変わりし、トルコから獲得したシナン・カロールとのポジション争いは熾烈を極めるだろうがヘリコプターの再ブレイクに期待したい。またアリ・キャリミはカタールFCで、あの因縁のセバスチャン・キンタナとプレーし多くのゴールをアシストしたが今季はシドニーFCへの移籍が取り沙汰されている。そしてUAEのMVPに選出されたマダンチ、さらにはカゼミアン、モバリ、エナヤティ、ハティービはそのまま残り、同じUAEからメイダブーディ、ハティービが代表に選出されるも、特にマダンチ、カゼミアン、モバリの3者が呼ばれなかった事に多くの疑問の声があがっている。ダエイはあくまで公平に調子のいい選手を選んでいるとメディアのインタビューに述べたが、前述のUAE組と海外組(ハシェミアン、キア)の召集があるのか、またそのタイミングについては多くの注目を集めている。個人的には彼らの世代から脱却すべきだと思うが、最終予選で彼らの経験が必要になる可能性は極めて高い。ダエイはその判断を的確に、公正に下す必要がある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.07.11 21:04:51
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