カテゴリ:素晴らしき銀幕のバイプレイヤーたち
70年代、人気テレビドラマ「刑事コロンボ」の主役の声の吹き替えで、
お茶の間を沸かせた名優・小池朝雄。 「あ~、あたし、警察のコロンボです」 「いやあ、うちのカミさんがねえ‥‥」といった 野太いけれど、トボけた味わいある独特の声は、「洋モノ吹き替えの最初の成功例」とまで言われたそうです。 小池氏は文学座出身で、舞台俳優として活躍するかたわら、 日活アクション、東映ヤクザ映画の重要な脇役として活躍。 主に暴力団の幹部や刑事といったハードな役柄を、 持ち前の抜群な演技力でこなしていました。 中でも、東映ヤクザ映画の革命的名作「仁義なき戦い」シリーズでは、 広島弁のヤクザ役のほかに、ナレーションを担当。 あの野太くて渋い声のナレーションは、忘れようったって忘れられません。 ヤクザやヤクザっぽい役ばかりだったかというと、決してそうではなく、 人にも自分にも厳しいが人間味のある職人の親方や、 一見乱暴者だけど、人の良いおじさん、 時代劇では大老・井伊直弼なども演じています。 モイラが印象に残っているのは、テレビ時代劇「子連れ狼」(萬屋版)の「堺筒」という回で、 当局の取り締まりなどおかまいなし、自分が納得できる鉄砲を完成させるためなら 死をも辞さない鉄砲鍛冶・七郎兵衛役。 幽霊よりも恐れられている刺客・子連れ狼が、仕事部屋にぬっと現れても、 「動くなぁ‥‥ちょっとでも動いてみろ、てめえは蜂の巣だ!」と、 開発中の連射銃で応戦しようとするのだから、すごい! 器用という印象はありませんが、悪役から善玉までこなせる たいへん骨太で奥の深い役者さんでしたね。 しかし、'85年、小池朝雄氏は54歳の若さで肺がんで亡くなりました。 テレビのニュースで訃報を知った時、モイラは「えーっ、まだ若いのに?!」と驚き、 深々と落胆のため息をつきました。「刑事コロンボの吹き替え、どうなるんだろ‥‥」 60代70代を迎えた小池氏の、ちょっと不良っぽいおじいさん役を見たかったです‥‥ 最後に‥‥言わせていただきます。 『刑事コロンボ』の日本での高視聴率獲得は、小池朝雄氏の吹き替えなしには、たぶんありえなかったでしょうね。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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