カテゴリ:素晴らしき銀幕のバイプレイヤーたち
アクの強さ全開のいかつい風貌と、一度聞いたら忘れられないダミ声、圧倒的な存在感、卓越した演技力で、
主に悪役として、スクリーンやお茶の間、舞台、バラエティ 洋画やアニメの吹き替え、ナレーションでも活躍した名バイプレイヤー‥‥ その名も‥‥小松方正! 小松氏は長野県松本市の生まれですが、生家に経済的ゆとりがなく、 親戚を頼って上京、苦学しながら神田の旧制中学で学び、 卒業後、海軍に入隊。 戦後、大蔵省(今の財務省)の管理局に入るも、学歴の壁にぶちあたり、 一念発起して大蔵省で働きながら、中央大学法学部を受験し、合格。 やれ、これでめでたくエリート官僚の道まっしぐら‥‥と思いきや、 演劇に目覚めてしまい、役者になることを決意したそうです。 役者になってからは、映画ファンならばご承知の通り、 大島渚監督作品をはじめ、名作と呼ばれるさまざまな映画に、 アクの強い脇役として出演し、その名が一気に世間に知られました。 モイラがいちばん好きなのは、大島渚監督作品「絞死刑」の、いかにも冷徹な官僚といった検事役。 「さすが元大蔵官僚‥‥リアリティたっぷり!」と、唸るような名演でした。 あと、「ミンボーの女」の緑のカバンをホテルに預けるヤクザ役も良かったですね。 そうそう、忘れちゃならないのが、この作品での悪役ぶり。すっごく印象的です。 モイラが小松方正氏の名前を知ったのは、小学生の時。 日テレ系の人気バラエティ「巨泉・前武のゲバゲバ90分」を、毎週楽しみに観ていたころです。 「ちょっとエッチでコミカルな、どこにでもいそうなおじさん」という、親しみやすさを抱きました。 最初はコメディアンかと思ったのです。マジで。 でも、少し大きくなって映画に目覚めてから、すごい演技派の役者さんだと知り、 大いに驚きました。 晩年、小松氏は体調を崩し、人工透析を受けるようになり、 それでも役者や声優としての仕事を続けるも、 2003年7月、敗血症で亡くなりました。 あの癖のあるダミ声、もう一度じっくり聞きたいものですね‥‥ にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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