カテゴリ:素晴らしき銀幕のバイプレイヤーたち
芦田伸介‥‥今の20代の人の多くは知らないと思いますが、
戦後から平成にかけて、渋い脇役としてスクリーンを飾った名優の一人です。 太平洋戦争中、中国・長春市(当時は満州国首都・新京)にあった満州映画協会(満映)の作品でスクリーン・デビューしてから、平成の時代まで活躍し、 ごく普通のおじさんから、頑固一徹な職人、冷酷なワル役までこなしながらも 「器用な役者」「演技派」という印象はあまりない、 それでいて、とても味のある役者さんでした。 アクション、文芸作品、社会派作品など、さまざまなジャンルの映画・ドラマで脇役をこなしていますが(2時間ドラマではたまに主役も)、 中でも芦田氏の名を不動のものにしたのが、 昭和36年から44年もの長きに渡って人気を博した社会派刑事ドラマ「七人の刑事」の ハンチングにくたびれたレインコート姿の沢田部長刑事役。 モイラはこのドラマ、再放送でしか観たことありませんが、 オープニングの男声ハミングのテーマ曲や、モノクロームのヘリショットの警視庁旧庁舎より、 悪に対しては厳しいけれど、庶民の悲哀を十分すぎるほどわかっている芦田デカ長が、 やたら印象に残っています。 寒い冬の夜、白い息を吐きながら張り込みをする姿、 聞き込みで渋谷の町を歩き回り、靴をすり減らす姿、 がむしゃらに犯人を追おうとする若い刑事を制して、ラーメン屋に連れて行き、 「まあ、そうムキになるな。腹が減っては戦が出来んぞ」と促し、うまそうにラーメンを食べる姿。 それまで刑事といえば、「太陽にほえろ!」に出てくるような やたら走り回り(車で逃走する犯人を走って追うのだからスゴイ!)、 「吐けよ!吐いちまえ!」と、取調室でよってたかって容疑者を恫喝し、 犯人と大立ち回りを演じ、時には拳銃でバキューン!みたいなイメージしかなかったモイラは、 どちらかといえば淡々としている芦田デカ長の姿に、リアリティを感じました。 芦田氏が出演している映画作品で有名なのは、いろいろありますが、 「戦争と人間」三部作の、大陸進出の野心満々で冷徹冷酷な実業家役は、 あまりにも有名です。 「マルサの女」の、ヒロインにやりこめられるちょっとセコいヤクザの親分役も、変化球が効いてて面白かったな‥‥ そんな芦田氏は10年前の1月9日、81歳で他界しました。 生涯現役の名脇役でしたね。 【中古】DVD▼戦争と人間 第一部「運命の序曲」▽レンタル落ち 【中古】DVD▼戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河▽レンタル落ち 【中古】 戦争と人間 第三部 「完結篇」 /山本薩夫(監督),滝沢修,芦田伸介 【中古】afb 【中古】 マルサの女2 伊丹十三監督作品 /伊丹十三(監督、脚本),宮本信子,三國連太郎,津川雅彦,大地康雄 【中古】afb 小説吉田学校/森繁久彌 芦田伸介 小沢栄太郎【中古】【邦画】中古DVD 【中古】 事件 /野村芳太郎(監督),松坂慶子,永島敏行,大竹しのぶ,山本圭,森繁久彌,大岡昇平(原作),新藤兼人(脚本) 【中古】afb お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 17, 2020 10:07:05 AM
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