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間間0299

間間0299

2004年10月31日
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カテゴリ:ひとりごと
風邪が長引いていて、日記から遠ざかっています。
それから、香田さんの一件が頭にこびりついて
お話を書くほうに 頭が回らないと言うのもあります。

彼が人質に取られたとニュースで聞いた日の夜、彼の首がはねられる夢を見たので、
ああ、死んでしまうんだなと なんとなく知っていたような気がします。


「危ないからやめたほうがよい」
「それは、無謀だ」

何度自分に向かって、言われた言葉だろう。
私も香田さんと同様、全く人の言う事を聞かない人間。
行きたいと思ったら、行かずにはおれない。
やりたいと思ったら、やらずにはおれない。
そういう、何か取り付かれた様な、狂ったような行動をしてきた自分と
香田さんの今回の行動が重なってしまう。


87年の年末、マンハッタンに居ました。
当時付き合っていた人間とボストン・NYの旅行中でした。
その頃のNYは、治安が悪く「Rotten Apple」(腐った林檎、
マンハッタンのニックネームはBig Apple、すなわち「腐ったマンハッタン」)と、
史上最悪の犯罪率を記録した90年をタイムズ雑誌が形容して表紙に書いたその年に向かって、
ただひたすら大犯罪都市への道を爆走している真っ最中でした。

そしてちょうどその頃、磯崎新だったか誰だか忘れましたが
有名な日本の建築家が、マンハッタンにオシャレなディスコを建築して噂になっていました。
ディスコは確か、夜もふけた頃、9時とか10時の開店だったような気がします。

私はそこに行きたくて行きたくて、10時過ぎ頃からしきりに
「一緒に行こうよ」と彼を誘い続けていました。

ところでその彼は、当時周りの日本人から「仏」とジョーク交じりに呼ばれるほど、
温厚で口数の少ない、でもボソッと一言 時折面白い事を言うような男性でした。

誘われた彼は始めのうち、「寒いからなぁ・・」とか
「もう疲れてるからなぁ~」と静かに躊躇しながら寝転がってTVを見ていたのですが、
私にはそれがとてもじれったく、だんだん不機嫌になっていきました。

何度言っても、笑いながら「寝ようよ~。一緒に寝よ。」と
妙に色気のある声で私をかわすばかり。

のらりくらりと逃げようとする彼に、イライラがとうとう爆発して、
「もういい! 一人で行く!!」
と、タンカを切って上着を着てドアの方に向かいました。
そういえば、一緒に来てくれると確信していたのです。

ところが、、、
ドアのノブに手をかけて、部屋から出ようとした時

「だめ! 行かさない! 何かあったらどうする?!
俺は死体なんて見たくないからな!
その死体を持って、俺にxx(私)の家族の人に何と言えと?!
行かさない!」
と、いきなり大きな声で怒鳴りたてたのです。

実際、彼の怒鳴り声を聞いたのは後にも先にも、この時だけだったのですが、
そのあまりに大きな声に、そしていつもの穏やかな顔からは想像も出来ない怖い顔に、
私は硬直してしまいました。


硬直している私を、彼は無理やり部屋に引き戻し
投げるみたいに、乱暴にベッドに座らせて
「いかせんぞ。 いいか、行かせないぞ。」
と、それだけ言うと まん前に椅子を置いて
私がオーバーを脱ぐまで、にらみ続けました。


その時、私、24歳。
奇しくも香田さんと同年。

もし香田さんに、「絶対だめだ!」と怒鳴ってでも殴ってでも、
行動を阻止してくれる人がいたら…。

私がディスコに行っていたとしても、死んでいたとは限らないけれども、
香田さんと私を分けたのは、行動を強制的に阻止する他者の存在の
有無だったのではないかと、ぼんやり思ったりします。

(すぐにカッとなって怒鳴る人の忠告だったら、
絶対私は折れなかったでしょうが…)

@@@@@


「自業自得」
それは、本当にその通りだと思う。
そう言われる事を彼はやった。
そして私も、このNYの一件にとどまらず、その後も危険な事をしてきた。

米国をポンコツ自家用車で横断する前は、親を始め、回りの人間から激しく反対された。
一番反対したのは、横断中に射殺されてしまった友人を持つアメリカ人の友達だった。
でも、やりたいという気持ちを抑える事はできず、私は結局行動に移した。

どうして私は、(少なくとも今のところ)生き残り、彼はそれに失敗したんだろう?

もちろん私と彼の直面した危険度は、確かに異なるんだろう。
確率から言えば、私の危険な行為は彼とは比較にならないものなのだろう。

しかし、ひとは確率の世界を生きてはいない。
飛行機事故の確率が統計上いくら低くても、
一度目にのった飛行機がたまたま落ちたら、
その人にとっての死亡確率は100%なのだから。

@@@@@

香田さんや私のように、こういう衝動的な欲求を持つ人間が
なぜ人の忠告を聞かないかと言うと、
まず一つはまぎれもなく「ばか」であること、
それから、その衝動が大きすぎて、やらないでおくという選択肢を考える事が出来ないこと、
そして、たまたまそういう衝動に駆られずにすんで「やめておけよ」と言える人に、
「自分の気持ちをわかってはもらえない」、
と思ってしまう節ががあるからのような気がする。

そういう意味で今回の彼の死は、その気持ちをわかる人からの強烈なメッセージだった。

だから「自己責任」「自業自得」と今回の一件に関してコメントをする人と私の
この事件の受け止め方が異なったのだろうと思う。

心よりご冥福をお祈りいたします、香田証生さん。





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最終更新日  2004年11月01日 03時16分20秒
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