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間間0299

間間0299

2005年07月14日
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【バーさん HEAD NEWS】

★ 「シンドイ、ト言ウ訳ヤ無イケドダルイ」(自己申告)、の割には元気な一日

【熱】    36.7~36.30
【リハビリ】 午前:作業療法 (ボール遊び、唄を歌っている所を見た)
       午後:理学療法 (立位を取る。20秒x3、10秒x3)
【感度】   普通に良好
【嘔吐】   0.5(昼食前、リハビリ直後)
【ウンコ様】 オヤスミ
【ヒミツのごっくん】 有(お茶、軽く4~5回)

@@@@@

9時前到着。
「おっはよ~」
「オハヨウサン~」
暫く、半腹臥位にさせて背中をマッサージしながら雑談。
「気持ちええか~?」
「ウンウン」
「身体が思うように動かんで大変やろうけど、今日も頑張っていこぅ~♪」
「ア~、モウ焼場ニ捨テニイッテ~」
「えぇ~、今更なんや! 捨ててええんやったらもっと早ように言うてくれな! 
半年も世話して損したやんかー!」
「アハハ!」
「あ、そやけど意識不明やったし、言えへんかったわな」
「ソウヤソウヤ!」

朝から元気そうだ。
昨夜の微熱はなんだったのか? 朝の体温は36.7、平熱に戻っている。

既に朝食は終了していたので、さっさと起こそうと準備を進めるが、
イエローカードが出てベッド脇に座った所で休憩。
車椅子に乗って、顔や手を拭き終えた頃には10時20分前になっていた。
久しぶりに雨が上がっていたので、即刻母を「日光消毒」に連れ出す。
車椅子を押して約一キロの散歩。
病院に戻って、そのままリハビリルームへ。
腕を上下させる訓練が始まったのを見届けて外に出た。
ぶらぶらと歩きながら、私は迷い続けた。
<どうすべきか?>

お茶を二本購入してリハルームに戻った時、母は療法士さんと「隣組」を歌っていた。
(なんか、ほのぼの~)
その後、運動会の玉入れに使うような赤い玉を横においてもらい、
掴んでは足元にあるゴミ箱に投げ入れるように支持された。
一つずつ手にとってゴミ箱に入れる母。
足でゴミ箱を少しずつ遠くへ蹴る療法士。
いくつ位入れた時だったか、母は玉を二個一度に掴みゴミ箱に入れ始めた。
数回それを繰り返したとおもったら、今度は向こうの方にいったゴミ箱を
足元に引き寄せ、それから両手でどんどん玉を入れて、とにかく仕事をやっつけてしまった。
ところが、前かがみになったために、やり終えた直後吐き気を催し
唾液と痰をもどした。
ここで午前の部、終了

食後、3時半に起こし4時過ぎに再びリハルームヘ。
立位を取る時間は順調に長くなって来ており、本日初めて20秒たち続けた。
一度立つと暫く休憩時間が入る。(かなりきつそうだ)
休憩中、隣の平行棒でゆっくりと歩く老婆を眺めながら母と雑談。

「立ってる時、しんどい?」
「ウン」
「そやけど、立つとやっぱり気持ちいい?」
「ソラ、気持チエエ!」
「いつか、隣のおばあさんみたいに歩けるようになるとええなぁ…。」
「大丈夫ヤ。 ジキ、歩ケルヨウニナルワ。」
さらりと母は言ってのけた。

訓練の途中、私は意を決して買い物に行った。
そして、必要なものを手に入れて走って戻った。
<雨が降りそうだ。 早くせねば…>

5時15分、訓練が終了するや否や、私は車椅子を押して外に出て、
病院の西側にある細い路地に向かって進んだ。
それから、誰も人がいない事を確認して車椅子を止め、
買ってきたものを取り出した。

「なぁ…」
「ナンエ?」
「ゼリー食べてみる?」
「ヘ? ココデ食ベルンカ?!」
「うん、、、食べたい?」
「ソウヤナァ…」
「あんな…。 病院には内緒な。」
「ナンデエ?」
「食べて、よからぬところに入ったら肺炎になるって、禁止されてるからや。
 そやけど、お茶も飲めてるし、ちょっとずつ訓練してみたらどうかなぁって、
私は思うわけよ。口からおいしくものを食べたいやろ?」
「ソウヤナ」
「やってみる?」
「ウン」

恐る恐る、ゼリーを口に入れてみた。
<モグモグモグ>
しばらく味わった後、母はゴクンと飲み込んだ。

「飲み込めた?」
「ウン!」
「もう一回飲み込んで。念のために。」
空嚥下は我々だってしにくい。
唾液を集めたのか、暫く口をムニャムニャさせた後、ごくりと飲み込んだ。

「口の中見せて」
<アーン>

路地裏で車椅子を止め、人目をはばかりながらこっそりとゼリー食べさせる娘と食べる母。
かなり怪しい光景だ。
高校生が隠れて吸うタバコの方が、いくらかサマになっている。

4口食べた時だった。
「今日はコレくらいにさせておけ」
神が空に命じたのか雨が降り始めた。

泣きそうになった。
ゼリーはまだ殆んど残っている。
その上、ガーグルベース(口腔洗浄時の汚水受け)の中には、
ゼリーを食べさせる前にうがいをさせたお茶が入っている。
ゼリーとガーグルベースを持てば両手がふさがり、車椅子は押せない。
仕方ないので、ガーグルベースに入った汚水を道端にさっと捨て、
残りのゼリーを一気に口に流し込んだ。
それから、車椅子をUターンさせて足早に病院に戻った。
(焦った・・・)

部屋に戻って、すぐに頭と顔をあったかいタオルで拭き始めた。
が、顔を拭き終えた直後イエローカード。
「吐きそうなん?!」
<ウン>
「げ! 絶対吐いたらあかんで! ゼリーが出てきたらばれるやん!」
「アハハ!ワカッタ!」(吐きそうなのに返事をした)

絶対安静状態にすること10分。
足をたらいで洗い終え、腫れ物を触るように母をベッドに移した。
再びイエローカード。
(あー、心臓に悪い…)

万が一でも吐いてゼリーが出てきたら、病院から厳しくお叱りを受ける事になるだろう。
お叱りだけなら痛くも痒くもないが、これが肺炎でも引き起こした日には
カーちゃんと家族になんと詫びればよいのだ?!

とにかく細心の注意を払って母を扱い、何とか無事に夕食までこぎつけた。
(神様ありがとう。 吐かずに済みました… 汗)

@@@@@

今夜のお話は聞けなかった。
なぜなら、母が「サムイ・サムイ」と言い続けたから。
夕方の体温は36.3度。 背中や腕は温かい。 
そのうえ、タオルケットの上にベッドの布団をかぶせている。
それでもとにかく、バスタオルを二枚身体に巻きつけた。

「まだ寒い?」
「ウン。 私ハ寒イエ。 ジットシテル身ヤカラナ。」
「そうか~。 どこが寒いの?」
「背中ガゾクゾクスル」
「それほんま? 氷水に浸かってる夢でも見てるんとちゃうの?」
「チャウ!」
「よう、ボケたこと言うやんか。 ほんまに夢見てないか?」
「ミテヘン!」
「そうか。 悪かった。 タオル二枚巻いたけど、それでも寒い?」
「ウン。 モノスゴ寒イ、トイウ程デハナイケドナ。 トニカク今ノウチニ熱をサゲナアカン・・・」
「へ? 下げなあかんって、今36.3度やで! これ以上熱を下げたら、もっと冷とうなって
どんだけリハビリしても、カチコチの身体になって、最後には火で焼かれて、
アツアツになってしまうで。」
「ア!ソウカ! ホナラ、下ゲンヨウニスルワ!」
「そうして、そうして!」

この会話を最後にぐっすりと眠ってしまい、呼んでも呼んでも起きて来なかった。

8時半前帰宅。





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最終更新日  2005年07月15日 01時44分15秒
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