メルボルン二世の思い出の中の地方競馬

2010/01/23(土)12:02

アクシデント・園田で暴動2

地方競馬(1941)

事件の発端は1月30日第七レースの「アラブオープン戦」 午後三時でギャンブルホリデーだけあり二万五千人のファンの中スタートが切られた。が 一枠から四枠までのゲートが開かず、ポンと出て来たのは後枠から外の五頭だけ。カンパイ。 この年の園田競馬は、正月以来、カンパイが続いており『カラスの鳴かぬ日があっても園田でカンパイのない日はない!」とまで言われていたほど…でした。 ゲートのテストをして、五分後再スタートが切られた。ファンは「内からスマノダイドウが逃げ、それをタイムラインが追いかける」と予想していた。 ところが、その二頭が出て来ない!怪訝に二頭の姿を探すファンの前にスマノダイドウとタイムラインがゲートから飛び出してきた。すでに他の馬は20メートルも30メートルも先を走っていた。再度カンパイかと思われたが、旗は全く振られない。スマノダイドウ、タイムラインの騎手も馬を押さえようとはせず、前を行く馬たちを追走うる。日本を代表するアラブだけにあっという間に追いついたが、その脚色は1000メートルの競馬のようだった。スタンドからは”ウオーツ!!”とうなり声が上がった。が、レースは続けられた。ナスチカラが逃げ、追いついたタイムラインが追いかける。追いついたスマノダイドウが好位につけた。このままでいけば何ごともなかったのだろうが…。前半の無謀なペースが響きタイムラインが三角で一杯となり、スマノダイドウも直線伸びを欠き、逃げたナスチカラもハイペースがたたり末脚をなくし一杯に。その間隙を衝いたのが好位につけていたシンコウオーザとホクセツエリートの二頭で 入線順位は1)シンコウオーザ、2)ホクセツエリート、3)スマノダイドウ、4)タイムライン 5)ナスチカラだった。場内は騒然!。すぐに審議のランプがついたが……。 ファンは「大穴や!」、「八百長や!」と口々に発しながら9レースのパドックへ、馬券売り場へ向かっていた。場内放送で「ただいまのレースは審議いたします」というアナウスがあったのは、このコロだった(遅過ぎる!)。パトロールビデオを確認し協議の結果”レース不成立”が決定。その旨の放送がすぐに行なわれたが、その前に「3-421160円』と場内には知れ渡っていた。気の早いファンは、すでに馬券を捨てて次のレースの馬券買いに走っていた。底に前代未聞の「レースは不成立、馬券は買い戻し!」のアナウンス。待っていたように一番警備の薄い二階席で騒動屋が騒ぎ出し、一般のファンを煽り立てた。別の実行隊が1階西端のゴミ箱に火をつける。これを、警官隊が消しにかかったことから騒ぎはさらにおおきくなり、騒動屋の現金強奪実行隊が、各所の払い戻し所の窓を破って火のついた新聞紙を放リ込む。逃げ惑う女子職員、アワを喰った払い戻し所の客。お金や馬券を持って逃げようとする女子職員を騒動屋に煽動された一般ファンまでが襲う。 昭和49年1月31日付け日刊スポーツ紙より

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