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テーマ:海外生活(7775)
カテゴリ:イタリア生活
昨日の日記、誕生日の前に書いたものがあるのですが、気付いた方、はたしていらっしゃるのでしょうか…。 さて、夫はサッカーが大好き。 しかしミランやユーべという有名どころの話ではない。彼が好きなのは地元ピサのチームのみ、それ以外はテレビでもあまり見ない。 日本では「え?ピサにサッカーチームがあるの?」とほとんどの人が思うはずだが、20年前はセリエAでも大活躍したそうだ。それが今では…(以下略)。 しかし、弱いチームほど地元の人にとっては可愛いらしい。 近所のおじさんが、自分の住む町の弱小野球チームに毎週末入れ込んでしまうのと同じ心理であろう。草野球ならぬ草サッカー、わからなくもない。夫もその一人で、一年間分席を予約してしまうほどのピサチームファンなのである。 しかし私はと言えば、前回のワールドカップでさえたったの一試合も見なかったほどサッカーにはまるで興味が無い。中田がフィレンツェに移った、と聞いたときも見に行こうなどただの一瞬も思わなかったし、ミュンヘンにいた時に目の前をカーンが通り過ぎても振り向きもしなかったほどだ。 しかしその私も最近は夫について試合を見に行っている。 それはなぜか? 理由は、「観客を見るのがおもしろいから」。 性別を問わず、試合を見ているイタリア人は概して口が非常に悪い。普段から異常なほどおしゃべりなのがさらにひどくなる、と言っても普通の日本人はきっと想像できまい。 敵チームに髪の長い選手がいれば、「このカマ野郎!競技場に入る前に髪切って来い!」ぶつかった後で大げさに痛がっている選手がいれば「おぉらっ!サッカーやめて俳優になれ!」。そして相手チームは斜塔が真ん中からポッキリと折れた絵の描いてある垂れ幕を下げ、「斜塔と共に倒れちまえ!」と歌っている、という具合。はっきりいって言いがかり、子供のケンカ以外の何物でもない。 もちろんこれらが英語でいう ふぉーれたーわーず をふんだんに散りばめたお上品な言い方であることは言うまでもない。それも大の大人が顔を真っ赤に大声張り上げて言うんだから笑ってしまう。小さな子供を連れての観戦も多いのだが、もちろん子供たちも親を見習ってすごい言葉を発している。 サポーターたちが音楽に合わせて歌うように叫ぶ言葉も、試合とは全然関係の無い相手チームの悪口であることが多い。ひどい時など戦争中からの宿敵であるフィレンツェの悪口を、まったく関係のない試合で叫んでいることもある…。 それでも嫌な感じがしないのは、イタリア語独特のかわいらしい発音と、「おまえの母さんでぇーべぇーそぉー!」と叫んでいるのと変わらない、ある意味幼稚なイタリア精神のお陰だろう。真剣な顔をしてジェスチャーを交え、必死で相手の悪口を言っているイタリア人たち…。聞いている私は試合そっちのけで、いつもお腹を抱えて笑い転げている。 ちなみに写真の女性が着ているTシャツ、Grazie a dio, non sono livornese と書いてある。意味は「ああ、神よ!リボルノ人でないことに感謝します」である。(前側は大きなピサの町のシンボルが描かれている) ピサとリボルノは隣同士でありながらこれまた仲が悪いのだが、なぜわざわざこんなTシャツを作る必要が?それも対戦相手がリボルノではないのに試合にこれを着ている人がとても多いのだ。巨人軍のファンが、「大阪に生まれなくて良かった…」と書いたTシャツを着てバレーボールの試合を見学しているようなもんである。 おまけに1歳児にも合うようなサイズから売られていて、試合のある日曜日は家族みんなおそろいで着ている姿もみることができる。イタリア人って本当におもしろい♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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