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テーマ:天使のいる暮らし(12)
カテゴリ:天使のいる暮らし
私には80年来のお友達がいます。
リアル瑠香をご存知の方は不審に思われるかもしりませんね。 でも、約10年前に現世をご卒業されたのが米寿の歳で、さらに数年前に、そのかた(華子さん)が初めてお会いした私のことを 「女学生の頃からのお友達なのよ~」 と、周囲に紹介し 「本当に久しぶりね」 と、涙ながらに喜んでいたのだから本当なのだと思うの。 私が忘れていただけなんだわ。 タネアカシをすると、彼女は認知症だったんですね。 手を取り合って再会を喜んだ後、彼女はしきりに私の爪を触りました。 マニキュアが嫌いだったかしらと思い尋ねたところ、 「私もそういうのしたいの…」とモジモジ。 そう。 普段はどうであれ、 今この瞬間の彼女は紛れもない年下の女学生だったのです。 私は割りとキレイな手だったので、砂漠の夕陽をイメージしたカッパーメタルでクールにキメていました。 ご家族に許可をいただき、ネイルの色選びを始めたところ、 彼女は「きれいにして」を繰り返すばかり。 彼女の手は・・・ 半世紀を裕に超える農作業で、日に焼け、節くれだち、一見して男性と見紛う程の逞しい働く手でした。 イロイロ考えた末チョイスしたのは、エゾ松の葉のように深いメタルグリーンと真夏のオホーツク海のような厚いメタルブルーの2色。指の一本づつに交互に配色しました。 彼女はとても喜んでくれて、自然に剥がれてくるまで誰にもオフさせなかったそうです。 嬉しかった。 別れ際、約束をしました。 「また、やってね」 「ええ、もちろん」 それきり、会えずじまい。 ----------------- 華子さんへ: 華子さん、ごめんなさいね。 わたし、もうしばらくの間は会えそうにありません。 もしかしたら、また何十年も待たせてしまうかもしれません。 許してもらえるかしら? 今度会うときは、ネイルたっくさん持って行くから。 いっぱい練習して、もっと上手になってから逝くから。 それまで、待っていてね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.06.09 17:09:36
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