Once in a Blue Moon

少し落ち着きICUから一般病室に移動しなければならない

そして一旦、大部屋に入室したが、

一般病棟では他の患者から感染する可能性があるので

個室で逆隔離の必要があると看護師から聞かされた

廊下ですれ違った師長さんに・・・

『個室に移っても良いですか？』

『1日、1万円ですが・・・』

『お母様には、先日申し上げておきましたが・・』

『息子さんと相談するとおっしゃっていましたよ？』

『お聞きになっていなかったのですか？』

親父の生活は決して楽な暮らしではなかった

それは、自分で蒔いた種だから仕方が無い・・・

あなたの家族で解決する問題と割り切っていた

でも、入院する前から何度かお金の相談があり

都合をつけたこともあった

『ちょっとととと・・待ってください』

『医療費の他に月31万円ですよね・・・』

『明日、返事をします』

その足で病室に行った

『親父、個室に移動する話し、聞いていたのか？』

『何故、言わなかった？』

親父は眉をひそめて

『無理や・・そんな金払われへん』

『個室なんかに入られへん』

『わしは、病気をうつされて死んでもかまへん』

とノートに書いた・・・・

情けない、寂しい、辛い、悔しい、・・・

頭の中で悲鳴をあげていた

でも・・・私は

『心配するな・・・何とかなるやろ』

『ほな、帰るわ』

そして病室を出て行った・・・

お袋・・・・

あなたは、何故いつも個室にいられたのですか？

何年もの間・・・・・

＞＞＞＞つづく