目に見えない砂時計

　２０１１年６月２５日、念願の

　世界文化遺産登録が実現した平泉。



　テレビで「　世界遺産　」でこの平泉が放送されてから

　いつかは行ってみたい・・・と思っていた。

　まさか　こんな早く行けるなんて思ってもいなかった。



　


　おそらく松尾芭蕉も歩いただろう参道。

　約８００メートルの　大きな杉が繁茂している一本道。

　本堂、金色堂へと続く月見坂だ。

　



　中尊寺本堂には　もう沢山の観光客がいた。

　面白い光景をみた。

　本堂に向かって手を合わせて祈願する人達が

　順番をまって長い列ができていた。

　私も行儀よく並ぶことにした。


　


　手を合わせて願うこと・・・

　今までは　ただひたすら息子のことをお願いしていた。

　でも

　最近は　それをやめた。

　もう充分彼のお願いをしてきたから。



　




　金色堂だ。

　ここだけは　警備員もいるほどに警備をしっかりされていた。

　

・金色堂

　現世の極楽浄土を映し出す清衡発願の　阿弥陀堂。

　藤原清衡が１１２４年に建立した阿弥陀堂。

　金箔と螺鈿で装飾され、見るものを圧倒する。

　清衡　基衡 秀衡の遺体が眠っている。



　もちろん　写真撮影は禁止。

　しっかりと目に焼き付いてきた。


　

　どこかの高校生たちが　修学旅行で入ってきた。

　元気そうだ。

　・・・

　また　息子のことを考えている。

　本当なら　この子たちのように今年は沖縄に修学旅行だったんだな・・・・



　


　金色堂を後にした。




　旅の最後のコースの毛越寺を　時間のある限り散策したあと

　今回の岩手の旅の余韻に浸りながら　

　旦那さんと　また来れたらいいね　などと話した。

　

　お土産をいくつか買って

　さぁ　帰ろうと・・・思っていた時


　私の携帯電話がなった。


　「　兄ちゃんが　変になってる・・。　」


　娘からだった。