野田秀樹さんです。
前回の『研辰の討たれ』は幕見でいっかと思って、発売1時間前に行ったもののすでに長蛇の列。
先頭の方は朝6時30分から並んでいたそうで、あえなく退散したのよね(泣)
今回の作品は「笑いというよりはシリアスな。」って勘三郎さんがおっしゃてたし
渡辺保氏は、なんやら難しいこと書いてるし
果たしてどーなることやら期待と不安を抱えて、いざっ!
【愛蛇姫】
う~ん。
幸か不幸か、自分はオペラ『アイーダ』のこと全然知りません。
いや、見ました。ブロックバスターでビデオ借りて…って、覚えてるはずがナイ。
多分、覚えてなくて幸せ。
駆け足で目紛しく展開する物語に見ていて疲れた。
ぐいぐい惹き込まれる展開とスピード感、とはちと違う。
ばたばた感?
勘三郎さんも台詞をこなすのに精一杯って感じに見えてしまって
そうなると感情なんて当然追いついて来てないから
イマイチ伝わり方が弱かったかなぁ。自分には、です。
【紅葉狩】良かったけど
丸々これに時間使ちゃあダメなのかなぁ、なんて考えてみたり。
たかだか90分弱で「アイーダ」のこと解かろうなんて思ってないしね。
伝統を受け継ぎつつ、新しいモノを創るのって難しい事なんでしょうね。
まさか江戸時代の大衆が『仮名手本忠臣蔵』とかをイヤホンガイドを聞きながら観劇してた
な~んてことはない訳で
きっとウチらがコクーン歌舞伎とかを見る感覚で、歌舞伎そのものを気楽に楽しんでいたと思う。
劇場内に溢れる一体感は、娯楽の王道「歌舞伎」の魅力っ!
一方で世界無形遺産なんて重いもん背負ったはずのに(もちろん名誉な話だけど)
何処かおめでた気分だけが目に付いてしまう歌舞伎界。
今回の作品を「これが(も)歌舞伎ですっ!」って胸張って紹介できるかつーと、頭抱える。
NYやドイツのお客さんと、歌舞伎座に見に来る外国のお客さんの意識って違うと思うんだよね。
日本のお客さんでも外国のお客さんでも、「歌舞伎」に望んでることってあると思う。
ところで、「歌舞伎」ってなんだろう?
『良い夢は見えぬとも、悪い夢は見えるものなのだよ。』
最近、ひとり言多くて困るわぁ。