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絨毯屋へようこそ  トルコの絨毯屋のお仕事記

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2006年09月30日
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カテゴリ:絨毯屋の仕事
今、日本の会社とトルコの会社との訴訟にかかわっている。
トルコの会社と取引きしている日本の会社が正式な貿易手続きを踏んで、支払いをしたにも関わらず、トルコから商品が来ないという例である。
訴訟といってもいろいろな事情や面倒なことは省いて、単純に支払ったお金を返してくれればいいという内容である。

私は直接の関係はないが、たまたま私が使っている若い弁護士(どこでもそうだけど、やはりフットワークの軽い若い弁護士の方が使えます)を紹介することになり、ついでにトルコへ頻繁に来れない日本の会社に代わり、間に入りこちらでの実際の手続き書類揃えの手配などをやり、弁護士との面談の内容の報告をしたりしている。
私もこちらで15年近くもいると、いままでも弁護士と関わる様々なことがあったが、日本からの訴訟は初めての経験であるので、弁護士の話を聞きながら勉強させてもらっているところ。

金額的には1千万円を越える金額ではなので、トルコの会社としては日本の会社が国際弁護士を頼むには元が取れない金額だし、かと言ってわざわざトルコで訴えたり、その手続きをとるツテもコネもないだろうから、「そのうち払う払う」と言っていれば、時の経過とともにあきらめるだろうという読みである。
そうは問屋がおろさなかったわけである。法的にも認められる正式な手続きを踏んだ上、資料が十分揃っているため、勝てる見込みは十分である。

個人でも、商取引きのトラブルはあるようで、日本人から訴え先の相談を受けることもあるが、多くの場合は正式な取引になっていないので、訴訟できるだけの資料がないのである。個人的な交渉を粘り強くするか、さっさと諦めるか、泣き寝入りするケースになる。
特にクレジットカードなどを切った場合でも、自分の意思で支払いをし、商品を持ち帰っている以上、単なる取引で、これがのちに高かったとか、サイン時に金額をちゃんと見ていなかったとか、その証拠を揃えるのは思ったほど簡単ではないし、認められないのが通常であろう。

この手の話では、一般のトルコの人たちは日本人の被害者と思われる人たちにとても好意的であり、同情する。そして自分たちの同胞がやった悪事をとても恥じて、なかには代わりにあやまってくれる人もいる。(そのあたりは一般のトルコの人たちに心から感謝するし、何があってもトルコを嫌いになれない理由でもある)
またいろいろなコネとツテであちらこちらに何か方法はないか聞いてくれたりもするが、やはり十分な資料がないこと、日本人側にも明らかな落ち度があるため、相手を訴えたり、払い戻しを受けるまでには至らない。
また日本人側もその裏にある事情を公にできないことに気がついて、あきらめるのである。騙すほうはそれらの事情もわかっていてやっているから、彼らにとってははっきり言って怖いものはなにもないと思う。

それでもトルコの商取引のルールに精通していれば、彼らの落ち度(弱点)をつかむことはごく簡単である。やり手の弁護士がよく使う手段ではあると思うが、慣習になっていることで、でも実は違法になることから攻めていくのである。うちの弁護士も支払いをしない悪意のある相手にはよくこれを使っているので、それを見聞きいしてる私はおかげさまで自分のことではとても注意深くなったし、どんな小さいことでも弱点を作らないようにしている。

最後に誤解のないように、付け加えておきたいが、取引トラブルでも悪意のない場合が普通である。どうしても悪意のあるトラブルが目立つし話題に上ってしまうが、日本とトルコの考え方の違いや、作業の細やかさの差で起こることがほとんどである。
日本国内での取引きを前提に、安心して任せきりだったり、当然こうあるべきだという頭でやりとりをしていると、それではダメだということに気がつくであろう。
それはトラブルというより、ちょっとしたアクシデント。考え方や習慣の違い・・・。
また私が感じるところでは、細かい部分の説明が不足しがち。そのため、あとでいろいろエクストラが出てくるので、日本のお客さんは「そんなこと聞いていない」となるのである。
でもトルコ側にしたら「聞いてくれたら答えていたのに、聞かなかったあなたが悪い」と解釈しているので平行線をたどる。
トルコ側は悪意はないし、どうしようもない。ただ言い訳が多いのと、それに関する説明が少し遅いかな・・・って感じである。

外国との取引だと、もしかしたらそれが普通で、目くじらを立てて怒るようなことでもなかったりする。他の国は知らないが、トルコの場合は本当にそうである。
もちろん当人にとってはそんな悠長なことは言っていられないのだろうけど、言ったってどうしようもないのだから、自分がストレスで胃を痛めないことを先に考えるべきだと思ってしまう。

言いたいことを我慢しろとか、相手に100%合わせろということではない。
相手にも外国人と取引している以上は、こちらの事情や考え方にも少しずつ慣れてもらいながら、一方的に主張や要求をするのではなく、歩み寄ることが必要であろう。
これって国際結婚や国際恋愛にも言えることなんだろうなあ・・・。

まずは経済大国ニッポン(過去の話とも思うけど・・・)とか、世界から働きものだとか金持ちだとか崇められているニホンジンだという後ろ立てや考え方を捨てること、そこからだと思う。
もうそんなものはトルコでも通用しないのである・・・。





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Last updated  2006年10月01日 19時12分04秒
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