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2005.05.31
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カテゴリ:かをり


 





「大人になるということは 

 何かを失っていくことなのでしょうか。」






彼は尋ねた。





彼女は答えた。





「大人になるということは

 いらないものを捨てていくことだよ。」









自慢じゃないけど、

あたしと好きな人はくだらない話ばかりしてる。

「今日は何食べたの?」とか

「蟻が部屋に侵入してきて困るんだ。」とか

「月がまんまるだね。」とか。

「中学の頃、ゴキブリ踏んじゃった。」とか。




とりとめも無く続くこの会話に

意味を持つことはないだろうけど、

あたしにとっては

無くてはならない意味を持つ。






たまに、

ごくたまに、

好きな人は難しくて答えなんてない話をしようとする。







「大人になるということは 

 何かを失っていくことなのでしょうか。」







彼女はこう考えた。





大人になるにつれて

沢山のことを身につけていったり、

沢山のものを手に入れていく。

それらはここでは「荷物」と呼ぶことにしよう。

「荷物」を持つことは大事なことだけど、

本当に大事なことは

手に入れることじゃなくて

自分にとって必要か、不必要か、

その整理整頓じゃないでしょうか。

いつの間にか両手に溢れんばかりの

「荷物」で手がふさがってしまい、

体も重くなってきた。

にっちもさっちもいかなくて、

どんどん目に見える範囲から「荷物」を捨ててしまう。

自分にとって必要か、不必要か、分別せずに。

「荷物」は少なくなり、

身は軽くなったけど

あなたに残ったものは

あなたにとって本当に必要なものですか?





彼女にとっての大事なものといえば

彼女の意思と

彼女が大事に思ってる彼の存在。

その必要最小限の2つを

落とさないように、

落としてしまわないように

両手でかかえておく。





なんて

意味不明の話を朝方まで話してました。

しまいには

「大人になんてなりたくないね。」

とか言ってしまう始末。






散々、あたしに語らせて

勝手に締めくくって寝てしまう。







そうだね

君はまだまだ大人なんかじゃないね。









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Last updated  2005.06.01 11:17:14
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