講談社現代新書
手軽に読める新書がおもしろくてはまっている。初めての作家に触れるにはちょうどいい。香山リカさんの『老後がこわい』を読んでいると、「あの世離婚を望む妻たち」という項目に思い当たるふしがある。話の結論をせかしたがる夫と、結論までの過程を詳細にしゃべりたい妻。夫への漠然とした不満に説得力がある。タイミングよろしく嵐山光三郎さんの『妻との修復』が目に留まる。もとはアカの他人がなにかのはずみで恋愛し、あるいは仲人の斡旋で結婚し、ともに暮らすようになる。暮らせば互いにアラが見えてくる。幻滅し失望しあきれはて憎悪し、やがて口をきかなくなる。そういうときは別居するに限るが、子が産まれるとややこしくなる。───本文より