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カテゴリ:薔薇伝説
薔薇伝説EPISDO 10 「悲劇の女 醜い女」 ついに二桁に…。いや~長いもんだ…。(すんまそん) ~*~*~*~*~~*~*~*~*~*~* 「さゆりぃぃぃ…」 澄香は口の中から自分の何もできないことに対してへの 虚しさがあふれていた。 「先生!大変です!!血圧が!!!」 あぁ…どうしてどうして… 澄香は自分を責め、さゆりの無事を願うのと共に、誰かに助けて欲しかった。 今誰も近くに頼れる「友達」は居ない。 自分の過ちをみとめて助けてくれた、さゆり。 今私には助けてくれる人が居ない。近くに友達は居ない…。 澄香は崩れてしまいそうな体を石原に支えていてもらった。 「あぁ…さゆり…さゆり…さゆり」 口からあふれてくるのは虚しさだけ。 ベッドの周りでは医師と看護士達が慌てふためいていた…。
た、たすけてーーーーー!!! 男はどんどん近づいてくる。 「殺す、殺す、殺す、殺す…」 男は機械的に殺すという言葉を連続してくる。 「いや!いや!ふれづてるふぁきし」 ついには、恐怖で呂律が回らなくなってしまった。 バッ!!! その瞬間彼女の首に男の手が当てられたようだった。 「いやっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 彼女は甲高い声で叫んだ。 しかし、誰の足跡の音もしない。 「殺す、殺す、殺す…」 男は無表情のまま、殺すと連呼する。
「澄香さん!落ち着いて!!!」 澄香は感情が高ぶり、石原の手の中を逃れ、さゆりのところへといってしまった。 「お願い!!!!お願い!!!!さゆり!!!!助かって!!!!」 病室には澄香の叫び声が鳴り響き、反響していた。 「お願いです…澄香さん今は離れていて上げてください…」 申し訳無さそうに石原が言う。 澄香はわれに帰り、 「ごめんなさい……」 とぼとぼと離れていった。
ぎゃあああああああ!!! たすけてぇ!!!! 彼女はもはや息苦しい中でそれだけを呟いていたのだった。 そのときだった 男の手が離れたのだった。 「チッ」 そう男は呟くと、顔を曇らせた。 「残念だったな。殺されずにすんで」 ―えっ! 「残念だが…これで終わりだ…」 男は本当に悲しそうだった。 「あ…ありがとう!!うわーんんんん」 恐怖から開放された事で彼女の涙腺から涙が溢れてきたのだった。 それを悲しげに見つめる男。
「俺が殺してやるよ」
「えっ!?」 男の言った意味が理解できないという思いが脳裏を走った瞬間、 男の肉付きの良い手はさゆりの華奢な首を確実に捕らえていた。 「な…なん………で…」 「私がお前を殺すかあいつがお前を殺すかだけの違いさ」 男はそう冷酷に言い放つともっと強く首をしめてきた。 さゆりは薄れ行く意識の中、彼女の顔を思い浮かべていた。 ―す、み、か 親友の澄香との思い出を思い浮かべながら静かに死のうとしていた。 もう、生きる方法はないんだ…。 そうあきらめ、良い気持ちで死のうとしていた。
しかし、そんな思いをなくすような出来事が起きた。 彼女は信じられない光景を見たのだった。 「ど…うして…」 そう言い放つと彼女の命の灯し火は消えてしまった。 彼女の顔は徳寺美咲の死に顔のように醜くゆがんでいた。 そう、彼女は幸せな死に方ができなかったのだ。 命が息絶えたのを調べると男は去っていった。 「大月さゆり―悲しい奴だな」 男は悲しそうにいうと去っていった。
ピーーーーー 病室に悲しい音が鳴り響く。 「さゆりぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」 澄香の絶叫が反響し皆、涙が溢れてきた。
大月さゆり、享年25歳
悲しい最後を遂げたのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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