mik.hamaのいい加減にします

2020/05/19(火)11:10

格差時代に格差写真機を組んでみる(ケンコーKF+カールツァイス・プラナー55mmf1.2)

カメラとレンズ(21)

今時、写真を撮る場合は、カメラが無くても取りあえず携帯とかスマホがあれば十分。 所が、銀塩写真となるとそうはいかない。必ずカメラが必要である。 世の中、格差社会などと言われているけど、 手持ちのレンズ交換式のカメラとレンズの組み合わせで、一番の格差写真機となると、 ケンコーのKF-3YCと、ヤシカ/コンタックスマウントのレンズの組み合わせだろう。 ケンコーのKF-Y3Cは、コンタックスが2005年にカメラ製造から撤退したあと、 2007年8月24日に販売された機械式のマニュアルカメラだ。 当時、最新の機械式コンタックスマウントのカメラという事で飛びついたのである。 喜び勇んでこれを東京で買い込んできて、お祝いをしなければと言う事で、 秘蔵のカールツァイス・プラナー55mmf1.2を付けて持ち出したのだけど、 ケンコーKF-Y3Cは安いだけあって中々の曲者であった。 ペカペカした感触のプラスティックのボディーは、まあこんなものかと理解できたが、 ゴリゴリとした、華奢な巻き上げレバーが折れるのではないかという位の重い巻き上げと、 大分光学系をケチったと思われる、ピントの山が分からないファインダーに腰が砕けて写欲減退。 シャッターの作動音もボディーの軽さ全開でパカンとかカチャンとした感じ。 ついでに、ホットシューのカバーは持ち出して5分ほどで紛失。 美点は、安くて軽くて機械式で、リバーサルでも露出がオーバーにならず正確という所。 結局、ケンコーは仕舞い込んでしまい、ヤシカ/コンタックスレンズは以前のように、 アダプターでEOSがメインであり、時々電池を抜いたコンタックスS2で使っている。 プラナーの55mmf1.2は、1996年にプラナーの100周年記念という事で、 当時のツァイスが、持ちうる最高の技術で1000本作られたレンズ。 とにかく、この世界最高の標準レンズが欲しくて、カメラ雑誌で一番安い所を探し、 東京の中野のカメラ屋さんに行って、幾ばくかの頭金とローンで購入したのだ。 55mmの大口径というと、初期の一眼レフ用がバックフォーカスの関係で、 f1.4では55mmとか58mmを採用していたのを思い出す。 カールツァイスの場合、像の平坦性を重視した完全補正型が基本であり、 プラナーの元の意味も「平坦」なのである。 50mmをf1.2の大口径にした場合、 像の平坦が保てないため55mmにしたと思われる。 同じドイツでも、補正不足型でデッコマヒッコマのライカとは思想も哲学も違うのだ。 現時点で最新のY/Cマウントの安カメラと、言わずと知れた高級レンズの格差写真機。 京セラのコンタックス終了で、こんな組み合わせの日が来るとは思いもよらなかった。 レンズに専用のメタルフードを付けると中々の迫力で雰囲気は悪くない。 ケンコーのボディーは、 最近になりレンズを付けて操作してみても無限遠でピントが出なくなった。 数回しか使っていないのに、ミラーズレなのか。 この耐久性では国産ブランドのカメラとして話にもならない。 ただ、このKF-Y3Cは、旧ソ連製のカメラよりもボロい短命なカメラであるけど、 別に腹も立たないし、捨ててしまおうとも思わない。なんか憎めないんだな。  2020-5追記

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