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2017.08.20
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カテゴリ:オーディオ
今、音楽を聴くためのスピーカーは2セットある。

一つは、アナログLPがメインの真空管アンプ+タンノイの4ウエイ:EYRIS/DC-3。
今主流のトールボーイスタイルで、低能率のワイドでフラットな厚みのあるヨーロッパトーン。
これはタンノイ得意の同軸2ウェイをメインにしているので、音像の定位も抜群でお気に入り。

もう一つが、デノンのUHC-MOS・FETのPMA-2000REと組み合わせている、
自作の25cm2ウェイのバックロードホーンである。

スピーカーBOXは、20年ほど前に作って放置してあったもので、
高能率ユニット専用の自作バックロードホーン。
ユニットの口径は他には余り製作例もなく、
当時の自分の部屋にはバランスが良さそうなので、
一度使ってみたかったJBLの25cmフルレンジに決定した。

大体、構想2ヶ月と設計2週間、
サブロク(1800mmX900mm)の21mm厚ラワン合板を9枚使って、
主要部分は全て21mmX2枚重ねで42mm厚、箱だけで53Kgだったと思う。
メインバッフルは21mmX3枚で63mmの厚みがある。

所で、期待のJBLの25cmフルレンジは実際に使ってみると、
中高域がヒステリックで、どうしてもハイカットのコイルが必要なのである。
このユニットは強力な磁気回路と、
トランジェントの良さそうなコルゲーションエッジの、丈夫で軽そうな振動版に惚れ込み、
往年の高能率JBLサウンドを期待して、殆ど直感だけで選んだのだけど、
どうも、PAで人の声とかギターやキーボードの音を、
遠くまで聞こえるように作られたユニットではないかと思う。

素性は良いのだけれど、高能率ユニットにコイルを使うのは大嫌いなので、
ユニットは外され、労作のスピーカーBOXは物置に放置。

それから幾年月、家を建てた時にタンノイとB&Wの低能率サウンドとは違う、
高能率ハイトランジェント・MOS-FETオーディオ復活を画策。
そしてオーディオ・ニルバーナという、マイナーブランドの10インチフルレンジを発見。

調べると、アメリカのオーディオマニアが、
往年のアメリカサウンド復活を目指して、大好きなフォステクスを下敷きに作り上げたユニットらしい。

ユニットのデザインは、ガスケット上側のロゴがダサいのが残念。
トランジェントの良いコルゲーションエッジの、黒いダブルコーンのメカニカル2ウエイ。
センターには金色の尖がったキャップが装着されている。

何と言ってもスペックが最高。

シリーズ最強の強力なネオジムによる磁気回路と、軽量で強靭な振動版。
これのマグネットは、同シリーズの30cmユニットと同等のものだ。
スペックを見ると、F0(ゼロ)が30Hz台と低めで、
中高域は100dB/m前後という高能率だけど、
低域はだら下がりの典型的なオーバーダンピングタイプ。

このネオジムタイプは言うに及ばず、フェライトタイプも同様で、
これをF0の低さに合わせて普通のバスレフでは、絶対に低域不足でバランスの悪い音になる。
大きめの箱で、ダクトのチューニングを高めにするのが定石だけど難しいだろう。
バスレフで使うのなら、能率が低めでF特もフラットなアルニコタイプの方が遥かに楽だ。

振動板の軽い高能率型のフルレンジユニットの場合は、背圧が掛かる密閉型も考えもので、
フルレンジの小型バスレフがあったら、試しにバスレフポートを塞いでみると、
低域の変化もさることながら、特に中域のボーカルが良く分かるけど、
喉が詰まったというか首を絞めたような抜けの悪い音になる。
こういう音が好きであるとか、目的として振幅を抑えて耐入力を上げるのならば良いのだけど、
フルレンジの鳴りっぷりの良さは半減してしまう。

チャンネルデバイダーによるマルチアンプを始め、
グラフィック・イコライザーとかトーンコントロールを使って、
アンプで低域をブーストする手もあるけど、
せっかくネットワークもないシンプルなスピーカーなのに、
あんな余計なものを信号経路の途中に入れてワザワザ音を劣化させるのも勿体ない。

というわけで、高能率ユニットが群雄割拠していた、
モノラル時代からあるバックロードホーンで、
メカニカルに低域をブーストしてやるのが一番なのである。

スピーカーは25機種以上作った事があるけど、
バックロードは、10cm~30cmまで何種類も作った。
まず市販ではロクなのが無くて、ある程度の使いこなしも必要で、
複雑な構造と、あの変ちくりんなデザインが好きで常に傍らにあった。


自作の#2526とタンノイDC-3のユニットの様子。
◎ #2526は、25cmフルレンジ+コンデンサー1個のスーパーツイーターの2ウエイ。
低域はバックロードホーンでブースト。
◎ DC-3は175mmの同軸2ウエイに、25mmのチタンドームのスーパーツイーターと、
175mmのスーパーウーファーを追加した4ウエイ。

両機の音造りの方向性は全然違うけど、主要帯域を出来るだけ1本で賄い、
少し不足している高域と低域を少し追加という考え方は同じ。


左がオーディオ・ニルバーナのネオジム10インチで、
右がフォステクスのスーパーツイーターのFT-90Hの周波数特性図。
ニルバーナの高域は軸上ではかなりのハイ上がりだけど、リスニングポイントではそれほどではない。
公称の出力音圧レベルは、100dB/mでも通用しそうな高能率なので、
アンプの電源を入れると、半導体アンプに関わらず残留ノイズが聞こえる。


上に乗っている、スーパーツイーターはFT-90H。
ニルバーナの高域が意外に伸びていてオーバーラップ域が広いので、
クロスオーバーは勿論、位置と位相には結構シビアである。
現在は、バッフルからマイナス20mmで逆相接続。

ハイパスのコンデンサーは周波数特性図を見て、
最初はフォステクスの銅箔0.47μF ≒ 42KHz:6dB/Octだった。
これで悪くはないけど、今では独インターテクニックの、
Audyn Capの0.33μF ≒ 60kHz/Octに落ち着いている。
30KHzでー6dB、15KHzでー12dB。
リスニングポジションでも、オーバーラップ域が広いので0.47μFだと少し煩い感じがする。
ここら辺は好みの問題にもなってくる。ラーメンのコショウみたいなものだ。


UHC-MOS-FETのヘビー級ハイCPの名作アンプの、
PMA-2000SEとスピーカーの接続は、
電力用の頑丈な8Sq(㎟)のCV線で大体長さは2m。
これが、PMAのスピーカー端子に入る最大径である。
メインユニットは3.5Sq。これがニルバーナのユニットに入る最大径。

低インピーダンスの負荷の場合、途中の抵抗分は大きなロスになる。
8Sqのケーブルに、2つ折りした3.5Sqを、14Sq用の圧着端子で直接2本圧着。
これをスピーカー上面にある、ネジ式の端子台の片側に固定。
その端子台の反対側からスーパーツイーターへ接続。

ホーンのカットオフは、大体50Hz辺りまでちゃんと出るように、
確か20Hzと30Hzのスタガードホーンなので、
パイプオルガンや大砲の気圧変化のような圧迫感のある低域のスケールは、
とても25cm一発とは思えない音が出る。

音圧レベルが、流行りの低能率の10倍は余裕であるので、
PMAアンプのボリュームも9時辺りが限度である。
(3dBで2倍、6dBで4倍、10dBで10倍)

トータルで市販のスピーカーでは決して聴く事の出来ない、
ハイトランジェントで高感度のハイスピードサウンド。

細かい音も再現するので情報量が多くて、
pp~ffまでの広大なDレンジは他では得られないものだ。

主要帯域の再生がネットワークもない直結のフルレンジ1発なので、
マルチみたいに音像や定位がボケたり、帯域で音色が違う事はあり得ない。

家に来るお客さん達の評価では、特に音像の定位と小ささと、
ボーカル、サックス、バイオリンのリアルさには定評があり、
パルシブな信号のパーカッションは他のスピーカーでは再現は無理だと思う。





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最終更新日  2019.11.13 11:01:25
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