Milk Chocolate

一面の赤の中、彼は立ち尽くしていた

蒼の衣を、べっとりとした鮮血で染めながら

彼が狩り尽くした屍体は、もはや原形を止どめてはいない


「………許さない」

ざく

ただの肉塊と成り果てたそれに、尚も竜胆は刀を突き立て、切り裂き、抉る

傍らでは、彼の相棒が佇んでいる

「…………たとえ誰であろうが」

ざく

「……あの方を……ボスを侮辱する奴は」

ざく

「………絶対に、許さない」

ざく

肉塊がちぎれ、新たな赤が流れ出す

「………竜胆」

アルフが彼の名を呼ぶ
しかし、竜胆は気にも留めずに屍体を抉り続ける

ざく

「竜胆！」

見兼ねたアルフが竜胆の腕を掴む
反動で、手中にあった刀が、カラン、と音を立て地面に落ちた

「もう、やめろ」

すっ、と目を細め、竜胆がアルフを睨む

その瞳に宿すのは、底知れぬ狂気

「やめるんだ」

そのまなざしに怯むことなくアルフは竜胆に呼び掛ける

数回の瞬きの後、竜胆の目に光が戻る

「そんなことをしても、意味はない」

「…………ああ」

しばらくして、竜胆は呟いた

「分かってる……分かってるんだ………」

痛い程の静寂だけが、二人を包んでいた


誰も知らない　彼の逆鱗に触れ、生き長らえた者を


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竜胆暴走しちゃったよ編←
ルインさんの悪口言われちゃってカッとなっちゃったんだよ、うん（待）

アルフさんと名前？だけルインさんお借りしましたー