RAGE AGAINST THE MACHINE / EVIL EMPIRE
RAGE AGAINST THE MACHINE / EVIL EMPIREチェ・ゲバラのTシャツを着ている人を見るといつも思う。この人はゲバラを知っているのだろうか?それともウォーホルが好きなのか?いや、ただ単にデザインに惹かれただけかもしれない。伝説の革命家も今やポップ・アイコンだ。だがそれは別に悪い事では無いと思う。ビジュアル、アートをきっかけにゲバラの功績を知る事もあるだろうし、資本主義、ブラックパンサーなどのキーワードに触れる事もあるだろう。入り口は何だって良いのだ。アートだけでは無く、音楽でもそうだ。ボブ・マーリーやパブリック・エネミー、そしてこのレイジもフィールドは異なるものの、音楽界の革命家であろう。彼らの音は確かに格好良い。刻むビート、ストイックなギターリフ、吐き出される言葉。歌詞は日本人にはあまり馴染みの無い事柄で、少々小難しく感じてしまうかも知れない。だが分からなくてもいいのだ。レイジの音を聴いてザックの言葉を歌詞カードで1読すれば、それはもう彼らの革命に参加している。ゲバラとも交流のあったキューバ国家評議会議長、カストロはこう言っている。「思想が存在する限り革命家は死なない。」ゲバラはもういない。レイジも既に解散してしまっている。しかしレイジの思想イーヴィル・エンパイアは世代を越え国を越え、存在し続けるだろう。ゲバラが人々に与えた思想と共に、或いは若者のポップ・アイコンとして生き続ける様に、RAGE AGAINST THE MACHINEもまた死なないのだ。