みみずの部屋

[中山道の旅] カテゴリの記事

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  2021年中山道の旅　完結！　大宮宿から日本橋

  ​​​​　本当は中山道の旅10周年である昨年のうちに完結したかったのですが、新型コロナウィルスをめぐる情勢が厳しくなり、緊急事態宣言が発出されたりしてできませんでした。　ようやく宣言が解除されたと思ったら今度は蔓延防止法を適用するとかいう話が出て、「やるなら今しかあるまい。」ということで外出がためらわれる中、あえて行ってきました。午前8時50分ころ大宮駅到着。駅前のマックで朝ご飯を食べて、マックの前の広場でA-bike cityを展開。こりすのトトちゃんって何でしょう？マスクを張り付けたテープの跡がついていました。これも世相ですな。9時20分出発。大宮駅前付近の中山道。この辺に旅籠なんかが立ち並んでいたはずなんですけど、何も残っていません。住宅や工場が並ぶ県道を走り続けて10時10分浦和宿の星野権兵衛本陣跡に到着。今はうらわ美術館が建っています。本陣跡から5分くらい走ったところにある調（つき）神社。斎王（皇族の未婚の女子で伊勢神宮に仕える人）がこの場所を選び神社を創建、武蔵の国から伊勢神宮に納める貢物（調）をここに集めさせたそうです。斎王が貢物を搬入搬出するのに邪魔な鳥居を撤去させ、それが今に続いています。「つき」にちなんで狛犬ならぬ狛うさぎが据えてあります。辻の一里塚跡。後ろはURの集合住宅。中山道が国道17号線と交差した先に交番があり、道が右にカーブしています。蕨宿の入り口です。宿場の入り口がカーブしたりつづら折りになって、そこに見附や番所があるのはお決まりのパターン。蕨宿本陣跡は蕨市立歴史民俗資料館になっています。でも、そのほかに宿場の面影を残す建物はあまりありません。ベージュ色の建物がうなぎ今井。江戸時代初期から続く老舗。ここでお昼ご飯を頂きました。江戸時代、蕨や浦和は沼地が多くうなぎが名物だったそうです。　実は、みみずはこの蕨宿本陣の近く、中山道沿いに住んでいたことがあります。今から40年以上前、2歳のころです。今でもたまに夢に見るのですが、昭和初期に建てられたと思われる古い町屋の中、薄暗い和室に鏡台と円筒形の赤いビニール張りの椅子がありました。その椅子は座面を上げると化粧品などが納められるようになっていて、その椅子の座面を上げたり下げたりして遊んでいました。まだ若い母が椅子に座って化粧をしている時にまとわりついて、邪魔をするなと叱られた記憶があります。土間（玄関）から上がると二階に上る急な階段があって、これが梯子に近い蹴込み板もないような代物で幼児が登るのはとても恐ろしく、親からも階段を上るのは禁止されていた記憶があります。この家は当時親戚のもので、その管理のために両親が一時住んでいたのでした。しかし横浜で勤務している父はさすがに通勤が遠すぎたので、すぐに引っ越してしまったそうです。この家は平成に入るころまで残っていて、その取り壊しの時、両親と一緒にみみずもこの家を見に来たことがあります。家の中に入って古い鏡台と椅子を見た瞬間、「あっ！」と夢に見る光景を思い出したのでした。あの夢はここの記憶だったのかと。みみずが持つ一番古い記憶です。今は跡地にアパートが建ち、父の持ち物になっています。前にも書きましたが、一族は旗本、関東郡代の親族で、江戸時代から蕨宿近くに住んでいました。関東郡代の陣屋はすぐ近くの赤山にありましたから自然な話です。みみずの本籍地は今でも蕨市のままです。（ちなみに、他にはここで飴玉と間違えて防虫剤のナフタリンを飲み込んでしまい、病院に連れていかれて無理やり吐かされた記憶もありますし、記憶にはないですが迷子になって蕨警察署に保護されたこともあったそうです。やらかしまくりの2歳児だったようです。）荒川を越える戸田の渡し。線路の橋のちょっと上流側に渡し場があったようです。荒川を越えればいよいよ東京都に入ります。おお！　ついに道標にも「日本橋」の文字が出るようになりました。がんばれ！基本的には国道17号線沿いに進むのですが、たまに国道をそれて裏道に入る部分もあります。清水坂は日本橋から来て最初に出くわす難所だったそうです。箱根路や碓氷峠に比べれば何でもないですけどね。志村の一里塚。二つの塚が両方とも残っています。東京都内でこの状況は奇跡的だと思います。志村の一里塚からしばらく行くと交番があり、中山道は国道からそれます。板橋宿です。これは縁切榎。石神井川を渡る橋が「板橋」。板橋宿本陣跡は左のマンションが二軒並んでいるあたりです。周囲は商店街で、これが巣鴨のとげぬき地蔵までずっと続いています。歩行者が多いので、時にA-bikeを降りて徒歩で進みました。環７をくぐり、埼京線を越えて商店街は続きます。そして「おばあちゃんの原宿」として有名なとげぬき地蔵まで来ました。コロナ禍にも関わらずほとんど歩行者天国状態です。ここで一服。大判焼きを買って食べました。お地蔵さまにはもちろんコロナ禍収束をお願いしました。とげぬき地蔵の先で国道17号（白山通り）に合流。東大に突き当たったら右折し東大の塀に沿って進みます。街並みもなんだか落ち着いた雰囲気に変わります。東大の赤門。徳川将軍家のお姫様が加賀前田家に嫁ぐときに前田家のお屋敷に建てられた門です。「かねやす」まで来ました。江戸時代から続く雑貨屋さんなのですが、「本郷も　かねやすまでは　江戸のうち」と詠まれ、江戸の北限とされてきたそうです。実際はもっと北までが江戸だったらしいのですが、大火事があった後、あの大岡越前が防火のためにかねやすまでの土地で茅葺き屋根を禁じたので、一般人にはここまでが江戸だと思われていたそうです。神田明神。平将門をまつる神社。街道を挟んで反対側には孔子をまつる湯島聖堂があります。神田明神の坂を下り、「神田明神下」交差点を右折。中央線のガードをくぐって左折すれば日本橋までは一本道。ここからはあえてA-bikeを降りて徒歩で進みました。20年以上前に東海道を歩き始めたときは徒歩でしたから。見えた！　あの首都高の高架下が日本橋です。日本橋の手前は三越本店などがある日本有数のおしゃれな街。あのライオンの前を通ってきました。さあ、着いたぞ。もう夕方だ。あの高架下、道のど真ん中に日本道路元標が埋め込まれています。今から20年余り前、20歳の時、大学の部活の仲間と元標を見てから東海道を歩き始めたのです。橋の向こう側にね。橋の中山道側に道路元標のレプリカが置いてあります。時刻は午後4時15分。京都の三条大橋を出てから11年目、東海道を歩き始めてからだと20年以上にわたる長い長い旅が終わりました。東海道側、高島屋がある方に橋を渡って、都営浅草線の日本橋駅から横浜の自宅に帰りました。今日は30キロを走破。疲れたな。　中山道の旅だけでも11年かかりました。東海道も含めれば20年以上。その時、みみずは二十歳の大学生でした。まだインターネットは普及しておらず、いわゆるIT革命が起きたばかりで、ノートパソコンやデジカメ、携帯電話がようやく登場したころです。世の中変わりましたね。みみずもその後、就職氷河期を乗り越えてなんとか就職し必死に生きてきました。不況も長引いたりして、まさに死屍累々の屍を乗り越えて生きてきた感があります。地震や津波があったり、世界では9.11の同時多発テロ以降不安定な状況が続いているし、おまけに最近のコロナ禍と、次から次に色々なことが起きて変わっていきます。諸行無常、ですな。街道沿いも不況でシャッター商店街になってしまったところもあったし、ガイドブックに載っているお店が無くなっていたり、泊まろうと思った旅籠が火事で焼けてしまったとか、そうかと思えば観光のためにきれいに整備された宿場があったり、常に変化しているのが手に取るようにわかりました。これからも社会や街道の風景は変わっていくでしょう。　でも、街道から見た山や川、そして日本人がそこで暮らしてきたという事実は変わらないわけで、それはおそらく大昔、江戸時代、あるいはそれ以前からそこを歩いた人々が見たものと同じものを共有し、各時代の変化を追体験できるのです。ダイナミックな旅ですよ。地図だけで表せるものではありません。時代を越えて立体的に日本を旅するということができる。それが街道歩きでしょう。　さ、次はどうしようかな。2001年ころ、20代のみみず。東海道の旅、静岡県さった峠付近にて。ついこの間のことのように感じますが…それが20年以上経つとこうなる。そのまんまオッサンになりましたとさｗ​​​​

  2021.04.10

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  2020年中山道の旅５　熊谷宿から大宮宿

  ​​​　本年中の踏破を目指して中山道の人力旅を急いでいます。　前回、相棒の自転車A-bike cityが終盤で不調になり、部品を取り寄せて整備しました。チェーンが緩くなっただけかと思っていましたが、やっぱりフリーギアも故障していることが判明して追加でフリーギアも注文し、チェーンとフリーギアを自分で交換しました。ネジを何個も外さなければいけないので大変でした。やっと組みあがったと思ったらフリーギアを逆に組んでいてやり直したり…バック方向にしかこげない自転車になるところでした（笑）。部品交換すると元の快適なA-bikeに復活しました。気が付いたらもう購入してもうすぐ10年経つんですね。中山道の旅も2010年に始めて今年で満10年です。10年の記念の意味も込めて、やはり今年中に踏破したいと思います。午前9時10分、JR行田駅下車。中途半端ですが前回は熊谷宿を出てこの駅まで来ました。駅から200メートルくらいで荒川の土手にぶつかります。そこからの眺め。元来た方を見ると遠くに上州の山々が。これから行く方向。旧中山道は左下の道路です。そこから100メートルくらい江戸側にある石碑。昭和22年にカスリーン台風で堤が切れた場所です。写真や図を見ると完全に土手が消滅して深く掘れてしまったのがわかります。街道のすぐ下には元荒川。江戸時代に関東郡代伊奈忠次公が今の荒川に付け替えるまではこれが荒川の本流でした。街道は荒川の土手から離れて畑と住宅が混在するところを行きます。ここは吹上の間の宿。熊谷宿から次の鴻巣宿までは15.7キロも離れているので、正規の宿場ではありませんが休憩や馬の中継場所として栄えたそうです。吹上の先はずーっと県道365号線を行きます。畑の中にも石仏があったりする、田園でも歴史を感じさせる土地です。曹洞宗随流山龍昌寺。荒川の流れを変えた伊奈忠次公が開基だそうです。JR北鴻巣駅の近くにある氷川神社。古墳の上に小さな祠があるだけなのですが、清和源氏初代の源経基が創建したんだそうです。氷川神社から1キロほど江戸側にある箕田観音堂。先ほどの氷川神社を創建した源経基が兜の中に収めていた小さな馬頭観音像を本尊としています。鬼退治で有名な源頼光公の四天王の一人、渡辺綱が巡り巡ってこの観音像を譲り受け、ここに開基したそうです。敷地は広く、元は結構立派なお寺であったと思われます。だんだん鴻巣宿に近づいてきました。鴻神社。鴻巣の名の由来。昔この土地の大木に巣を作ったコウノトリが大蛇を突き殺したところ、土地の人たちを苦しめていた災いが無くなったそうです。子授け、安産祈願が盛んのようですが、さすがコウノトリ。鴻巣宿中心部。道路右側の魚屋さん辺りが脇本陣で、その左手に本陣があったらしいです。さて、鴻巣宿にはみみずが毎年正月にお参りしているお寺があります。浄土宗の関東十八檀林の一つ、勝願寺。ここには関東郡代伊奈忠次公、そのあとを継いだ伊奈忠治公のお墓があります。そのほかにも小松姫や仙石久秀など江戸初期の有名な人のお墓があります。徳川家康公の帰依が深く、瓦などに葵の紋の使用を許されています。この辺でお昼を迎えたので、近くの商店街のお蕎麦屋さんでカツどんをいただき、かつて勝願寺の敷地であった鴻巣公園で休憩しました。鴻巣はひな人形で有名な町です。町名まで「人形」。ひな人形や五月人形をショーウィンドウに並べたお店がいくつもありました。鴻巣宿から次の桶川宿までは8.3キロ。その途中にある勝林寺。先ほどから何回も登場している関東郡代伊奈忠次公の菩提を弔うために忠次公の三男、日誉源貞上人（伊奈忠武）が開山となって創建されました。お寺の名前は忠次公の戒名、勝林院殿からとっています。ひたすら県道をA-bikeで進む。桶川宿の町に入ってきました。もう、宿場間でも田園風景というよりは郊外の町という感じです。桶川宿本陣跡。奥には当時の遺構もあるらしいのですが、この日は公開していませんでした。桶川宿の中心部。次の上尾宿までは3.7キロ。A-bikeならあっという間です。右手に氷川鍬神社の鳥居が見えます。その向かい側が本陣や脇本陣が並んでいた場所のようですが、今は駅前の繁華街になってしまってます。上尾宿から大宮宿までは8.4キロ。A-bikeでもそれなりにかかります。もはや田園風景はなく、ひたすら市街地を行きます。大宮宿の町に入ったところ。子供たちがいるあたりを左に行くと氷川神社です。氷川神社。武蔵の国一之宮。平安時代初期、延喜年間に定められた「延喜式」で武蔵の国で一番の神社に定められています。「大宮」の地名の由来になっています。もう夕方。氷川神社の裏手は大宮公園という広大な公園になっています。ベンチに座って一休み。上尾の和菓子屋さんで買ったお菓子をいただきました。紅葉がきれいでした。氷川神社の参道。両脇はビルが立ち並ぶ市街地なのですがそれを感じさせない見事な紅葉。江戸時代以前はこの参道が中山道だったのですが、関東郡代伊奈忠次公が神域を通るのは畏れ多いとして道筋を変えてしまいました。それが今の県道です。その、忠次公が新しく通した中山道がこちら。この辺りに本陣や脇本陣が数軒ならんでいたらしいのですが、何の痕跡もありません。JR大宮駅は本陣や氷川神社からすぐのところ。午後4時20分到着。今日もよく走ったわ。　本日は35キロくらい移動したでしょうか。武蔵野の田園風景からだんだん都会らしくなってきました。　本日何回も登場した関東郡代伊奈忠次公、以前にも触れましたがこの人はみみずの先祖です。家康公の家臣として関東一帯の河川改修、新田開発などに取り組んできた人です。みみずの家はその三男、忠武（勝林寺の開山、日誉源貞上人）の末裔であると伝わっています。正直、先祖の足跡がこれほどたくさん中山道沿いに残っているとは思っていませんでした。小さいころから事あるごとに親、親せきに関東郡代の功績を聞かされてきましたが、なんだか納得です。旧街道の旅は日本の歴史を旅することでもありますが、今回は自分の先祖の関与する部分が多かったわけです。そういえば、源基経公も先祖です。伊奈氏は清和源氏ですから。　なんか、子孫のみみずが遊び惚けてていいのかという気もしますけど、とりあえず年内の中山道踏破を目指して頑張ります。​​​

  2020.11.09

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  2020年中山道の旅４　深谷宿から熊谷宿

  ​　今回は横浜の自宅から日帰りで挑みました。できれば今年中に終結させたいと思っています。もう10年くらい継続している中山道の人力旅。江戸から京都を目指した東海道の旅を含めれば20年以上続けています。はたして今年中に日本橋に到達できますかどうか。今回もA-bikeを利用して関東平野をチンタラ駆けます。午前9時45分頃深谷駅に到着。日帰りだと現地到着が遅くなります。レンガ造り風の深谷駅。東京駅そっくりともいわれます。深谷は日本で初めてレンガを機械で作る会社が設立された場所です。それにちなんでるんでしょうね。そのレンガの製造会社を設立したのが渋沢栄一。レンガの会社だけじゃなくて色々な分野の産業を起こしているので、明治期の産業に関する文章を見ると頻繁に出てきます。この深谷の出身であり深谷の英雄。次の一万円札の人物像に決定したので、町中にお祝いののぼり旗やポスターが出ています。深谷駅前にある時計台。普段はふっかちゃんという深谷市のマスコットがいます。深谷ねぎの角を生やしたウサギのような鹿のような生きもの、性別は時と場合によるとか…それが、毎時0分になると…ふっかちゃんを押しのけて下から何者かが出てきたぞ。渋沢栄一？そしてまた下に戻っていきました。手に持っているのは市松人形と青い目の人形。日米の関係が悪化したときに親善のために人形を交換したエピソードにちなんでいるようです。アニメチックでかわいい渋沢栄一でした。さて、出発しますか。前回はオリジナルのサドルのまま60キロ以上走ったのでお尻が痛くて二つに割れてしまいました。今度は普通のサドルに交換してきました。これでお尻快適​　シートポストはパチモンのA-bikeから移植したものです。前回来た飯島本陣跡。少し周辺を走ってみました。深谷の町は蔵とレンガ造りの建物が多いのです。江戸時代の名残よりも明治期の名残が多い街と感じます。深谷宿もこの常夜燈まで。熊谷宿を目指します。昔は松並木があったようです。今は復元された並木があります。復元と言っても結構年数が経って立派なものです。しばらく県道沿いを行くのですが、石碑石仏、寺社が点在しています。旧街道沿いのイタリアンレストランで昼食をとりました。この近く。安くて美味しくて、大当たりでした。忍藩の境界石。これより江戸側が忍藩領です。明治になって撤去されていたものをもとの位置に戻したのだそうです。しばらく国道に沿っていたのですが、熊谷宿の本陣近くで商店街を通ります。その出口付近。街道は向かいのデパートの中を通っています。振り返ったところ。土曜日で商店街は静かでした。デパートの先で国道に合流。すぐに竹井本陣跡。郵便ポストのあたりです。戦争の空襲で街が焼けてしまって、当時の物は何も残っていないのです。近くにある星渓園を見てきました。本陣の最後の当主が作った別邸の庭園です。振袖石。加藤清正公が朝鮮から持ち帰ったものだとか。そんなに大きな庭園ではなく、周囲は民家やマンションに囲まれているのです。でも潤いを感じられる場所でした。熊谷駅に寄ってみました。熊谷と言えばこの人、熊谷直実。源平の合戦で活躍した剛の者。平家物語の敦盛の最期で有名です。熊谷駅を過ぎて住宅街の中を進んでいると、何やら小川の岸に立札が見えました。ムサシトミヨ？どうやら元荒川という昔の荒川の本流のようです。住宅が多いわりにきれいな流れでした。元荒川のすぐ隣には現在の荒川が流れています。街道はその土手に登る部分もあります。ここで休憩。深谷宿で買った十万石まんじゅうをいただきました。つい最近までこんな橋があったんですね。あうんの呼吸で渡るって、大変だこりゃ。冠水橋跡のところで土手を降りると古い道しるべと地蔵堂が。いっぱいお地蔵さんが集まって、プチ霊場の雰囲気を醸しています。江戸時代、この辺りで平井権八なる者が上州絹商人を殺害して金を奪い、傍らにあった地蔵に「このことは誰にも言うなよ。」と言ったところ、地蔵に「我は言わぬがぬしも言うなよ。」と言われちゃったそうです。その後、権八はとらえられて鈴ヶ森の刑場で磔になったのですが、途中経過は知りません。やっぱり、自分で言っちゃったんでしょうか？その物語にちなむお地蔵様です。午後3時25分ころ、行田駅に到着。ちょっと早めで中途半端ですが、日帰りなので今日はここまで。　今までは宿場間が短かったのですが、深谷から熊谷、さらに次の鴻巣宿までの間はいずれも10キロ以上あります。本日は15キロくらいしか走っていませんが、横浜の自宅までの往復時間を考えるとこんなところで満足すべきでしょう。余力を残して行田の駅から帰りました。　上り坂でA-bikeのクランクケースからバキッっと音がするようになりました。ちょっと整備が必要かもしれません。それと、本日お尻は無事でしたｗ​​

  2020.10.24

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  2020年中山道の旅３　高崎宿から深谷宿

  ​​​　京都から江戸を目指す旧中山道の人力旅、関東平野に降りてきてからは折り畳み自転車A-bikeを利用しています。木曽路などと違って平坦な土地が続くので、自転車が利用できて機動性は上がるのですが地方の特色とか記憶に残るような景色は少ないかな、と思っていました。しかし、予想に反して前日は妙義山の景色や達磨寺など面白いものを見ることができました。本日は上野の国から江戸がある武蔵の国に入ります。いよいよゴールも見えてきた感じがします。午前９時10分、高崎駅に到着。高崎宿は今年の6月に見物しているので、今回は軽くスルーすることにします。シャキン、シャキンとA-bikeを組み立てたら昨日来たあら町交差点まで。昨日は写真正面の方から来ました。街はずれまで来て振り向けば上州の山々が遠くに見えます。次の倉賀野の宿まではわずか5キロ弱。その倉賀野宿の手前でこんもりとした丘が見えました。浅間山古墳。史跡にも指定されている前方後円墳です。周濠はそのまんま田んぼや畑になっていてわかりやすい形です。右手が前方部、左手が後円部です。この周囲は古墳だらけのようでした。まもなく倉賀野宿に到着。須賀喜太郎脇本陣跡。勅使河原本陣跡はドラッグストアになっていました。脇に当時の物かと思われる灯篭などがあります。太鼓橋跡。昔、川が増水するとすぐに板橋が流されるので、宿場の飯盛女たちが寄進して石のアーチ橋を作ったのだそうです。今は普通の小さな橋です。下を覗き込んでみると、問題の川は暗渠になってしまったのか道が通っていました。諸行無常。　倉賀野宿もほかの宿場と同じく昔の面影はわずかで、国道から県道に格下げになったのであろう旧道に沿って一見何の変哲もない街が広がっています。そんな旧道沿いの和菓子屋さんに寄っておやつのお菓子を買ったのですが、その中に「河岸最中」というのがありました。倉賀野宿は利根川の水運によって繁栄した町らしいのですが、その水運に絡めたネーミングのようです。ちょっと街道からそれますが河岸跡を見に行きました。この辺りが倉賀野の河岸跡。橋のたもとに河岸を記念する石碑がありました。この河岸は利根川水系の水運では大型船が入る最上流であったので、上州や信州各藩の米や農産物を江戸に送る中継点として大いににぎわったのですが、鉄道の開通によって使命を終えたとのことです。近くのベンチに座って河岸最中をいただきました。倉賀野宿の江戸側のはずれにある追分。Y字の右側が江戸方面。左側が日光方面。常夜燈は個人の寄進で作られたものですが、寄進者には雷電とか団十郎とか、ビッグネームが名を連ねています。烏川の柳瀬の舟渡し場跡。先ほどの倉賀野の河岸の下流にあたります。これなら舟運が通行できるなと納得がいきます。この後はしばらく川の土手沿いを行きました。新町宿、小林本陣跡。新町宿も現在の国道はバイパス化していて旧市街からは外れています。新町駅近くのラーメン屋さんでお昼ご飯を食べました。明治天皇の行在所跡。小さな公園のようになっています。新町宿を出たらすぐに神流川を越えていよいよ埼玉県、武蔵の国に入ります。この神流川周辺は古戦場でもあります。本能寺の変で信長公が討たれた時、信長公の仇を討とうとした瀧川一益（上州側）と北条氏（武蔵側）が激突、瀧川軍がボロ負けしたようです。埼玉県に入ってからの眺め。広～い平野です。県道をひたすら走って、本庄宿の入り口にある金鑚神社。欽明天皇のころの創建だそうです。本庄宿の町もほかとあまり変わんないな、と思いながら走っていくと、何やらレンガ造りの洒落た建物が見えてきました。旧本庄商業銀行のレンガ倉庫。本庄の町は幕末ころから繭の集散地として栄えており、この建物は明治になって銀行の融資の担保となった大量の繭を保管するために建てられたのだそうです。内部は今後の使用に耐えられるように補強が入り、資料の展示などが行われていました。お茶を飲んで一服してきました。本庄宿、内田本陣跡。今は足利銀行と東和銀行が建っています。本庄宿を江戸側に出たところの風景。向こうは秩父山系でしょうか。もう夕方だ。こんな農道のようになっているところも。とにかく広い平野。関東平野は日本で一番広い平野ですからね。岡にある百庚申。幕末の世情が騒がしい時期に作られたものだそうです。県道から外れたところにあるのでよそから来た人はまず見ることはないでしょうね。もうすぐ今日の目的地、深谷宿です。なんか道に鐘撞堂が出っ張ってるなと思ったら、ここが深谷宿の枡形でした。呑龍院の鐘です。呑龍院から少し行ったところが深谷宿の飯島本陣。今は飯島印刷になっています。奥に昔の建物が残っているようです。造り酒屋でしょうか、白壁の蔵と奥にレンガ造りの煙突が見えます。お店の前ののぼり旗は、新一万円札の人物像が深谷出身の渋沢栄一に決定したことをお祝いするもの。渋沢栄一は明治を代表する実業家ですが、レンガを生産する会社も設立しているんですね。昨日の高崎でも今日の本庄宿でもレンガの建物を見ましたが、そういったレンガ造りの建物があるのも彼のおかげでしょう。　一日かけて高崎から宿泊場所の深谷に戻ってきました。本日の移動距離は約32キロ。​昨日の30キロと合わせて、A-bikeのサドルが痛すぎてお尻がもう限界です。​次もA-bikeを利用するつもりですが、サドルは普通の形状のものに交換します。いつもの年なら膝とか足腰に限界が来るのですが今回はお尻と、昔の旅人ではなかったであろう苦しみと戦いました。でもあきらめません。ゴールの江戸、日本橋はもう少しです。​深谷駅。まだ新しく、レンガ造り風のおしゃれな建物です。​​

  2020.10.16

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  2020年中山道の旅２　坂本宿から高崎宿

  ​​　前回は今年の６月に軽井沢から碓氷峠を越えて信濃の国から上野の国に入りました。まだ梅雨が明けてなくて、山の中はヒルだらけで難儀しましたが、木曽路、信濃路と続いた山の道を抜けていよいよ関東平野に降りてくることができました。これからは大きな峠越えもなさそうだし、京や近江で使った超小型の折り畳み自転車、A-bikeを活用することにします。　泊りがけは前回で終わりだと思っていましたが、やっぱり今回も泊りがけにしました。前日に埼玉県の深谷駅近くのホテルに宿泊。そこを拠点にして江戸を目指します。午前10時ころ、信越本線の終着駅横川で下車。前回はこの松一食堂で夕食を食べました。A-bike cityを組み立て、いざ出発。坂本宿は妙義山のすぐ脇にあるのです。旧街道が県道をそれた場所に何か看板が。百合若大臣の足痕石。多分、写真下の方の石だと思うのですが。昔、百合若大臣という大男が強弓で川向の山を射たときに踏ん張ってへこんだ跡だそうです。旧街道が国道や県道をそれるとこんなのどかな風景が広がっています。庚申塔や石仏、古いお堂などが導いてくれます。踏切の向こうに何かのぼり旗が立った建物があります。五料の茶屋本陣です。お西とお東の二つの名主の家が隣り合っていて、交代で茶屋本陣（大名などの休憩所）を勤めたそうです。松井田宿中心部付近。本陣は残っていません。松井田宿を過ぎてからしばらく県道を行くと、巨大な杉の並木が見えてきました。原市の杉並木、天然記念物らしいです。この辺りでお昼を迎えたので、すぐ南を通っている国道沿いのレストランで昼食休憩しました。杉並木を過ぎて少し行くと安中宿に入ります。街道から少し坂を上ったところにある安中藩武家長屋。中級の藩士の住居として使われていたそうです。社宅みたいなものですかね。こちらは交差点の向かいにある安中藩郡奉行の役宅。須藤本陣跡。今は郵便局になっています。安中宿から次の板鼻宿までは3キロちょっとしかありません。ここは板鼻宿の木島本陣跡。今は公民館です。板鼻宿にて。古い消防ポンプがお店の前に置かれています。博物館で見るようなものですが、こんなものがあるのも歴史がある街だからですね。板鼻宿を過ぎて国道18号線沿いに進んだら、碓氷川を渡った先に少林山達磨寺があります。縁起物のダルマの発祥の地です。水戸黄門が深く帰依したお寺でもあります。境内からは高崎方面がよく見えました。達磨寺から高崎に向かう途中にはダルマを作っている工房もありました。烏川を渡り、いよいよ高崎の街に入ろうかというところで、どっしりとしたレンガ塀とレンガ造りの煙突がありました。塀は山田文庫という私設図書館のもの、煙突は岡醤油醸造の煙突。岡醤油醸造の事務所でおせんべいを買いました。お店の人の話ではテレビ番組の取材なども時折来るそうです。街道は川から上がって高崎宿の街に入ります。ここが京側の入り口だったらしいです。午後5時20分ころ、本日のゴールである高崎駅に到着。　妙義山の脇を抜け、上州の里や町の風景を楽しんだ一日でした。　今日のルートは宿場の間隔が狭く、坂本、松井田、安中、板鼻、高崎と五つも宿場を通ったことになります。でもそれなりに行程もあって、本日は約30キロ。坂本の出発時刻が遅くてもここまでこれたのはA-bikeのおかげです。でも、うっかりしていてオリジナルのサドルのまま持ってきちゃったので、お尻が痛くて仕方ないのです。翌日以降がちょっと心配です。​​

  2020.10.15

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  2020年中山道の旅１　軽井沢宿から坂本宿

  ​​　いよいよ碓氷峠越えです。越えるといっても、江戸側から登るのではなくて京側から下るのです。しかし、山ヒルが出るという情報もあるし、あまり下調べをしていなかったのでちょっと不安でもあります。とりあえず朝8時ころ高崎のホテルを出発、北陸新幹線に乗って二駅目の軽井沢駅で降りました。まだ梅雨時だし、コロナ禍のせいもあるのでしょうか、降りる人はまばらでした。天気は雨。浅間山は雲に隠れて見えませんが、高崎よりも気温が低く、高原の雰囲気が十分に感じられます。Ｔシャツ1枚では肌寒いくらい。駅から20分くらい歩いて午前9時14分、六本辻の環状交差点に到着。去年と変わっていません。おしゃれなレストランなどが点在しています。やがて軽井沢宿の中心地に到着。いわゆる旧軽銀座です。すっかりおしゃれになってしまって、昔の面影はありません。まだ開店前のお店がほとんど。営業開始したばかりの喫茶店を見つけて紅茶で一服しました。通りからちょっと入ったところにある旧本陣跡。今はお蕎麦屋さん。旧軽銀座から少し江戸側に行くと急に静かな林間の雰囲気になります。そこにあるショーハウス。イギリス人宣教師のショーが建てた、軽井沢別荘の第一号。しかし、この先で急に道が悪くなります。ガイドブックに従って車道をそれたらこのありさま。草木が覆っていてほとんど廃道のジャングル状態。中山道は一旦車道に合流しますが、その後また不明瞭に。どうもこの道しるべも正しいのか怪しい。道しるべに従って行ったら明らかに中山道とは違う自然歩道にいってしまい、引き返しました。ガイドブックだと左の道です。だが、しか～し！その道も行き止まり？奥に獣道のようなふみ跡があるので行ってみましたが…この後、道として整地された痕跡はあるものの藪がひどくて進めず、強引に左手斜面の車道に這い上がりました。そして…出やがったな、ヒル！　まだ軽井沢の別荘地からそう離れていないのに。明らかに急中山道とは違う車道を歩いて割とすぐに峠に到達。これが軽井沢に降りる中山道だというのですが、どこまで行けるのかわかりません。ちょっと納得いかないのですが、この区間、無理に旧道をたどらなくてもいいような気がします。峠にある熊野神社の門の床。県境に建っているらしい。お賽銭箱も二つある。後で知ったのですが、県境をまたいで二つの神社があるのだそうです。だから賽銭箱が二つ。しまった、信州側にしかお賽銭あげなかったな。神社の真向かいにあるしげの屋。ここも県境に建っています。しげの屋ではお昼ご飯として山菜そばと名物の力餅をいただきました。しげの屋の展望台から。あいにくの天気で何も見えない。眼下には鬱蒼とした森。峠には数軒の食事処がありますが、そこからちょっと外れると道がこんなに狭くなります。左は駐車場。更に分岐して、右のハイキングコースみたいな道が中山道。こんなに掘れているところも。ここから先はヒルが多くて、5分おきくらいに足を点検していました。見つけたヒルはライターでこんがりとヤキを入れてやりました。比較的に緩い下り坂をずっと下っていきます。いつの間にか杉の植林なども出てきて、だんだん気温が高くなるのがわかります。あちこち史跡の看板はあるのですが、看板が無ければ分からないような山道です。これは掘り切りのあと。豊臣秀吉の小田原攻めの際、防戦側がやせ尾根をさらに細くしたのだそうです。山中茶屋跡。明治の初めころまでは集落があったらしいですが、今は何もありません。整地の跡が残るだけ。覗（のぞき）。坂本宿がよく見えます。もうすぐだ。柱状節理。この辺だけ細く四角い石が転がっています。このほか近くには風穴とされる穴もありましたが、風も水蒸気も出ていませんでした。カモシカ発見。天然記念物です。みみずが住む神奈川県の丹沢でもたまに見かけます。やっと道路が見えた！　実はこの辺りが一番山ヒルが多くて、一度に何匹も靴にくっついていてパニック寸前でした。焼き殺しても焼き殺しても、すぐ近くの地面に更に何匹も這っている状態で、逃げるようにして下り続けました。旧国道18号線。ふ～っ、やっと山ヒルから解放される…　靴を脱いで確認しましたが、吸血の被害はありませんでした。虫よけをたっぷりとブーツにかけておいたのが良かったみたいです。ここまでほとんど落ち着いて休憩できませんでした。旧国道を横断して更に下るのですが、旧国道の下にこんなものを発見。昔の鉄道の跡のようです。アプトの道と言って、旧信越本線の軌道跡です。今は遊歩道として整備されています。碓氷湖が見える。めがね橋。最初からこれを見物する予定ではいましたが、旧軌道跡が遊歩道になっているのは知りませんでした。山の方には昭和になって作られた信越本線の橋。めがね橋は明治の建築。めがね橋にあった説明。「道端の草の中には、山ビルがいます。（中略）人生と同じで、道を外れなければ、心配ありません。」いいですね、このセンス。しかし、山ヒルの被害で観光もだいぶ困っているんでしょうね。うん、美しい。実は以前にドライブ途中に見たことがあるのですが、何度見ても美しい。ＪＲ（旧国鉄）では現在でも明治期に作られたレンガ造りのトンネルや橋脚、駅のホームなどが多く残っていていまだ現役だったりしますが、独特のどっしりとした質感と構造の美しさがたまりませんね。さて、元の旧国道との交差点に戻って中山道を歩きます。突如電気柵が登場。手で外して通過できるようになっているので、感電しないように注意して通過します。イノシシとかの被害に苦しんでるんでしょうね。国道に合流。もう山道はおしまい。山ヒルとも本当にお別れ。坂本宿の街が見えてきました。妙義山がバックに。佐藤本陣跡。坂本宿はすっかりさびれてしまって、今では昔の面影はありません。鉄道が開通して中山道が廃れ、さらにその鉄道も今は廃線になってしまいました。碓氷関所跡。石垣の上が関所の建物があった場所。現在石垣の上に建っている門は、かつて道を遮断するように立っていた二つの門のうちの東門だそうです。関所から少しのＪＲ横川駅。午後6時15分到着。右側のおぎのやは峠の釜めしで有名。コロナ禍の影響か、この時はやっていませんでした。左にある松一食堂で上州名物のソースカツどんをいただきました。　道に迷うし、山ヒルはわんさかいるし、ちょっと大変な旅でしたが無事に本日の目的地横川駅に到着しました。吸血被害がなかったのは虫よけをたっぷりブーツにかけておいたのと、時折点検していたおかげでしょう。見つけたやつは全てライターで焼き殺してやったのですが、４、５０匹は殺したでしょうか。この区間に挑む人は、靴は必ずトレッキングシューズやワークブーツのようなブーツタイプにして、長いタイプのブーツならズボンのすそをブーツに入れる、短いタイプならスパッツを使用し、虫よけをたっぷり使うことをお勧めします。登りだろうと下りだろうと、腰を下ろして休憩しようなどと思わないことですね。碓氷峠は中山道随一の難所と言われていましたが、現在でも難所であることに変わりないようです。​​

  2020.06.28

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  2020年中山道の旅　高崎の街を歩く

  　ここ数か月、コロナ禍で出勤以外は自宅にこもっていました。5月の連休には毎年行っていたなじみのキャンプ場にも行けなかった。外出自粛が解除になってから何回か渓流釣りやドライブをしていますが、特にブログには書きませんでした。なんだか、世の中急に変わってしまいましたね。　でも、みみずにはやりたいこと、続けたいことがたくさんあります。毎年恒例となっている中山道の旅もその一つ。今年は軽井沢宿から江戸方面に向かって歩くのです。碓氷峠を越えて上州に入ってしまえば、あとは横浜の自宅から日帰りで歩くのも視野に入ってきます。そんなわけで、今回は群馬県の高崎を拠点にして二泊三日、中の一日だけで碓氷峠を越えることにしました。泊りがけで歩くのは今回が最後。もしかしたら、今年中に日本橋に到達できるかもしれません。本日は横浜から高崎への移動日。仕事で疲れていたのでゆっくりの出発。午後２時４０分ころ高崎に到着。湘南ライナー一本で来れるんですね。ホテルにチェックインしたら市内の散策。高崎城址公園。井伊直正公が築城したんですね。中山道の旅で彦根城も見てきましたが、規模としては同じくらいの大きさだったのでしょうか。今は堀くらいしか残っていません。旧城内は市役所や文化施設が建っています。一部、石垣が残っていました。明治維新後は陸軍の駐屯地になっていたそうです。よくあるパターンです。隣接する高崎公園。こちらは城の外。元はお寺の境内だったそうです。クジャクやウサギがいました。　正直、毎日仕事に追われてあまり準備ができていませんでした。ただ、ネットで情報を見ると碓氷峠には山ヒルが出るらしいということがわかりました。あと、道は完全にハイキングコースのような山道であること。一応、ハイキングの準備はしてきましたがどんな展開になるかあまり展望がつかめていません。　夕食は駅の中にあったお店で有名な峠の釜めしをいただきました。昔の信越本線の名物駅弁です。中身はよくあるゴボウと鶏肉メインの炊き込みご飯なのですが、おいしかったです。

  2020.06.27

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  2019年中山道の旅　旅から帰ってきた

  ​​　数日前から毎年恒例の中山道を歩く旅に出ておりました。今年は下諏訪宿から和田宿、望月宿などを経て軽井沢宿まで。昨日は軽井沢で泊まって、今日昼過ぎに自宅に帰ってきたのです。　旅の様子は順次アップしていきます。​​今朝、午前8時ころの軽井沢駅近く、矢ケ崎公園の様子。駅近くの公園なのにこの雰囲気。完全に高原のリゾート地です。もっとゆっくりしたかったけど帰らなければいけません。軽井沢駅から北陸新幹線に乗ります。旅の間はお酒もいつもよりちょっぴり上級なものを飲みました。つかの間の贅沢。帰ったら後片付け。今年の旅はザックに一切の荷物を詰めて宿場から宿場へ背負って歩きました。今まではほとんどの場合、一か所のホテルに拠点を定めて数日間歩いていました。　軽井沢はリゾート地として有名なところ。町中にリゾート施設やおしゃれなレストランがありますが、どこも敷地内に樹木を多めに残して高原の雰囲気を損なわないようにしています。　朝、いつもよりゆっくりと起きてから駅近くの公園に散歩に行きました。ベンチに座って鳥のさえずりを聴き山の景色を見ていると、なんとなく昔感じた時間の流れ方だな、と思いました。学生時代に行ったネパール西部の山の中と同じ時間の流れ方だな、と。　北陸新幹線に乗り、高崎まで来るといっぺんに都会の風景に変わります。ああ、また日常に戻るのか、と思いつつ、フラスコのコニャックで一杯やってひと眠り。昼過ぎには横浜の自宅に着きました。明日からまた忙しい毎日が始まります。

  2019.07.18

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  2019中山道の旅３　望月宿から軽井沢宿

  ​​　中山道の旅三日目。運動不足がたたり、難関和田峠越えのダメージもあって、足腰の筋肉に疲労がたまっています。朝、旅館のご主人から今日はどこまで行くのかと尋ねられました。ちょっぴり弱気になっていたので「今日は小田井あたりで止めておきます。」と答えたところ、ご主人から「え？　若いんだから軽井沢まで行っちゃいなさいよ。ほどんどの人は軽井沢まで行ってるよ。」と言われてしまいました。若いって言われてもな…ご主人は見たところ80歳くらい。40代のみみずなんて小僧に見えるんでしょう。この区間は直線距離が短い割に道が曲がりくねっているのでちょっと腰が引けていたのですが、ご主人に喝を入れられたのと、たいていの人が軽井沢に到達すると聞いてやる気が出てきました。7時20分望月宿を出発。瓜生坂から望月宿を振り返る。瓜生坂を登ってすぐ、ガイドブックによると舗装道路を外れてこの道を行くはずなのですが。畑で作業をしていた男性に聞いても、「これが中山道だとは聞いたことがないな。そっちの舗装道路の方が本当の中山道だって聞いているけど。」とのこと。おそらく江戸時代に道の付け替えがあったのでしょう。もうちょっと先に行ったところの中山道。元禄の道標。八幡宿への入り口。八幡宿本陣。千曲川を渡ります。明治の初期には船橋をかけていたそうです。渡ったところは塩名田宿のお滝通り。塩名田宿本陣。塩名田宿の様子。塩名田宿の先で中山道は国道を離れのどかな田園風景の中を行きます。次の宿場は岩村田宿。岩村田宿は城下町であったので、本陣や脇本陣はなかったそうです。この交差点で左から正面方向に中山道は曲がっています。11時15分到着。岩村田の辺りからリンゴ畑が目につくようになります。長野県の特産品ですね。この少し先でお店に入り昼の休憩にしました。小田井宿本陣。じりじりと軽井沢に向けて登っていきます。千ヶ滝湯川用水温水路。高原の冷たい水を農業に適した温度に上げるための施設だそうです。なんとなく樹木に高原の雰囲気を感じます。追分宿の入り口。観光のためにきちんと整備されています。追分宿の本陣跡（右側）と高札場跡（左側）。沓掛宿の道祖神。正面に続く道は草津温泉に至る道。沓掛宿の様子。もう軽井沢の一部という感じがします。そこから一部国道を外れる部分もありますが…やがてまた国道に合流した後、離山交差点で離山通りに入ります。もう、完全にリゾート地の雰囲気。おしゃれなレストランとか保養施設が並んでいます。夕闇が迫った午後7時、六本辻の交差点に到着。軽井沢宿の本陣はもうちょっと先なのですが、本日はここで終了。軽井沢駅。リゾート地の駅にふさわしいおしゃれな感じです。この日の宿は駅近くのホテルでした。　この日は軽井沢宿を入れて六つの宿場を通過しました。なんだか写真の羅列になってしまいましたが、古い宿場があり、小さな町があり、水田が広がる田園風景、リンゴ畑、そして高原リゾートと、佐久地方の雰囲気を堪能した一日でした。　正直、脚が限界に近かったのですが、これで来年は碓氷峠を越えて上州に入るところから旅を始めることができます。切れが良いところまで来ることができたので清々した気分でした。これも旅館のご主人が喝を入れてくれたおかげですね。​​

  2019.07.17

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  2019中山道の旅２　和田宿から望月宿

  ​​​​　前夜は和田宿の近くの民宿に泊まりました。朝５時半に起床。７時15分に他の街道歩きの人達と一緒に民宿のミニバンに乗せてもらって、それぞれ前日にピックアップしてもらった場所で降ろしてもらいます。このサービス、非常に助かります。同宿の人達はみんな京方面に行く人達で、江戸方面に向かうのはみみずだけ。ここでお別れです。本日からは長野県の佐久地方に入ります。午前７時30分、和田宿から数百メートル京側の大出バス停出発。左にある茅葺きの小屋が待合所です。この日は雨が降ったり晴れたりと不安定な天気でした。街道沿いの集落にはあちこちに古い道祖神や庚申塔があります。ちょっと歩いたら和田宿に到着。かつては和田峠越えを控えてたいそう賑わっていたそうです。午前8時ちょうど、和田宿本陣に到着。和田宿の江戸側のはずれ。田園風景の中、国道に沿って歩いていくと、長久保宿に到着。長久保宿はそれほど大きな宿場ではありません。下諏訪宿のように宿場の中心で街道が直角に曲がっています。手前から右に行くのです。その曲がり角にある辰野屋は、昔は旅籠だったそうです。江戸時代末期の建物だとか。午前10時55分、長久保宿の高札場と本陣。ここからすでに笠取峠への上り坂が始まっています。　笠取峠を越えれば佐久地方に入ります。笠取峠は昨日越えた和田峠に比べれば傾斜も緩く楽勝です。国道がつづら折りになって通過していて、旧街道はそれを縫うように森の中を直登していきます。小雨が降っていたので、ポンチョをかぶって裾から風を入れながら、ゆっくりと登りました。正午、笠取峠到着。国道左側に見える峠乃茶屋で昼食休憩しました。食事ができるまでの間、猫と遊びました。笠取峠松並木。江戸時代に整備された松並木です。旧街道沿いでは松並木はよく見かけますが、保存状態が良いところは少ないです。午後１時50分、芦田宿到着。何やら人が集まっています。テレビカメラのようなものを持った人がいて、宿場の説明をする人を撮影していました。地方局の取材でしょうか。芦田宿本陣跡。ここまで来ると視界が開けます。山間部を抜けて佐久地方の平坦部に出たのです。茂田井間の宿。宿場ではありませんが、旅人の休憩所として機能していたものです。この辺りから急に天気が晴れてきました。茂田井ではくす玉を下げた作り酒屋を何軒か見かけました。若山牧水の歌碑があるのですが、彼はかなりの酒好きだったとか。佐久に出ても結構起伏があって、小さなアップダウンを繰り返しました。この坂を下れば今日の宿泊地、望月宿です。望月宿脇本陣。本陣。今は病院が建っています。本陣の2軒くらい先が本日の宿、出野屋旅館。大正年間の建築で、映画「犬神家の人々」の撮影でも使われたそうです。障子やふすまで仕切られた部屋が逆に新鮮です。午後３時５０分到着。時間が早かったので、周辺を散策しました。川を渡った先にある、望月山城光寺。15世紀の開基で、この土地を治めていた望月氏の城に隣接しているそうです。　昨日は今回の旅の最難関、和田峠越えだったので、本日の行程は20キロちょっとと短めに設定しました。それでも笠取峠越えや小さな起伏をいくつも越えてきましたから、それなりにつかれました。天気は最初のうち雨だったのに茂田井辺りから急に晴れてきて、お風呂に入ると日焼けした腕がちょっぴりヒリヒリしました。宿の夕食は佐久地方名物の鯉料理や小鮒の甘露煮などで美味しかったです。内陸ですから、昔は魚は川魚しか食べられなかったのですね。今はどこに行っても海の魚が食べられますけど。　翌日は軽井沢宿まで35キロ以上の長丁場です。旅の記録を付けたらフラスコに詰めたブランデーを一杯やって、早めに寝ました。​​​​

  2019.07.16

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  2019年中山道の旅１　下諏訪宿から和田宿

  ​​​​　毎年夏に行っている中山道を歩く旅。今年も行ってきました。去年は木曽路を終えて、今年は信濃路。　自宅を出たのは7月14日。夜勤明けだったのでできれば避けたかったのですが、日数を確保するためにちょっと無理して横浜の自宅を出ました。八王子まで出て特急あずさ25号に乗る。20年前、学生時代のあずさとは全く違う車両になっていました。宿泊したのは上諏訪。下諏訪では宿が取れなかったのです。上諏訪駅はホームに温泉があることで有名です。今は足湯になっていますが、昔は本当のお風呂でした。　宿の予約が取れなかった関係で上諏訪に宿泊。でも、上諏訪のホテルも古くて小さいけど温泉が引かれていて、結構お得感がありました。　15日は中央線に一駅乗って、朝8時ちょうどに下諏訪駅に到着。そこから歩き始めました。朝8時の下諏訪駅。写真右手のロータリー出口に柱が立っています。諏訪神社の御柱をイメージしたもの。この地方ではあちこちでこの手の柱を見かけました。駅から少し歩くと下諏訪宿の入り口にたどり着きます。下諏訪宿も温泉地。街道に面して何か所もこのような水場があります。水ではなくて温泉が流れています。中山道（左から）と甲州街道（右手前から）の合流地点。そして画面左奥が本陣。確かに去年、ここまで来ました。下諏訪宿の本陣跡。宿場のはずれにある旦過の湯（右手の建物）。ここには数年前に日帰りのドライブで来ています。宿場から離れてだんだんと標高が高くなります。振り返れば諏訪湖が。諏訪大社下社春宮。秋宮には去年お参りしています。その春宮からちょっと離れたところにある万治の石仏。昔、石材をとろうと石工がノミを入れたところ石から血が出たので作業をやめ、石仏として祀ったそうです。周りを三回、右回りに回ってお願い事をするのが決まり。インド世界の右回りの礼ですね。みみずも三回回ってきました。　諏訪湖は周囲を山に囲まれています。その山を越えて佐久地方に出るのが今回の旅の最大の難所、和田峠越えです。旦過の湯の辺りでいったん下ったらあとは全部上り。しかも、途中に食べ物や飲み物を補給できるお店は一切ない。おまけに公共交通機関もない。次の和田宿まで20キロ以上あります。以前、岐阜県内の中山道で似たような状況がありました。30キロほどお店がない山の中を通る区間でしたが、駅に出ようと思えば出ることもできる、そんな区間でした。ところが今度は駅に出ることもできなければバスもなく、タクシーもない、本当の山です。以前は茶屋があったようですが、ネットの情報によるとそれも閉鎖してしまった模様。一部携帯電話も通じないところがあるみたいです。近くに国道が通っているので、何かあったら国道を通る車に助けを求めるしかないですね。そんな山の中にだんだんと入ってきました。下諏訪宿を抜け、国道をそれた旧道を歩いていくとこんな場所に出ました。木落し坂です。7年に一度、諏訪大社の御柱祭のハイライト、木落しをする場所です。大社に建てる御柱をここから落とすのですが、それに男衆が跨りもろとも滑り落ち、男意気を見せます。たまに死者が出てますね。上からのぞき込むと…　これ、坂というよりは崖ですよ。45度ほどあるらしいです。国土地理院の地形図では60度以上の斜面が崖の表示になるそうですが、感覚的にはこれでも立派に崖ですわ。これを柱にまたがって滑り落ちるとは尋常ではありませんな。木落し坂を過ぎると国道に出ます。正面にこれから超える和田峠の山々が見えます。一部国道を外れて休耕田の中を行く部分も。木陰で休憩。だいぶ傾斜がきつくなってきました。国道はつづら折りになり始めましたが、旧街道は林間を直登していきます。振り返った風景。かなり荒れてはいますが一応石畳になっています。こんな感じの場所でお昼の休憩をしました。小雨が降ってきたのでポンチョをかぶり、エスビットで紅茶を沸かしておにぎりのお昼ごはんでした。おにぎりを食べたら力が湧いてきました。峠はもうちょっとだ。午後１時ちょうど、和田峠に到着。今では古峠というのですね。下諏訪方面を望む。途中までは国道が近くを通っていてたまに国道を横切ったり車のエンジン音が聞こえてきたりするのですが、峠は国道が少し離れているので静かです。カッコウの声が響いていました。さあ、今度は下りだ。苔むした石畳が部分的にあります。和田宿側は傾斜が緩いので楽ですが、石畳が滑りやすいので注意が必要です。唐沢の一里塚。街道の道筋が変更されて古い道筋に取り残されたものです。中山道では道の付け替えによって複数のルートができた区間が多くあります。　午後４時。あと数百メートルで和田宿に入るというところ、大出バス停付近で今宵の宿に連絡を入れる時刻となりました。連絡を入れると車で迎えに来てくれるのです。バス停にいてくれ、というのでこの日の行動は終了。ま、ほとんど和田宿に到着したようなものだからいいか。しばらくすると民宿のご主人がミニバンで迎えに来てくれました。他に男性が３人、みみずと同じように中山道を歩いている人たちをピックアップして、和田宿よりも少し江戸側にある宿に到着。その晩は宿の奥さんが作ってくれたごちそうをいただきながら、同宿の人達と街道談義に花が咲きました。​​​​

  2019.07.15

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  2018年中山道の旅４　洗馬宿から下諏訪宿まで

  ​​　2018年中山道の旅、実質三日目にして実質最終日。ここまで木曽路を江戸方面に抜けていくつも峠を越えてきました。午前8時30分ころ、中央線洗馬駅下車。他に列車を降りた人はいません。善光寺街道と中山道の分岐。石灯籠の左が善光寺街道、右が中山道。国道や旧国道にそって歩く部分が多いですが、部分的に畑の中を歩くことも。洗馬から塩尻にかけてはブドウの栽培が盛んです。平出遺跡。縄文時代から平安時代にかけて大集落があったようです。遺跡でアルプスの山を眺めながら一休み。平出の一里塚。珍しく道の両側とも残っています。塩尻宿。小野家住宅など古い建物も残ってはいますが、あまり往時の面影は残っていません。塩尻宿を抜けて塩尻峠への途中で振り返る。この後、近くの長野自動車道みどり湖パーキングエリアで昼食休憩としました。柿沢集落。住宅の棟の上に注目。「雀おどり」と呼ばれる独特の棟飾りがあります。こちらの住宅にも雀おどり。雀おどりは隣の下諏訪宿にもありましたが、この柿沢集落では特に多く目にしました。道はだんだん山の中に入っていきます。右は一里塚。自動車も通ることができますが、一台も通りませんでした。午後1時25分、塩尻峠。ここから下れば下諏訪宿。山の中をダラダラと下っていくと、見えた！　諏訪湖です。なぬ～、住宅と住宅の間のすき間、これが中山道とな？通り過ぎて振り返った写真。確かに「中山道」って書いてあるけど…やっと下諏訪宿に到着。宿場の中心部、甲州街道との分岐付近です。右に行くと甲州街道、左に行けば中山道。分岐のすぐ近くには本陣跡。今日はこれでお終いにしてもいいのですが、もうちょっと先に進みます。なぜかというと…そこには温泉があるから。午後3時40分、旦過の湯到着。道の右側が以前にこのブログでも紹介した旦過の湯。下諏訪宿は温泉場でもあり、旦過の湯は共同浴場として運営されています。一日の汗を流してサッパリしました。ひと風呂浴びたら駅近くの諏訪大社下社秋宮にお参り。一番右に写っているのは御柱。ここの松は葉っぱが三つに分かれています。普通は二つなのに、不思議です。大社からみた諏訪湖。下諏訪駅。来年はここから旅が始まります。　山の狭間の木曽路を抜け、アルプスを望む信濃路、開けた諏訪湖畔へ。自分の足で歩く時速4キロほどの旅ですが、着実に前に進み、風景も変わっていきます。自動車や電車は速くて楽で便利ですが、歩く旅もこれはこれでダイナミックであるとともに、日本の大きさを体で感じることができます。自動車や電車の旅ではこの等身大の感覚は得られないでしょう。　来年は和田峠越えから始まります。途中、交通の便は悪いし、和田宿までは20キロ以上あるようです。旅の拠点をどこにするかも含めて、来年までにじっくりと作戦を練ろうと思います。​​

  2018.07.03

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  2018年中山道の旅３　奈良井宿から洗馬宿まで

  ​​　長かった木曽路の旅もこの日で最後。これまで狭い谷あいを木曽川を遡るように歩いてきました。さて、どのような風景に出会うのか。拠点にしている木曽福島駅にて。前日は藪原駅近くでも蒸気機関車を見ましたが、木曽福島にもあるのです。08:00ころ　奈良井駅到着。2両編成。無人駅。東京で見慣れた中央線とは全く違います。朝の奈良井宿。まったく静かなものです。水場で冷たい山の水を水筒に詰めて、いざ出発。木曽楢川小学校。校舎は新しく、木材がふんだんに使われています。木曽の木材でしょうか。道はしばらく奈良井川に沿って進みます。前日の鳥居峠越えでついに木曽川から離れました。奈良井川は千曲川の支流で、最終的に日本海にそそぎます。平沢の集落。宿場ではないのですが、漆器のお店が多いことで有名らしいです。何だ、この町は？　本当に漆器のお店だらけです。一体、何十軒漆器店があるのか見当もつきません。他の商売をしているお店があるのでしょうか？贄川宿が見えてきました。右手の郵便局の反対側が本陣跡。10:55　贄川関所到着。説明を見ると、本当の関所跡は道路の反対側にあったようです。きっと中央線に飲み込まれてしまったのでしょう。国道に沿って歩きますが、時折こんな所もあります。若神子の一里塚。かろうじて西側の塚だけ残っています。桜沢茶屋本陣跡。明治天皇もお休みになったようです。桜沢の旧道。川の崖を避けるように山の中を通ります。下には国道が通っています。桜沢旧道が終わって国道に降りると…12:20　「これより南木曽路」の石碑。近くの沢が尾張藩と松本藩の境界なのです。石碑は昭和15年に設置なので比較的新しいものですが、こういうものを見ると「頑張ったな」と思います。ここからは信濃路です。あのY字路を左に入れば本山宿です。左側、軽トラが止まっている辺りが旧旅籠川口屋。その反対側が本陣跡。本山宿は昔の面影はさほど残ってはいませんでした。宿場の北側に本山そばの里という食堂があったので、遅い昼食をとりました。現在の麺状のそば、いわゆるそば切りは本山が発祥なんだそうです。本山宿から洗馬宿までは3.4キロほど。畑の中を中央線の列車が走っています。開けた景色を見ると「旅をしているな」という気分になります。洗馬宿の高札場跡。右手の大きな建物がある辺りが洗馬宿の本陣跡。昔の面影は残っていません。15:15　洗馬駅到着。　洗馬（せば）駅に着いたのは15時過ぎで、ちょっと早いと思いましたが翌日も旅が続くので切り上げることにしました。　木曽路を抜けて、地形的にも開け、全体的に下り坂に変わりました。木曽路は独特の渋さがあり名残惜しいですが、次に進まなくてはなりません。さて、この次はどんな景色が待っているか。乞うご期待。​​

  2018.07.02

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  2018年中山道の旅２　木曽福島宿から奈良井宿まで

  ​​　この日は木曽福島宿から江戸方向へ、奈良井宿を目指しました。途中、宮ノ越宿、藪原宿を通過し、鳥居峠を越えます。08:30　木曽福島宿出発。写真奥の大きな施設が木曽福島宿本陣跡。現在は木曽路文化ギャラリーや役場が建っています。この細い坂が福島関に通じる旧街道。この柵で囲われた土地が関所跡。今は礎石だけが残っています。あの大きな木戸型のゲートをくぐれば木曽福島宿ともお別れ。国道に沿ったり離れたり。時にはこんな所もあります。道しるべがなければ分かりません。国道を離れればこんなのどかな田舎道になります。中山道の中間地点です。やっと中間。09:50　宮ノ越宿に到着。立派な門がある敷地が本陣跡。客殿が残っていたので見物し、休憩しました。宮ノ越にある義仲館。木曽義仲公に関する展示をしています。木曽川の巴淵。巴御前は子供のころにこの淵で泳いだのだそうです。付け替えられて今は利用されなくなった旧国道を歩く部分もあります。車道の真ん中を歩くのは変な気分です。藪原の一里塚跡。藪原駅に近く、蒸気機関車が展示されています。木曽路では何か所かで蒸気機関車を見かけました。12:30　藪原宿到着。桝形の角に今は駐在所があります。もしかしたら、昔も見附のような公的な施設があったのかもしれません。藪原の名産品はお六櫛。取り扱っているお店がたくさんありました。残念ながらみみずは短髪なので縁がありません。藪原の清水屋という食堂でチャーシューメンの昼食。自家製麺、自家製チャーシューでおいしい。うれしい発見でした。藪原宿を過ぎて、いよいよ鳥居峠への上り坂に突入。時折、石畳が現れます。山中から見た藪原宿。鳥居峠には栃の巨木がたくさんあります。清水屋の奥さんが「熊に気をつけな。」と言っていました。所々に熊よけのベルが設置されています。鳥居峠を過ぎてダラダラと長い坂を下っていくと奈良井宿に到着。馬籠宿や妻籠宿のように江戸時代の町並みがよく保存されています。16:40　奈良井駅到着。　奈良井宿は昔からの景観を残しており、規模も大きいです。外国人観光客も多く来ていました。漆器のお店が多く、みみずもぐい吞みと酒器をお土産に買いました。　駅に行くと、目の前で列車が出発してしまいました。時刻表を見ると１時間に１本。仕方がないので宿場の中の水場でおいしい水を飲みながら時間をつぶしました。藪原から奈良井にかけては宿場に水場が多く設けられていて飲用可能、現在でも地域の人たちが利用しています。山に囲まれた土地ならではの自然の恵みです。​​

  2018.07.01

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  2018年中山道の旅１　木曽福島宿

  ​​​​　今年も夏休みを利用して人力による旧中山道の旅に行ってきました。今年は木曽福島宿を拠点にして、木曽福島から江戸方面へ木曽路を抜けて信濃路に入りました。順次アップしていきます。　初日は移動日。木曽福島宿のホテルにチェックインして、宿場を見物します。朝7時に横浜市内の自宅を出発し、JR中央線を利用して12時30分に木曽福島駅に到着。今までは東海道新幹線を利用していましたが、今年からはついに中央線利用に変わりました。木曽福島駅の様子。あまり人が歩いていませんが、これでもこの地域では大きな駅です。タクシーで宿に行き荷物を預けたら近くの興禅寺を見物。かの有名な木曽義仲公のお墓があります。本当の（？）お墓は琵琶湖近くの義仲寺にありますが、ここは義仲公の子孫の木曽氏が古い寺を菩提寺としたもので、義仲公の愛妾の巴御前が公から託された遺髪を納めたお墓があります。福島宿の様子。典型的な地方の街並ですが、特産の漆器や木製品のお店が目立ちます。高台にある福島関所の資料館。ここは江戸時代の日本でもかなり重要とされた関所。鉄砲と女性の通行は厳重に取り締まられたそうです。これも高台にある上の段地区。高台の下にも街が広がっているのですが、ここは古民家群が再生されて色んなお店になっています。去年、ガイドブックがいい加減過ぎて宿場に入る道筋を間違えていました。悔しいので逆ルートですが旧街道を宿場の入り口、京側に向けて歩きます。雨が降ってきました。旧街道沿いには右手のような公民館や郵便局などがよくあります。かつて生活の中心だった証です。　木曽福島宿は木曽川の谷底にある街です。福島関所もあり、宿場自体は川沿いの低い土地から上の段と呼ばれる高台まで広がりがあり、この辺りではかなり大きな宿場だったようです。今は川沿いに国道が通り、そちらが町の中心になっていますが、高台の上の段には古民家が多く残っていて宿場の雰囲気を伝えています。　その中にはレストランとなっているものもあり、夕食は上の段でいただきました。日暮れ前にレストランに入り、食事を済ませて外に出ると、極上の景色がありました。　翌日からは江戸に向けて街道歩きです。​​​​

  2018.06.30

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  2017年中山道の旅４　上松宿から福島宿まで

  　今年の中山道の旅も実質最終日になりました。木曽路の一番渋いところをA-bike Cityや徒歩でたどっています。前日は雨のため倉本という宿場でも何でもない中途半端な駅で旅を中断しました。天気予報だと本日も曇り時々雨の予報なので、朝起きて雨が降っているようだったら無理せず移動はやめておこうかと思っていましたが、目が覚めて部屋のカーテンを開けてみると、曇ってはいるが雨は降っていない様子。うーん、と少し考えましたが、ダメもとでとりあえず出発することにしました。 10時50分倉本駅下車。ご覧の通り、典型的な地方の無人駅です。 旧街道は国道と重なっています。空が明るくなってきました。 時折旧街道は国道をそれて山に入ったりします。線路の脇を通ったり… こんなとんでもない部分もあります。もともと山と川に挟まれた狭い土地に国道やら鉄道やらを通したので、旧街道も併せてそれらが絡み合うように通っているのです。 小野の滝。大昔から有名な滝であったようですが、今は中央線の橋の下になってしまっています。でも、レトロな石積の橋脚のおかげで、これはこれで絵になっていると思います。 たまに石畳もあります。こういう所はA-bikeを担いでいくしかありません。 国道を外れた旧道沿いにある越前屋。大正元年の建築。江戸時代から有名なお蕎麦屋さんなのですが、営業していないみたいです。 蕎麦はあきらめるしかないのかなと思いつつ、食事を求めて国道に出てみると、なんと越前屋が国道沿いで現在も営業していました。よかった。 　倉本駅で列車を降りると、空が明るくなってきました。やっぱり来てよかったと思いつつA-bike Cityを組み立てて出発します。道は昨日と同様、国道に重なったり離れたりしていますが、ガイドブックの地図がいい加減過ぎてどれが旧街道なのか判断に迷う場面がたくさんありました。道しるべが所々に建てられていて分かるのですが、中にはかなり大回りの迂回路を指し示す道しるべもあり（それもれっきとした中山道ですが）、道しるべとガイドブックのどちらが標準的な中山道なのか、ガイドブックに従うにしてもどれがガイドブックが示す道なのかがよく分からないという非常に困った状態です。以前に東海道をたどったときは、ガイドブックの地図は国土地理院の２万５千分の一地形図を利用していたので非常に明快でしたが、今回の適当に地標物だけ拾って描かれた地図は縮尺もところによりいい加減で、距離から所要時間を計算しても全然あてにならず、不愉快なことだらけです。仕方がないので、スマホで国土地理院のちょっと古い地図を参照して旧街道を推定し、所要時間を算出しました。歩くことを目的に編纂されているくせに地図がいい加減とは、編者は地図もろくに読めない人だと思われます。　線路の下を流れる小野の滝を見てさらに進むと、旧街道沿いに江戸時代からの蕎麦の名店、越前屋の旧店舗があり、国道に出てみると越前屋の現在の店舗があるのを見つけたので中に入り天ざるを頼みました。新店舗のこともみみずのガイドブックには書かれていなかったのですよ。本当にうんざりします。ガイドブック変えようかな。 越前屋の近くには有名な寝覚ノ床があります。国道を横断してお寺から覗くとなにやらよさげな景色が見えます。  お寺から川に降りてみるとご覧の絶景が。浦島太郎がここで玉手箱を空けて老人になり果てたという伝説があります。近くに行くこともできますが、そこら辺の観光地と違って柵や階段など整備されていませんので、転落には注意する必要があります。 上松宿に到着。木曽檜の多くが集まってくる街だということで、林業関係の事業所が目立ちます。現在は宿場町の雰囲気は残っていませんが、旧街道は街の出入り口付近で鉤型に曲がっていたりして、やはり宿場町なのだと分かります。 上松宿を出ると中山道はさらに木曽川の際を通るようになります。バイパスが新しくできたようで、旧国道は車の通りも少なく、落ち着いて木曽川の風景を堪能できます。 時折、旧国道の脇に旧街道が残っています。 木曽川を遡っていくと赤色がやけに鮮やかなアーチ橋が見えてきました。 橋を渡って対岸から眺めた風景がこれ。木曽の桟（かけはし）です。江戸時代は絶壁に沿って蔦で編んだ通路のような橋が通っていたそうです。それが旅人の松明が原因で火災となったのをきっかけに、石垣と橋、さらに全部石垣の道へと改修されたのだそうです。 よく見ると、後から中央部の石垣を積んだ境目が見えるかと思います。段階的に改修された痕跡です。 中山道をさらに行きます。こんな線路わきの草むらのような部分もありました。 左の奥に頭だけ見える山が木曽御嶽山です。 木曽御嶽山が見えるポイントから２００メートルくらい江戸側に歩くと御嶽山の遥拝所があります。実際に立ってみると、全く御嶽山が見えません。手前の山が邪魔で見えない。なんで見えない場所に遥拝所をつくったのだろう？ やっと福島宿に到着です。 木曽福島の駅。もう夕方。 　越前屋でお昼ご飯を食べた後は、越前屋近くの寝覚ノ床を見物し、上松宿を通って木曽川沿いに北上、木曽路最大の難所、木曽の桟を見て福島宿までA-bikeで走りました。この辺りは最近新しくバイパスが開通したらしく、上松宿を出るあたりで道順がわかりにくくなっていますが、旧国道は車の通りも閑散としていて静かな旅を満喫できます。旧街道はおおむね旧国道と重なって木曽川の岸辺を通るのですが、辺りは民家も少なくまさに「木曽路はすべて山の中」という感じです。途中、昨年の突然の噴火が嘘のように静まっている木曽御嶽山を横目で見ながら進みました。　福島宿はこの辺りでは大きな町ですが、一度も来たことがないのになぜか懐かしい感じがする不思議な安堵感があります。子供のころ行った祖父母の家の近くの町に似ているのかな、とも思います。それとも、夕方の風景がそう思わせるだけでしょうか。 　今年の中山道の旅はここまで。来年はこの福島宿が出発点です。おそらく、来年は木曽路を通過し信濃路に入るでしょう。それまで一年間、じっくりと旅の構想を練ろうと思います。  なんとか列車の時刻に間に合いました。１時間に２本あるかないかなので、逃すと痛いのです。  

  2017.08.26

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  2017年中山道の旅3　野尻宿から須原宿

   　朝６時起床。８時に土岐市のホテルを出発して１０時３０分くらいに十二兼駅下車。 カブスカウトの一行と共に列車を降りました。ハイキングのようでしたが、おっさんのみみずもやってることはほぼ一緒。 国道に沿ったり外れたりしながらA-bikeをキコキコこいで行きます。これが国境の橋。これより信濃の国です。 時には中央線沿いに進むことも。 野尻宿に到着。一番西の家は「西のはずれ」という屋号だそうです。ストレートなネーミングですが、道は曲がりくねっています。外敵から防御するためにわざとそうしているのだそうです。 野尻宿本陣跡。今は明治天皇の小休止の碑が立っているだけです。明治天皇の巡幸の記念碑はどこの宿場に行っても見かけます。  11時40分、道の駅大桑で昼食休憩。 　旧街道は国道と合流したり離れたり、時にはJR中央線と並行するようにして続いています。ガイドブックでは国道に沿っているのに、山を迂回するように道しるべがあったりする部分もありました。時代によって道筋が違ったり、迂回路ができていたりするのだと思われます。　野尻宿はこれと言って見るべきものはないのですが、曲がりくねった道が印象的でした。通常、宿場の出入り口には鉤型のカーブが設定されているものですが、この宿場は出入り口だけでなくて宿場の中全体が曲がりくねっていました。まっすぐ見通せる範囲はとても短く、もちろん、軍事上の理由からそうなっているのです。　野尻宿を出て少し行くと国道沿いに道の駅大桑があり、お昼近かったので昼食休憩としました。蕎麦を食べて外に出てみると、なんだか雲行きが怪しくなっていました。 弓矢集落。ここは間の宿だったそうです。 右側の山の中腹にお堂が見えます。岩出観音堂です。 須原宿に到着。西の端近くにある定勝寺です。ここで雨が降り出しました。 定勝寺の参道。なかなかの趣です。山門で１時間ほど雨宿りさせてもらいました。 左側の本堂と庫裏は桃山時代の形式を残しているそうです。 須原宿は、あちこちに水舟が置かれています。丸太をくりぬいて湧き水を引き、共同の水場として使用しています。 　須原宿に入ったあたりで雨が降り出しました。宿場の西の端には定勝寺という名刹があります。その山門の軒下で１時間ほど雨宿りをさせてもらいました。しかし、一向に止む気配がないので、雨宿りをやめてポンチョをかぶり、雨に当たりながらA-bikeをこぐことにしました。ポンチョを着ても汗が結露して濡れていきます。視界も悪いし、路面は滑りやすいし抵抗も増えます。国道に歩道がなく車道を走らなければいけない部分もあり、危険な割に効率が悪いと判断して、倉本駅で本日の行動を中止しました。　不完全燃焼気味でしたが、土岐市まで来ると空は嘘のように晴れていました。  

  2017.08.25

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  2017年中山道の旅２　馬籠宿から妻籠宿、三留野宿まで

   　前夜に泊まった馬籠宿の民宿は外国人観光客がとても多い宿でした。日本の旅館風の建物に、浴衣を着た外国人がいるというのもなかなか面白かったです。実のところ、今まで途中の宿場で宿をとった事はなく、今回が初めてでした。宿場で江戸時代から続いている旅館に泊まろうと思っていたら、旅の前年に火事で焼けてしまって宿泊できなかったということもありました。今年は念願かなって宿場で宿泊できたというわけです。 　7時に起床して、食堂で朝ご飯をいただいて、９時にチェックアウト。 朝食の時に宿の近くから撮影。やっぱり、ここで泊まってよかった。  江戸期の建物は火事で焼けてしまって残っていないそうですが、それでもこの情緒です。車が通るような生活道路は建物の一つ裏にあります。 本陣跡の藤村記念館。島崎藤村の生家です。主な建物は火事で焼けて失われていますが、隠居部屋が昔のまま残っています。 　馬籠宿は有名な作家の島崎藤村の出身地です。「夜明け前」に馬籠宿周辺の中山道沿いの様子が描写されているらしく、馬籠宿のほかの場所でも藤村に関するものがたくさんあります。だが、残念ながらみみずは藤村の書いたものを読んだことがないのです。なにか読んでおけばよかったな。　坂道を上り、宿場を出ると石畳の道になりました。これから妻籠宿までは石畳の連続で、A-bikeは畳んで背中に背負って歩きました。 馬籠宿方向を望む。 馬籠峠。右手の小道が旧街道。  妻籠宿まではこんな山道や石畳ばかり続きます。 やっと妻籠宿に着きました。なんだか映画のセットみたいな街です。 妻籠宿本陣跡。現代に再現された建物です。 旧街道が一部だけ舗装されないで残っている部分もあります。アスファルトがないと本当に映画のセットのようです。 脇本陣の建物。これは明治になって建て替えられた家屋ですが、実に堂々とした作りです。それまで禁制だった木曽檜を、今度は山が国有林になってしまう前にすかさず使用したようです。 妻籠宿を出るとすぐにまた石畳が出てきました。 馬籠宿に泊まっていた外国人観光客は、多くが妻籠宿を通って南木曽駅まで歩いていました。 南木曽駅の先、三留野宿の本陣跡。今は営林署のような施設が建っています。 三留野宿の様子。 三留野宿を出ると、街道は木曽川沿いを通ります。 南寝覚と呼ばれる辺り。  夕方５時ころ、十二兼駅から列車に乗って宿泊地の土岐市に向かいました。 　馬籠宿から妻籠宿まではほとんどハイキングコースのような状態でした。妻籠宿に入ると、馬籠宿以上に宿場の雰囲気が残っていて驚きます。古い建物を保存するように地域で取り決めをしているようで、相当な努力を感じます。ここではお昼ご飯に蕎麦をいただき、脇本陣の建物を見物しました。　妻籠の先は結構アップダウンが多く、道がわかりにくい部分もあります。中には民家の軒先を幅１メートルほどの小道になって通過している部分もありました。ガイドブックだと国道沿いに川をさかのぼることになっているのですが、道しるべは一部山の中を通るようについている部分もありました。与川道といって、川が氾濫している時のう回路らしいのですが、これをたどるととんでもない回り道になりそうなので本来の旧街道である国道沿いを進みました。　三留野宿はほとんど宿場の面影はなく、わずかに町屋造りの民家が残っているだけです。　暑い中、一日中A-bikeを背負ったり、乗ったり押したりしてすっかり疲れたので、中途半端でしたが十二兼駅でこの日の行動を中止し、列車に乗って土岐市のホテルに向かいました。 

  2017.08.24

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  2017年中山道の旅１　旅モードに入る

  　20数年前に始まった旧街道を歩く旅。今年も旅の季節がやってきました。今日は夜勤明けで昼過ぎに職場から解放され、職場から直接旅に出発です。職場に持ち込めない大きな荷物は前日に駅のコインロッカーに納めてあったので、駅でそれを回収し、通勤の服装のまま電車に乗りました。 新横浜駅から東海道新幹線に乗る。毎年、これに乗ると「旅の私」に戻るのです。 　20数年前、大学生だった時に部活動の行事として始まった旧街道歩き。東京日本橋の道路基準点から京都目指して東海道を歩いて下り始め、当初は毎年夏休みの時期に数日間づつ歩いて後輩に引き継いでいこうという企画だったのですが、思ったよりハードだったこともあり翌年から立ち消えになってしまいました。社会人になり、３年ほどたって職場に慣れたころにふと思い出し、個人的に旅を再開。以後、夏の暑い時期に一人で旧街道をたどり、再開後10年ほどで京都に到達。飲み会の席で大学の仲間に報告すると、みんな驚いていました。東海道踏破後はしばらく達成感に浸っていましたが、今度は中山道を通って東京に戻る旅を始めました。途中、体調を崩したりして数年のブランクが開いてしまったこともありますが、40代のオッサンになった今でも旅は進行中です。もはや、旅をしないとダメな体になってしまったのかもしれません。普段は旅のことなど忘れているのですが。新幹線に乗ってそれまでの旅を思い出し、これから先のことを考えていると、徐々に「普段の私」から「旅の私」にモードが移っていきます。同時に「また一つ、年を取ってしまったな。」とも思います。 　夕方、名古屋で新幹線を降り、飯田行きの高速バスに乗り換えます。高速バスの中で日没を迎え、馬籠バス停（神坂パーキングエリア内）でバスを降りたのは夜８時過ぎ、すっかり暗くなっていました。パーキングエリアの食事処でラーメンを食べたら持参したA-bike Cityを展開して馬籠宿へ。小雨がぱらつき真っ暗な道で心細かったですが、１０分ほどで馬籠宿に到着。今夜はここの民宿に泊まって、明日は馬籠宿の見物から旅を始めるのです。 真っ暗で誰もいませんが、去年確かにここまで来ました。ここに立った時、完全に旅モードに入りました。 

  2017.08.23

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  街道歩きの道具たち

  今年の中山道の旅は終わりましたが、今日はみみずの街道歩きの道具、装備について紹介しておきます。 上の画像は今年のみみずの街道歩きの装備品です。左上から順に説明しますと①　ショルダーバッグ　街道歩きをしている人の多くは小型のザックを利用しています。たしかに、両手は自由になるしバランスも良く体の負担が少ないのが利点です。ショルダーバッグは重い荷物を持ち運ぶのには適しませんが、地図などを頻繁に取り出すのには便利ですし、背中が蒸れることもありません。何より「いかにも街道歩きをしてます」という大げさな感じがしません。市街地や住宅が多い地域を歩くときにはぴったりです。このショルダーバッグはみみずの手製で、リュックサックのように背負うこともできるし、付属のストラップで装備を外付けできるよう、旅仕様になっています。②　水筒、マイボトル　水がなくては旅はできません。ペットボトルでも軽くていいのですが、この辺はみみず個人の好みによっています。カップ付きの水筒は、口の雑菌が水筒内に入り水が腐敗するのを防ぎますし、湧き水を飲むときにも重宝します。マイボトルは冷たいお茶やスポーツドリンクを買ったときに移し替えれば冷たいまま持ち歩くことができます。お茶やジュース類を買った時でも、必ず水筒には真水を詰めておきます。ケガをした時などお茶では傷を洗えませんしね。両方合わせて最低１リットルは必要だと思います。③　塩飴　夏の旅は汗をかきます。汗をかいて水分だけ補給していると頭がボーっとしてきます。スポーツドリンクで塩分補給してもいいのですが、塩飴もいいです。塩味で甘さが引き立つというのもポイントです。④　替えのTシャツ⑤　携帯、スマホの充電器（電池）⑥　ガイドブックとコンパス　ガイドブックの地図はコピーしておき、バッグのポケットに入れておきます。ガイドブック本体を出し入れしているとすぐにボロボロになってしまうからです。⑦　ポンチョ　レインスーツでもいいのですが、ポンチョは敷物や風呂敷のようにも使えるし、中で濡れずにお弁当を食べたり着替えをするなんて芸当もできます。⑧　折りたたみ傘　軽い雨に。歩き終わって電車でホテルに帰る時にポンチョじゃちょっと恥ずかしいし、やっぱり必要です。⑨　カロリーメイト　要は行動食です。道中、レストランや食堂があればそこで昼食をとりますし、名物がある地域もあるので、手を付けないことが多いです。なんでもいいんですが、みみずの場合考えるのが面倒くさいのでとりあえずカロリーメイト２箱です。でも、できればもう少し湿り気があるおにぎりなどの方が食べやすいです。⑩　虫よけスプレー　市街地ならいりませんが、山中や神社仏閣での休憩だと必要な場合があります。小型のものでいいでしょう。⑪　タオル　濡らして軽く絞り、ビニール袋に入れて携行します。汗まみれで休憩するとき、この濡れタオルで顔や体を拭くと最高に気持ちいいです。⑫　手帳、ペン　このほか、服装などは⑬　長袖シャツ、長ズボン　薄手のものを。以前、半袖Tシャツやハーフパンツで歩いたら日焼けがひどくて大変な目にあいました。日焼け止めを塗れば大丈夫だろうと思っていたのですが、道路の照り返しは強烈でそんなもの通用しませんでした。それ以来、どんなに暑くても長袖、長ズボンです。風が吹いていれば吸った汗が冷えて案外涼しかったりもします。最近は麻素材のものにこだわっています。⑭　帽子　これはマストアイテム。なければ死ぬかも。昔の人も笠をかぶっていますよね。あれはよく考えてあります。つば広でものによっては防水、しかも風通しは抜群。しかし今は笠はかなりの玄人向けと言えるでしょう（笑）。我々は風通しが良く日光を遮ってくれる帽子を選ぶべきでしょう。みみずは折り畳みできる鉤編みのパナマハットを使っています。⑮　靴　これは最重要アイテムです。現代では街道もアスファルト舗装されていることがほとんどですので、クッション性がある方がいいです。そうするとジョギングシューズとかウォーキングシューズになると思います。登山のアプローチ用のウォーキングシューズは山道でも滑らないし、つま先の保護もあるので安心感があります。今年の中山道の旅は石畳が多かったのですが、かなりデコボコしているので足首に不安のある人は軽いトレッキングシューズもありかなと思います。ちなみに、みみずはゴローの鉄人運動靴「てつ」で歩きました。　以前に東海道を歩いたとき、コンバースのキャンバスシューズで歩いていた人と一緒だったことがありますが、その人は足の裏が豆だらけになってしまい、２日ほど歩いただけで家に帰ってしまいました。あまりペラペラな靴底ではダメです。　以上、みみずの街道歩きの装備についての紹介でしたが、ハイキング以下、散歩以上という、ちょっと中途半端な装備です。人や季節によって装備品は異なってくるでしょうが、いずれにせよ軽く、コンパクトに、気候の対策もしっかりと、というコンセプトになるでしょう。これから街道歩きをする人は、いろいろ試して自分のスタイルを見つけてください。

  2016.09.03

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  2016年　中山道の旅　４

  今年の中山道の旅も今日で最終日です。大井宿から中津川宿、落合宿を経て木曽路の最初の宿場、馬籠宿まで行きました。恵那駅（大井宿）に到着したのが朝8時50分。宿場のはずれから大井宿を振り返った景色。中津川宿までは田園風景の中を行きます。中津川宿の入り口にある古い建物。この辺の名物は栗菓子らしく、川上屋でお土産を買って家に配送してもらいました。中津川宿の江戸川のはずれにある高札場跡。宿場の出入り口には必ず高札場があって、お触れを掲示してあったようです。 中津川駅近くのソバ屋で昼食休憩をとりました。昨日、一昨日と山中でカロリーメイトの昼食だったので、きちんとしたお店でご飯を食べるとホッとします。落合宿にあった「助け合い大釜」。寒天の原料を煮るのに使ったものだそうです。落合宿本陣跡。落合宿を出ると、道は十曲峠に向けて登り始めます。十曲峠に至る石畳。十曲峠を越えると、馬籠宿に向けて緩やかな上りが続きます。あの鞍部を越えると馬籠宿があるはず。振り返ってみた風景。棚田が馬籠宿まで続いていました。午後4時50分、馬籠宿に到着。本陣跡は島崎藤村の生家でもあり、藤村記念館になっています。宿場の下側（京都側）は県道が街道を横切っています。 馬籠宿に着いたのは午後５時近くで、資料館やお土産屋さんが店じまいを始めていました。なので、宿場の外観を見ることはできましたが、資料館などは今回見られませんでした。今までと違い、宿場全体が坂になっていて、石畳の坂道に沿って家が立ち並んでいます。火災にあっているため昔のままの建物は少ないのですが、次の妻籠宿と並んで中山道らしい山の宿場として有名です。　馬籠は木曽路の宿場なのですが、地図を見ると岐阜県になっています。おかしいな、と思って調べてみると、昔は長野県に属していたのに、平成の大合併の際に岐阜県の自治体と合併して岐阜県になってしまったことが分かりました。こんな、県境が変わるようなことがあったとは驚きです。　今年の旅はここまで。来年は馬籠宿の見物から始めることになります。宿も何軒かあるみたいだし、泊まってみるのも面白そうです。

  2016.08.23

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  2016年　中山道の旅　３

  今年の中山道の旅、三日目です。距離は短めですが、大湫宿から大井宿まで。12、３キロほどでしょうか。昨日のニュースでは台風が関東、東海地方に接近するということで、今日はお休みにしようかなと思っていたのですが、朝起きてみると晴れていました。どうやら台風は関東地方に行ってしまったようで、みみずがいる東海地方は影響なし。みみずの地元、神奈川県は大荒れで、職場の上司、同僚はさぞ苦労しているだろうなｗとか思いながらショルダーバッグに水筒など詰めてホテルを出ました。釜戸駅にあらかじめ配車してもらったタクシーに乗り、大湫宿に着いたのが９時15分。大湫宿の高札場跡。街道は左から右に伸びています。大湫の本陣跡。今は小学校です。本陣や脇本陣は現在では公共施設になっている場合が多いです。桝形を出てまた山に入ります。これは大湫宿を振り返り見た風景です。 中山道は再び山中に入り、石畳があったり、舗装道路に合流したりしながら続いていきます。途中、ゴルフ場に左右を挟まれた部分があり、防護ネットもなくてゴルフボールが道端にゴロゴロ転がっている場所もありました。硬いゴルフボールが飛んでくると思うとちょっと怖いです。途中、深萱の集落に出てからまた山中の道になり、西行塚を過ぎて大井宿に入ります。この辺りも石畳や一里塚がよく残っています。権現山の一里塚。深萱の立場跡。途中、なんかここだけ石畳の幅が広いな、と思ったら、石畳に隣接してぼたん岩がありました。溶岩が冷えるときにできた剥片状の岩で、みみずが住む神奈川県でも丹沢の大山などにありますが、ここまではっきりしたのは初めて見ました。「日本一旅の人に踏まれたぼたん岩」と立札がありましたが、街道の一部なんですから納得です。乱れ橋。この少し前に乱れ坂というのがあり、この辺りは坂が急で大名行列が乱れ、旅人の息が乱れ、女性の着物の裾も乱れたことからこのような地名が付いたそうです。沢をふく風が涼しかったので、ここで昼食休憩としました。 今日もまたカロリーメイトの昼食です。どこかに食堂でもないかな、と期待していましたが、そんなものどこにも見当たりませんでした。補給ポイントとしては、深萱の集落に自動販売機があった程度。あとは水すら手に入りません。そういえば、ゴルフ場がある辺りに巡礼水という泉がありました。昔、巡礼の娘さんが病になり、母が念仏を唱えて祈ったところ水が湧き出て娘は一命をとりとめたという泉です。水を飲んで助かるんだから熱中症だったんでしょうか？みみずが見たときは干上がっていましたが、この道筋でいかに水が貴重だったかを物語るお話です。　この辺りの伝説としては他にも、首なし地蔵の碑というのがあります。昔、暑い時期にこの辺りを二人で通りかかった中元が、疲労のため休憩してうたた寝をしていたところ、一人が何者かに首を切られて殺害されてしまい、目が覚めてそれに気づいたもう一人の中元が、近くに立っていたお地蔵さんに「黙って見ていたとは何事だ！」と立腹して首をはねたというお話しです。それは八つ当たりだろう、と思ってしまいますが、水も手に入らず、賊も出るわで、この辺りの中山道がいかに危険であったかということがわかります。　首なし地蔵の碑を過ぎてしばらく行くと、西行塚の案内があります。源平の争乱のころを生きた西行がこの辺りで最期を迎えたという伝説があり、その墓だといわれるものがあるそうですが、真偽のほどは不明。西行塚を過ぎると街道は坂を下って平地に降りていき、恵那市の市街地に入っていきます。昔の大井宿です。大井宿の入り口付近。右側にある溝のついた石は、近くの川が氾濫したときに水が町に入るのを防ぐ板を差し込んだ支柱なんだそうです。みごとなサッポロビールです。みみずが子供のころは、このように木で浮彫りにした上に金箔を押した看板をよく見かけましたが、最近は少なくなりました。 大井宿到着が14時20分。少し早いですが、疲れがたまってきているし、次の中津川宿までは距離があるので、これでお終いとしました。恵那駅から電車で多治見に戻りました。　そうそう、本日も道中では集落の住民の方以外、誰とも会いませんでした。暑いからでしょうか？こんな時期に歩くもの好きはみみずくらいのもの、ということですなｗ

  2016.08.22

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  2016年　中山道の旅　２

  今年の中山道の旅二日目。御嵩宿から大湫宿まで。今までは主に川沿いや国道沿いなど平坦地を歩いてきましたが、今日からは山間部に突入します。地図を見ても、街道は鉄道や幹線道路から離れた地域を蛇行しているのがわかります。ある意味、中山道らしい旅になりそうですが、道中の補給がちょっと心配です。どうなりますやら。午前9時御嵩駅到着。今日も晴天。暑くなるぜ！昨日もちょっと見た御嵩宿の様子。9時現在通行人なし、車の通りもまばら。 御嵩宿は国道から少し外れたところにあって静かです。街道はやがて国道に合流しますが、すぐにまた国道から外れて田んぼや畑の中を通り、いよいよ山中の道になります。和泉式部の廟所とされる石碑。和泉式部は平安中期の女流歌人で、紫式部の同僚でしたが、恋多き人、まあ簡単に言えば素行がよろしくないことでも有名だった人です。墓所とされるところは全国にあって、どれが本当の墓かわかりません。これは農家の納屋の裏にあります。「一人さへ　渡れば沈む　浮橋に　あとなる人は　しばしとどまれ」と刻まれています。何やら意味深です。式部の廟所から街道は国道をそれて山に向かいます。いよいよ山中に入ります。で、立札があるので見てみると…「十分な準備、下調べで前へお進み下さい。」…　行き倒れになっても知らないよ、と言わんばかりです。 街道が森の中に入っていく場所に、手書きの立札がありました。これから30キロの間、食堂や商店、宿泊所などないとのこと。地図を見るだけだとちょっと想像がつかないのですが、やはりここからは現代日本の便利な社会とは別世界のようです。　もっとも、今までも東海道の旅で、民家はあるのに田舎すぎて商店はおろか自動販売機すらない地域を歩いた経験は何度もあります。都会に暮らす人には想像できないでしょうが、地方では結構普通のことなのです。（お…おう、望むところだ！）ちょっぴりビビり気味ですが、食料も水もあるし、体調もまずまずだし、意を決して進みました。謡坂の石畳。ここからはちょくちょく石畳が現れます。復元されたものもあれば、古いものがそのまま残っているものもあります。一呑みの清水。昔の水場です。現在でも水が湧いていますが、飲用には適しません。道中、最低でも1リットルは水を携行したほうがいいです。一里塚。鴨之巣の一里塚だと思う、たぶん。ここで昼食休憩しました。そこにも何やら立札があって、見てみると…マジですか、どんだけ山奥なんだよ…。イラストの熊が凶悪そうで怖いです。 街道はハイキングコースのようではありますが、ほぼ一定の幅を保って山中に続いています。車止めがあって車両が入れない場所もあれば、そうでない場所もあります。時折山中から集落に出たり、アスファルトの道路に出たりして、また山中のハイキングコースに戻っていきます。多くの場合、集落から山中に入るところには石畳がありました。山の中は木陰で比較的に涼しく、風が吹くと汗が冷えてひんやりと感じるほどです。歩くという面では快適ですが、補給は全くきかないので注意が必要です。立札の通り、商店もないし、自動販売機もない。おまけに山の尾根を通っているので湧き水もない。一呑みの清水は、山の尾根筋にある湧き水として昔の旅人にはさぞ重宝されたことでしょう。しかし、今は少し水が淀んでいて、そのままで飲むのは無理だと思われます。途中、一里塚がある場所で地面にポンチョを広げて腰を下ろし、カロリーメイトの昼食をとりました。その少し前に、山中に獣を捕獲するための檻があったので何だろうと思っていましたが、一里塚の前にあった立札に、近くで熊が出たと書いてあって、熊捕獲用の檻かと納得しました。昔のものとは言え、街道沿いに熊が出るとは驚きです。そう言えば、この日は集落で住民の方に会った以外、山中の街道では誰とも会いませんでした。ハイキングコースの割には平らで幅の広い道がずっと続いていて、そこに誰もいない、そんな状況です。これじゃ、熊も出るか。細久手宿。旅籠の大黒屋は現代でも営業しています。それ以外に宿場を感じさせる建物は少ないです。弁財天の池。尾根の上にある不思議な池です。この区間は石畳が所々にあり、一里塚も破壊を免れてよく残っています。琵琶峠を越えれば大湫宿です。 石畳に一里塚、所々にある石仏を見ながら緩やかなアップダウンを繰り返していくと、大湫宿に出ました。この時16時20分。ゆっくりとしたペースで歩いたので、20キロも歩いていないと思いますが時間がかかりました。大湫宿。道の左手にあるのが高札場跡。 大湫宿は駅から遠く、歩いて1時間ほどかかります。バスは一日に数本あるだけで、しかも休日や夏休み期間などは運休です。しかし、もう夕方だし、次の大井宿まではあと10数キロあるので、本日はここまでとして、JR中央線の釜戸駅から電車に乗って多治見に帰ることにしました。人も車も来ないアスファルトの道路を駅に向かって歩き出したところ、タクシーが通りかかったので、渡りに船とばかりに乗せてもらいました。どうやら、みみずのような中山道ウォーキングの人を拾うために来てくれたようです。　運転手さんとは台風の話題になり、明日台風が関東、東海地方に接近しそうだと知りました。もし、台風が来るならば、いっそのこと明日は休養日にしようかなとも思いました。連日の暑さで少し参っていますし。登山では３、4日に１度は予備日を設けて、休養や行動を短くしたりするものですしね。

  2016.08.21

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  2016年　中山道の旅　１

  　前日は、昨年に見られなかった観光スポットをめぐりました。いよいよ本日から今年の中山道を歩く旅が始まります。昨年は足が骨折？しているのを我慢して美濃の国の太田宿まで歩きました。本日は太田宿から伏見宿、御嵩宿まで。今年はノントラブルで行けるか？台風が近づいているという情報もあるし、暑いし、去年痛めた足がなんとなくうずいてるし、いろいろな困難が予想されます。10時30分美濃太田駅到着。レンタカーを返却していたらこんなに遅くなってしまいました。でも、朝早く歩きだしても道中の施設が開いていないのでこれでいいのかもしれません。駅から数百メートル離れたところが昔の宿場。桝形などが残っていますが、あまり昔の面影はありません。太田の渡し（今渡の渡しとも）付近の木曽川。今は国道の太田橋で渡ります。昭和２年まで渡し場は現役だったそうです。いいお天気。そして暑い！ 太田の渡しを過ぎた今渡で国道沿いのレストランに入り昼食休憩としました。カツ定食をいただきましたが、どうも岐阜県はどこのお店に入ってもカツ丼やカツ定食がメニューにあるような気がします。ホテルの近くの食堂もそうだし、名物なんでしょうか？　外は晴天。朝から気温がどんどん上がり、日光を遮るものがない国道沿いを歩くのは大変です。レストランの外に出るとアスファルトから立ち上る熱気が体にまとわりつきます。暑いけど日焼け対策で長袖長ズボンは必須です。過去にこれを怠りひどい目に合っていますので、どんなに暑くても我慢。体温が上がりすぎないように歩行ペースを落としてじりじりと伏見宿、御嵩宿を目指します。伏見宿の様子。国道沿いにあり、古い建物はあまり残っていません。本陣跡は公民館？になっていました（下）。宿場町ではよくあるパターンです。御嵩宿にある願興寺。別名蟹薬師。額に蟹の絵が描かれていたりします。蟹薬師は昔、たくさんの蟹に乗った薬師如来像が現れたことが名前の由来らしいです。天正年間の建築で国の重要文化財。御嵩宿本陣跡。左隣は御嵩館という図書館と博物館が一緒になったような施設です。 伏見から御嵩までの間は、街道は時折国道からそれて水田も見られるようになります。御嵩宿到着が15時40分。ちょっと早いと思いましたが、本日の行動はここまでとして、御嵩駅から電車に乗って多治見のホテルに帰りました。あんまりに暑いのと、これから先は街道が鉄道や幹線道路から離れてしまうからです。こまめに水分補給をしていたのですが、塩分不足になったか気が遠くなったりしてちょっとヤバかったです。名鉄広見線。丸っこい車体がかわいらしい電車です。

  2016.08.20

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  2016年　中山道の旅　鵜飼いを見る

  今年もやっと夏休みがやってきました。　本当は海外旅行に行こうと思ってまとまった休みを取っていたのですが、海外のテロがひどいのであっけなく断念しました。その代わり、毎年恒例としている中山道の旅に休みを充てることに。まさか、中山道の宿場で爆弾テロ！なんてないでしょうからねｗ今年は美濃太田から江戸方面を目指します。宿は中央線沿いの町、多治見に取りました。　初日は活動時間が中途半端になるので、去年見逃した観光スポットをリベンジで見に行くことに。9時過ぎに多治見のホテルに荷物を預けたら、レンタカーを借りて移動開始。まずは宿泊地多治見の永保寺。JR多治見駅。電車を降りた瞬間から暑い。熊谷と争う日本一暑い町だそうです。多治見の駅から車で10分程の場所にある永保寺。鎌倉時代に夢窓疎石が開創したお寺。秋に来たらもっと美しいだろうな。 永保寺は誰でも自由にお庭を見ることができます。京都や鎌倉だったら拝観料を取るだろうと思われますが、そんなことはしません。お寺の建物からは読経の声が聞こえていました。　永保寺を見た後は愛知県に入って犬山城を見に行きます。木曽川沿いの国道をレンタカーで走ると、去年同じ道を足が痛いのを我慢して歩いたのを思い出します。去年、街道を歩いていると遠くに犬山城が見えて、気になっていましたが見に行く余裕がありませんでした。それほど残っている城郭は大きくありませんが、観光には力を入れているようです。外観３層４階。それほど高くはないのですが、堂々たる構えです。このお城、平成に入るまで個人の所有だったんだそうです。現在は財団ができてその所有になっています。最上階の回廊に出てみると…濃尾平野が一望できます。 犬山城の天守閣は現在残っている天守閣の中では最古の形式だそうで、国宝に指定されています。お殿様は尾張徳川家の重臣だそうで、重臣なのにお殿様というちょっと分かりにくい立場ですが、尾張徳川家くらいになると重臣でも城持ちの大身になるということでしょうか。天守閣は明治に一度藩主から取り上げられますが、地震の修理のためという理由で元藩主に返されます。なんとも身勝手な感じがしないでもありませんが、このため個人所有のお城という珍しい形態が平成まで続きました。なんかだ西洋のお城みたいですが、維持管理が大変そうです。　犬山城の次は長良川の鵜飼い見物に行きます。岐阜城がある金華山のふもとで、宮内庁式部職の鵜匠による鵜飼いがこの時期毎晩行われているのです。犬山からレンタカーを走らせますが、結構遠い。去年こんなに歩いたっけ？川原町に着いたら、去年鮎料理を食べた和泉屋で鮎のコース料理を食べて、船着き場に向かいます。暗くなるころ、船着き場に乗船する人たちが集まってきます。19時45分出航、少し上流の浅瀬に船を止めて、鵜飼い船が上流から来るのを待ちます。その間、舞妓さんを乗せた舞台付きの船が往復して楽しませてくれます。待つこと30分くらい、鵜飼い船が上流からやってきました。まずは一隻ずつ間隔を空けて下流へ。5隻（本来は6隻。この日は1隻お休み）が全て下ったら、浅瀬をさかのぼり再度深みを下ります。このときは総がらみといって斜めの横隊を作り、浅瀬にアユを追い込みます。 浅瀬で待機しているときに通り雨が降りましたが、鵜飼い船が来る頃には上がりました。松の薪を焚く明かりは電気の明かりとは違い幻想的です。振り返って金華山を見ると、信長の岐阜城がライトアップされ、月が山にかかっていました。川風が涼しく、最高に贅沢な舟遊びが体験できました。

  2016.08.19

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  旅から帰宅

  　１時間ほど前に家に帰ってきました。例年夏休みに行っている中山道の旅に出かけていたのです。いや～、疲れた、面白かった。 やっぱり自宅が一番ほっとします。 　今年は関ヶ原宿から美濃太田宿まで。拠点を岐阜駅に置き、初日と最後の移動日を除いて実質３日間の旅でした。詳細は少しずつアップしていきます。　今日は移動日ということで中山道は歩かず岐阜城を見物してきました。 岐阜城は信長が天下統一の足掛かりにした名城。金華山というとんでもなく険しい山の上にあります。ロープウェイが運行されています。 天守閣（外観復元）からの眺め。濃尾平野を一望できます。信長など城主は、普段は麓にある館で生活していたようです。  城のすぐ近くには鵜飼で有名な長良川が流れています。来年は鵜飼も見物したいと思います。 新幹線車内にて。電車の旅はこれが楽しい。このあと疲れが溜まっていたのか寝入ってしまいました。 　実のところ長良川の鵜飼のことはあまりよく調べていなかったのでノーマークでした。お昼ご飯はしっかり鮎料理を食べましたけどね。 やりたいこと、見たいものがあると来年がまた楽しみになります。  

  2015.06.30

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  2015年　中山道の旅　３

   　本日は各務ヶ原駅から太田宿まで。右足が疲労骨折（たぶん）で時折痛むのでゆっくり歩きました。 昨日と同じように黄金の信長像に見送られて岐阜駅から列車に乗り、９時35分ころ各務ヶ原駅に到着。しばらく国道沿いにあるくと中山道は国道から離れて小高い所を行きます。遠くに見えるのは犬山城。あちらは愛知県であり、ここは美濃と尾張の境界近くということになります。 　国宝犬山城を横目で見ながら歩みを進めると鵜沼宿に到着です。 鵜沼宿の街並み  右側は造り酒屋の建物のようです。    脇本陣。建物は新しいようです。     旧大垣城鉄門（くろがねもん）。明治になってから民間に払い下げられ、私邸の門として使われていたそうです。防火のため鉄が張られ、その他は漆喰が塗られています。 　美濃に入ってからは和風の建物の木部は黒く塗られていることが多いです。東海道を歩いた時も全般的に黒が多かったかな？ 去年歩いた近江では赤いベンガラが塗られていましたが、 美濃では全くお目にかかれません。そういえば、言葉も近江は京都弁に近い感じだったのですが不破の関を越えて美濃に入ってからは京都弁のようなイントネーションはあまり聞いていません。ほとんど標準語。きっと微妙にお国訛りはあるんでしょうけど、みみずには分かりませんでした。こういう変化を見るのも旅の楽しみの一つです。　鵜沼宿を抜けると中山道は上り坂になり、丘の上の住宅街に入って行きます。うとう峠越えです。 住宅街を抜けると大きな溜池。更に山の上を目指します。  うとう峠周辺は日本ラインうぬまの森という公園になっています。石畳は最近のもののようです。  峠を過ぎると普通の山道に。  こんな丸木橋も。  あまり整備されていないこんな場所もあります。  こんな場所に出ました。木曽川のほとりです。   少し離れてみた写真。中央の岸が崖になっている部分を避けるため、右側の谷に沿って山を越えてきたのです。  　ここから中山道はしばらく木曽川に沿って進みます。この辺りの木曽川はドイツのライン地方になぞらえて「日本ライン」と呼ばれ、太田宿から犬山までの川下りが有名でした。しかし、2011年に天竜川で発生した川下り船の転覆事故の影響で営業休止となり、現在でも再開されていません。本当に残念ですが、岸辺を歩きながら景色を堪能しました。 歩道にベンチがあったので昼食休憩。国道沿いのドライブインはいずれも廃墟になっていました。仕方がないので非常食のカロリーメイトとマイボトルの紅茶で昼食。旧街道の旅には行動食と水筒が欠かせません。    この辺り中山道は国道と重なっているのですが、殺風景なので国道に沿っている川の堤の上を歩きました。サイクリングロードのようになっています。  しばらく行くと堤の上に川船が置かれていました。  全部木でできています。その上から塗料か樹脂でコーティングしてあるようです。グラスファイバーのボートとかスワンボート（おまるみたいな船）しか乗ったことがないので興味深かったです。川下り船に乗ってみたかったな。  　山と木曽川に挟まれた国道に沿って川の堤の上を歩いていくとやがて地形が開け、太田宿に入りました。こちらは脇本陣が良い状態で保存されています。 　本日は足も痛いし、疲れも溜まってきているのでここまで。まだ午後３時過ぎでしたが、ＪＲ美濃太田駅から岐阜に帰りました。今年もよく歩いた、いろいろ見た、おもしろかった。  本陣の跡。今は門だけが残されています。  脇本陣は今でも住宅として使われています。住んでる方もいろいろ大変でしょうね。  こちらは造り酒屋の建物。鵜沼宿の造り酒屋と雰囲気は似ています。   足は痛いけど心地よい疲労感。来年はどこまで行けるかな？ 

  2015.06.29

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  2015年　中山道の旅　２

   　2015年中山道の旅第２日目。本日は美江寺宿から各務ヶ原駅まで。朝、黄金の信長像に見送られて岐阜駅から電車に乗り、９時ころ樽見鉄道美江寺駅で下車。美江寺宿は小さな町であっという間に通過。一路東へ長良川を目指します。 小さな駅で改札も駅舎もありません。みみずが住む神奈川県でも相模線などはこんな感じです。  長良川の西側、本田付近。川のほとりの河渡（ごうど）宿から続く集落で代官所もあった古い集落です。  長良川の右岸から岐阜市内方面。中央の三角形の山は岐阜城がある金華山。 よーく見ると金華山の頂上に天守閣が見えるのですが… 　長良川は梅雨のため水かさが増していました。昔は河渡の渡しで川を渡ったそうですが、現在は普通に橋を渡ります。河渡橋の上流１キロちょっとの地点に現在でも裏街道の小紅の渡しがあり県道の一部として運行されているのですが、渡し船が老朽化したため運休中でした。乗りたかったな、残念。長良川を渡ると加納宿（岐阜市街）です。 加納宿の様子。市街中心部からちょっと離れれば古い家も残っています。  旧加納町役場の建物。大正15年竣工。鉄筋コンクリート造り。イスパニア方式というものを取り入れ、当時の最先端技術を駆使して建てられたそうです。現在は耐震不足で立ち入り禁止ですが、文化庁の登録有形文化財になっています。  加納宿を東側に出たあたりから見た金華山。戦国期の旅人はひときわ高い山の上にそびえる天守閣を見て信長の力を感じたことでしょう。 　加納宿は現在の岐阜市街と重なっており、街道はＪＲ線の南側を複雑に枡形を形成して通っています。加納宿は加納藩の城下町でもあったせいか、他の宿場に比べて枡形が入り組んでいます。 今では何の変哲もない裏通りとなっていますが、ところどころに新旧の道標があって道筋はわかります。ＪＲ岐阜駅でお昼ご飯を食べ、駅前の和菓子屋さんで今日のおやつを買ったら更に東、鵜沼宿を目指します。がしかし、なんだか右足に痛みが…  細畑の一里塚。他の地域では痕跡すらない場合が多いが、この地域では一里塚が結構よく残されています。  新加納宿の高札場跡。この地域では宿場の旧道は茶色い砂利を固めた舗装でそれとわかるように区別してあります。おかげで複雑な枡形でも容易にたどることができます。  新加納は小規模な間の宿。日吉神社の境内で一休み。ここは昔あった池に住み着いていた大ガマを祭った神社です。大ガマは住民に薬を届けてくれたりと、住民とは良好な関係が保たれていたとか。それで狛犬ならぬ狛ガエルが置かれていたり、地域の掟でカエルの捕獲を禁じられていたりしていました。   ここでおやつ。岐阜駅前の和菓子屋さん香梅で買った竹筒水ようかん。竹筒はプラスチック製で、底にぷっちんプリンにあるようなつまみがあって、それを折るとニュルリとようかんが出てきます。 新加納から東側の中山道は県道や国道と重なり、あまり昔の面影はありません。  各務ヶ原駅に到着。「かがみがはら」です。「かくむがはら」ではありませんよ（みみずは間違えて読んでいましたｗ）。鵜沼宿までは４キロほどあるのですが、足が痛いので今日はここまで。無理は禁物。  電車かと思ったらディーゼルなんですね。中学生のころ「列車」という言葉を使って仲間に「電車だろ、いまどき列車なんて言葉つかわねーよ。」と言われたことがあるんだけど、これは「電車」ではないよな。どうでもいいけど。  　どうも加納宿あたりから右足が痛い。足の底の部分の骨。経験からいって疲労骨折でヒビが入っている感じ。以前仕事で歩きすぎて左足が同じように痛くなったことがあるのでわかるのです。若いころに登山をやっていてよく同じような痛みに見舞われたことがあった。そのころは気合で歩きとおしたものですが、無理して歩き続けるとどんどん痛くなることはよく知っているので無理をせず適当なところで切り上げることにしました。それで鵜沼宿の手前、各務ヶ原から電車（いや、列車か？）に乗って岐阜に帰りました。無理は禁物。我慢をするようでは楽しい旅ではなくなってしまうのです。  おまけ  途中で休憩した某神社の境内にて。旅に出なければ君に出会うこともなかったでしょう。 

  2015.06.28

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  2015年　中山道の旅　１

   　本日は関ヶ原宿から美江寺宿まで。毎年夏休みに実行している旧中山道の人力旅行。京都から江戸に向けて自転車や徒歩でぷらぷら寄り道しながらのんびり旅する企画です。去年までは極小自転車Ａ－ｂｉｋｅを利用しての旅でしたが、今年は徒歩で挑みました。前日の夜９時ころ岐阜駅に到着、近くのホテルにチェックイン。そして今朝は岐阜駅から関ヶ原駅までＪＲで移動、関ヶ原駅から歩き始めます。 岐阜駅前の広場に立つマント姿の武将。そう、織田信長です。もう、今回の旅のテーマが見えたような感じがします。 ＪＲ関ヶ原駅。もう、プラットフォームからしてこんな感じ。合戦なくして語れない街です。 ちょっと街道から寄り道して家康公の最終陣地跡を見物。すぐ近くには東首塚があります。勝利を収めた家康公はここで敵将の首実検を行ったのです。陣地跡は後に幕府の命により地元の領主が土塁と塚を築きました。幕府もここを聖地として見ていたことが分かります。  　家康公陣地跡には隣接して資料館もあり、関ヶ原の合戦について知ることができます。数の上では東軍（徳川方）有利ですが、地形上は西軍（石田方）有利。西軍は徳川方を取り囲むように周囲の山の上に布陣していたので、普通なら西軍の勝利で終わったでしょう。しかし、結果はみなさんご存じのとおり、根回し上手の徳川方の勝利に終わったのでした。当然石田方も根回しは尽くしていたのでしょうが、人望その他、いろいろあって結局勝利したのは徳川家康公でした。戦は小早川隊の寝返りで決着がつきましたが、この時小早川隊やその他の寝返り部隊に囲まれた大谷隊が全滅しています。本当にかわいそう。お気の毒としか言いようがありません。そしてものすごいのが島津隊の敵前強行突破による戦線離脱。負けを悟って戦線を離脱するに際し、家康公本陣に肉迫し、強引にその前を横切って行ったのです。さらに追撃してくる敵に対し、座禅陣と呼ばれる捨て身の戦法を選択。敵が通る道筋に点々と数名ずつ兵を座らせ、次々に敵に襲い掛かる戦法で、敵の追撃を遅らせることはできますが生還はまず期待できません。薩摩隼人恐るべし。こうして多くの部下の献身により島津義弘は命からがら国に帰ったのですが、この島津家が後に徳川幕府を揺さぶることになったのも因縁めいています。  関ヶ原宿周辺の中山道は国道と重なっていますが、すぐに松並木の残る旧道に分かれます。   垂井の一里塚  垂井宿の様子。旅籠の建物が残っています。 　垂井の駅付近でお昼ご飯を食べました。大きなお店はなく、夜は居酒屋になっているような小さなお店で味噌カツ定食を注文。ところがこれがおいしかった。お店の写真を撮っておけばよかった。 頑張っているお店の料理はどこでもおいしいです。 向こう岸の橋のたもとに青墓宿の標柱があるのが分かるでしょか。青墓（大墓とも）は古代東山道時代の宿場で、遊女もいてにぎやかな街だったそうです。今は普通の住宅地です。  青墓付近を歩いていると家々の間に古墳を発見。前方後円墳の昼飯大塚古墳です。結構大きい。  後円部からの眺め。信長とか家康とかよりもはるか昔の権力者が眺めた景色。  赤坂宿の街並み。宿の東を流れる杭瀬川は昔は水運に使われていたようです。赤坂港跡のベンチで一服しました。   揖斐川を越える。もう日暮れが近い。急がねば。  前の道路も旧中山道。今はまるで農道のよう。   日暮れ前に樽見鉄道の美江寺駅に到着。単線、一両のみの編成でした。 　午前中は時折雨が降って傘をさしたり畳んだりしながら歩きました。午後は雨も止んで遠くに山々が見えるようになり、この地方の景色を堪能しながらの旅になりました。 おまけ 垂井の和菓子屋さんみどりやで買った若鮎。この地方の銘菓、鮎菓子の一つ。カステラ生地に求肥が包まれています。程よい甘さ。   同じくみどりやで買った鯛饅頭。あんこたっぷりでボリュームがあり、歩いてお腹が減る旅にはぴったりでした。 

  2015.06.27

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  2014年　中山道の旅　番外編

  　今年の中山道の旅が終わってから2週間ほどたちますが、本日は旅の途中で見かけたちょっと気になるものを紹介します。 その１　パトカーもどきの電車彦根駅にて発見。なんか見たことあるカラーリングだな、と思っていたのですが、よく見ると「滋賀県警」と書かれています。天井の上の一部が赤く塗られてパトライトを意識しているのでしょうか。これに乗るといったいどこに連れていかれるのか？サイレンとか鳴るのか？  その２　あやしいお城佐和山城の近くで発見。「佐和山遊園」というらしく、個人が佐和山城を意識して作った施設らしいです。裏山は本物の佐和山城跡です。なぜか山の中腹に天守閣のような建物があり、なにやら金閣のような建物も見えます。ちょっと気おくれして入ることができませんでした。ウェブで検索するといろいろヒットします。 その３　飛び出し坊や 　これは近畿地方でよく見る交通事防止のための看板なのですが、滋賀県内ではやたらに目にします。 ウィキペディアでも紹介されていて、マニアも存在するようです。 こちらはノーマルバージョン。飛出し坊や０系と呼ばれるもの。2007年東海道の旅、三重県内にて。 こういうバージョンや こんなものもありますが やはり手作り感のある物が主流です。これは「けいおん！」の登場人物を意識したものらしいです。 この子なんてパンをくわえちゃってるし ネコ耳まで…　これも「けいおん！」の登場人物に関係するみたいですけど。 　ノーマルの0系は本当にあちこちで見かけます。電柱の陰にいたりして、まるで当たり屋のようにドライバーが来るのを待っています。 新興住宅地の碁盤の目状の路地ではすべての交差点に飛び出し坊やが配置されている場合があり、整列したかのごとく坊やが並んでいる様は壮観です。 　どうやら滋賀県が発祥の地らしく、設置数もバラエティも他県に負けません。http://www.rakuten.ne.jp/gold/refolife/shigakara/meisters/  「けいおん！」関係の坊や（？）が多いのは、「けいおん！」の舞台の高校のモデルになった建物が今回みみずが通った中山道沿いにあるからでしょうか。豊郷町立豊郷小学校の旧校舎がそれらしく、「けいおん！」ファンの聖地となっているそうです。そんなものが街道沿いにあったなんて知らなかったな。  　ま、ゆっくり人力で旅をしていると、いろいろなものを見聞きするもんです。 

  2014.08.09

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  2014年　中山道の旅　3

   　朝５時起床。前日と同様、手早く朝食を済ませてA-bike Cityの整備、点検。彦根のホテルからA-bikeを漕いで７時２０分に鳥居本駅前に到着。今日はここが起点です。    鳥居本宿にも何軒か古い町屋が残っています。これは合羽屋。雨が多い美濃の通過に備えてここで合羽を買う人が多かったそうで、荷車に被せる防水シートのような大型の物も扱っていたらしいです。  ここはデイサービスセンター。宿場にも時代の流れが…  現在でも薬局を営む有川家。まだ開店前だったみたいです。 　鳥居本宿を通過すると摺針峠に差し掛かります。もちろん、上り坂は無理せずA-bikeを押して行くのですが…  摺針峠への入り口。舗装された道路に沿っていくものと思ったら、カーブ手前で左に行く小道が旧道でした。  これじゃ押しても行かれない。階段もあったりして、A-bikeを担ぐはめに。以前大山にA-bikeを担ぎ上げたことが頭をよぎります。  望湖堂跡から見る琵琶湖。曇り空と水面が同化して全くわからん。  　汗をかきかき峠に登りついたら、A-bikeにまたがり坂を下ります。下ったところは番場宿。　ここでみみずは疑問に思っていたことを地元の女性に質問してみました。　　　「すみません。なぜ、この辺の木造の家は柱が赤く塗られているんですか？」前日から気になっていたのですが、他の地域ではあまり見られない習慣です。すると女性は快く教えてくれました。　　　「ああ、それはベンガラいうて、一種の防腐剤です。いろいろ油とかはいってるみたいですよ。」ベンガラ。なんだか聞いたことがあるような気もします。ウィキペディアによると、酸化鉄を利用した顔料で、耐水、隠蔽性に優れると記載されているので、風雨から木材を守る用途にも向いているのでしょう。 あの赤色は、古風な町屋をぱっと華やいで見せる効果もあるようです。　番場を過ぎると、次は醒井宿です。  醒井宿の京寄りにある西行水。岩の間から冷たい水がどんどん沸いています。水筒に補給すると、すぐに水筒に水滴が付く冷たさです。  西行水の他にも湧水がたくさんあり、小川となって街道脇を流れています。   その小川には梅花藻が花を咲かせています。 　醒井宿は湧水の宿場。山の際に位置するためか、いくつも湧き水があって小川を作り、街道に沿って宿場の中を流れています。ここでまたしてもにわか雨が降り出したので小川のほとりの茶屋で雨宿り。雨宿りしながら五平餅や葛餅をいただきました。　醒井宿の後は、福助人形で有名な柏原宿、美濃の国に入って今須宿、今須峠、不破の関を越えて今日の目的地、関ヶ原へ。  雨が止んだら旅を再開。柏原近くにて。野を越え山を越え、日本の風景の中を人力で移動していきます。身近にしてダイナミックな旅です。  柏原宿の町営施設。古い民家を利用した柏原宿歴史館の一角です。ここで昼食休憩。   伊吹堂。伊吹山で採れるもぐさを売るお店です。大きな福耳が特徴の福助人形は、この店の番頭さんがモデルだそうです。いまも巨大な福助人形が鎮座しているらしいのですが、中を拝見することはできませんでした。  今須峠から江戸方向。この辺りでは一番高い峠らしいです。  源義経の母君、常盤御前のお墓。不破の関で義経を待とうとやってきて、土賊に襲われ亡くなったそうです。戦をやってる時だし、旅が危険な時代であったわけです。  関ヶ原駅近くの中山道。国道と重なっています。 　関ヶ原宿には宿場町の面影は残っていません。宿場町というよりも戦の町といった方がいいかも。ここの地は日本人なら誰でも知っている天下分け目の大戦があった場所。街道のあちこちに「←〇〇の陣地跡」というような道標があるし、道端に首塚があったりするし、とにかく血なまぐさい感じです。更に古くは、壬申の乱で大海人の皇子（後の天武天皇）が陣取り激戦が繰り広げられた場所でもあります。畿内への入り口という地形上の理由からそうなったのでしょう。　ちなみにみみずの先祖は関ヶ原の戦いでは東軍側。戦は弱いので家康公の兵糧の手配などをしておりました。だから首塚の前なんかはあまり長居したくないんですよね。とりあえず募金箱に１００円入れといたけど。やっぱり平和が一番。のんびり旅ができるのも平和のおかげです。 関ヶ原駅。来年はここから再開です。  

  2014.07.20

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  2014年　中山道の旅　2

   　いよいよ中山道、A-bike Cityと徒歩の旅再開です。滋賀県武佐（むさ）宿から鳥居本宿まで。 朝５時３０分起床。手早く朝食を食べてA-bike Cityを点検、空気圧を調整したら彦根のホテルを出発。彦根駅から近江鉄道に乗って武佐駅で下車。 　そこは、2010年に36度近い気温の中たどり着いた場所です。4年ぶりに訪れましたが、駅や駅前の光景はそれほど変わっていませんでした。 ついこの前ここにたどり着いたかのような錯覚を覚えつつ、A-bike Cityを展開して旅の再開です。  近江鉄道の彦根駅にて。電車の中にバスの運賃箱のようなものがありました。  午前8時30分、近江鉄道武佐駅。典型的な地方の無人駅です。  武佐駅前の中山道。ここは4年前に酷暑にやられてギブアップした場所。  2010年の画像。この時はA-bike Plusだったんだよな。A-bike Plusが止まっている建物が本陣跡です。  武佐宿内にある警察の分署跡。これも文化財だそうです。  武佐宿脇本陣跡。現在は町会館。本陣跡などはこのように公民館や公の施設になっている場合がよくあります。  老蘇の森（おいそのもり）の中にある奥石神社（おいそじんじゃ）の参道。万葉の昔から有名な森だったということです。参道は太い木が多く、空気がひんやりと涼しかったです。ここで今年初めて蝉が鳴くのを聞きました。  途中で見つけた灌漑用の池。極楽図のよう。こんな場所にふらっと立ち寄る余裕があるのもA-bikeのおかげです。  13時30分、高宮宿。本陣跡。 このころから急に雲が厚くなり、雷鳴が聞こえだしました。やばいやばい、と思っていたら…  激しいにわか雨が降りだしました。郵便局の軒先でしばし雨宿り。向かいの建物もいい味を出しています。 　武佐からの中山道は住宅地や水田の中を行き、ところどころに昔ながらの町屋が残っています。愛知川（えちがわ）宿で旧道を離れ国道に出てうどん屋に入り昼食休憩。小規模な宿場は単なる住宅地になってしまっていることが多く、食事をするのに困ることが結構あります。そういえば今回の旅では旧街道沿いにコンビニは１軒しかなかったな。だから、持ち物に水やカロリーメイトなどの食べ物は必携です。  　高宮宿に入ったところでにわか雨に見舞われ30分ほど雨宿り。ここまでには平将門の首が藤原秀郷を襲ったという歌詰橋や、丸紅の創業者の生家などがあります。 　高宮宿を過ぎると山地が迫ってきてA-bike Cityを押すことが多くなりました。決して無理はしない。  鳥居本宿の手前の小野集落は小野小町の出身地だそうです。  15時鳥居本宿到着。奥に写っているのは鳥居本駅。 鳥居本から彦根に戻る途中にある佐和山城跡。あの石田三成の居城です。ここは大手の跡だそうで、土塁などが残っていました。 　A-bikeを押して坂を登り小野集落を過ぎると今日の目的地、鳥居本宿。今日はこれでおしまい。鳥居本から彦根までは自転車ですぐの距離なので、佐和山城の脇を通って彦根に戻りました。 　本日の走行距離は大体25キロくらい。 武佐から高宮までは地形も平らでA-bike Cityで移動するにはぴったりでした。 気温が30度くらいありましたが、A-bikeを漕ぐとそよ風が涼しくて気持ちよかったです。 A-bikeを漕いだり押したり写真を撮ったり、ゆっくりのペースでしたがじんわりと疲れました。 

  2014.07.19

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  2014年　中山道の旅　1

   　京都から江戸までの中山道の旅は、2010年に京都から滋賀県の武佐まで移動したあと、諸事情により４年間行われませんでした。しかし、ようやく状況が許すようになったので、7月19日、20日の二日間、武佐から岐阜県の関ヶ原までA-bike Cityおよび徒歩による人力移動の旅を再開してきました。前後の7月18日、21日は自宅がある横浜から今回の拠点である彦根までの間の移動日です。 JR彦根駅前の広場。井伊直政公の銅像がお出迎え。直政公は徳川家康公の信任厚い有力家臣で、関ヶ原の戦いの後にこの地に移封されました。 ホテルに荷物を預けたらさっそくA-bike Cityで市内見物。まずは彦根城。 天秤櫓。本丸への入り口を守る櫓なのですが、敵の侵入を阻むためわざと尾根を切断し橋で本丸に渡るようにしてあります。下でウロウロしていたら櫓から狙い撃ちされます。 天秤櫓の内部。壁をよく見ると下半分だけが分厚くなっています。防弾のためだそうです。  天守閣。一緒に写っているひこにゃんはダミー。板切れです。本物はお出ましの時間が終わってしまっており会えませんでした。 彦根城内の玄宮園。ここだけ時間の流れが違う。 　すごい。我が神奈川県にも小田原城というお城がありますが、なんというか保存されているお城の規模が違います。そして手入れが行き届いています。建物は国宝がいくつもあり、城郭は特別史跡ですから当たり前といえばそれまでですが、なにか触れがたい気高さを感じます。　お城の見物が終わったらお腹が空いたのでお昼ご飯を食べにA-bikeでひとっ走り。名物の鮒ずしを食べてみようと思い市内の料理屋さんに入りました。しかし、出てきたのは「すし」という言葉から想像していたものとはちょっと違ったものでした。鮒ずし。琵琶湖の鮒を塩漬けにして更に腹の中にもご飯を詰め、ご飯の中で発酵させたもの。酸っぱい。 　そんなに大きいものではないだろうと思っていましたが、これはお昼ご飯に食べるものではありません。お店の奥さんに聞いたところ「ちょっと年配の人が、お酒のつまみに買っていくことが多いです。」とのこと。味はとても酸っぱく、やはり酒の肴向けです。この鮒ずしはパックに詰めてもらって持ち帰ることとし、お昼ごはんは店のご主人の勧めでその場でさばいた鰻を焼いてもらってうな重をいただきました。 　遅いお昼を食べたら琵琶湖の景色を見に湖岸まで。琵琶湖は大きいな。「ウミ」と呼ばれるのもわかる気がします。 　前回琵琶湖を見たのは2010年に瀬田の唐橋を渡った時でした。それから４年間も旅を中断していたけれど、またこの湖を見ることができた。その分ちょっぴり歳をとってしまいみみずはアラフォーとなってしまいましたが、まだまだ続けられる。  　この日は彦根への移動と市内見物でおしまい。翌日からは実際に中山道をA-bike Cityで旅します。 

  2014.07.18

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  2010年　中山道の旅

   　ゴールデンウィーク、みなさんいかがお過ごしでしょうか。　みみずは、仕事と家庭の事情からどっこにもお出かけできず最悪の連休を過ごしております…　そこで、何となく過去の写真を整理していて、昨年の８月に実行した中山道のサイクリングの写真を見つけました。　これは、京都三条大橋から東京日本橋までを人力で踏破しようというもので、毎年夏休みなどに３日程度、すこしずつじりじりと移動していこうというものです。みみずは、東海道を同様にして、途中のブランクも入れ１０年かけて踏破しました。その続きとして、京都からの復路に中山道を選んだ次第です。　ルールは、とりあえず人力によること。東海道では徒歩をルールにしていましたが、これではなかなか周辺の観光名所を巡る時間までは確保できないので、もうちょっと文明の利器に頼っていいかな、ということで自転車もありとしました。自転車は、昨年はA-bike　Plusを使用しました。毎日、３０キロ程度移動しては電車・バスで拠点のホテルに戻る、そして翌朝はまた前日に到達した地点まで電車・バスで移動して続きを人力移動する、その繰り返しです。  　まず、昨年は夜行バスにA-bikeを積み込み京都駅に到着したところから始まります。夜行バスは、通常自転車はＮＧなのですが、超コンパクトになるA-bikeは自転車であることすら気づかれず積み込みＯＫでした。 早朝の鴨川　　京都駅から三条大橋まで遊歩道をＡ－ｂｉｋｅで駆け抜けます。  三条大橋　　ここから東海道、中山道が始まります。 逢坂の関に向かう途中の月心寺   月心寺の走井　　現在でも冷たい水がガンガン湧いています。  逢坂の関    大津宿近くにある義仲寺　木曽の義仲の墓があります。Ａ－ｂｉｋｅのサドルが黒色に変わっていますが、これはパチモンＡ－ｂｉｋｅから移植したサドルがヤワすぎて使い物にならないため、途中の自転車屋さんで急遽交換したためです。  琵琶湖にかかる瀬田の唐橋 瀬田の唐橋から見る琵琶湖  草津宿にある追分　ここで東海道と中山道が分かれます。ちなみに、背後のトンネルの上には川があります（干上がっていた）。この地方に多い天井川です。  守山宿  野洲川から見た三上山  武佐宿本陣　　この日は猛烈に暑くてやる気をなくし、ここで中断。  　しかし、その後どうしても安土城が見たくなり、電車で武佐から安土へ。 安土城跡　階段の石組みに石仏が流用されていたりして怖い。ゲームで信長が魔物扱いされている理由がよく分かる。  安土城天守跡から琵琶湖方面を望む　この後、Ａ－ｂｉｋｅで琵琶湖方面に向かいましたが、遠くて日没までに到達できませんでした。どこまでも続く田んぼでした。  　最終日は京都の祇園で買い物。    　２０１０年の中山道は、実質２日で京都から近江八幡近くの武佐宿までの旅でした。殺人的な暑さの中、Ａ－ｂｉｋｅをキコキコ漕ぐのは必死だったのを覚えています。　京都に行くたびに思うのは、やっぱり京都はあらゆる場面で洗練された街だな、ということです。みみずは鎌倉の近くに住んでいますが、鎌倉の寺院文化も京都にはかないません。 　中山道は本格的な山道もあるので、そういう場所はハイキングスタイルで踏破するつもりです。東海道は１０年かかりましたから、中山道もそのくらいかかるでしょうか。当分遊べるテーマです。      

  2011.05.02

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