2008/01/30(水)07:42
留学1年目の授業あれこれ2
1つ前の日記の続きで、今でも思い出せる当時の授業についてもう少しだけ書いてみます。
昨日触れたのはどうも理解できなかった授業中心でしたが、逆に今になって「受けていて良かった」と思えるものももちろんあります。
それは「実験映画」と「現代芸術」の授業です。
昨日書いた通り、私は「現代ダンス」の良さが分からないタイプの人間です。
なので実験映画にも現代芸術にもやはり興味がなかったし、今でもこの2分野を大好きになった訳ではありません。
(・・・というか、「実験映画」とか「現代芸術」とかって、「くくり」が大きすぎですが・・・。)
どちらも知識ゼロでスタートした点や、元々あまり興味がなかったという点では「現代ダンス」や「演劇」と同じなのですが、それなりに関心を持って取り組めたのは教師達の熱意や気遣いが大きかったのでしょう。
「実験映画」の授業を行っていた教授は映画への愛情溢れる方でそれが伝わってきたので、こちらも自然と身を乗り出してしまうものがありました。
白くなりつつある髪を長く伸ばして、低い声でボソボソと熱く語るちょっとイカつい顔つきの先生・・・(男性として惹かれた訳ではないのだけど)雰囲気がなんともカッコよかったなぁ。
膨大なコレクションの中から選んだビデオを毎回上映してくれるので、慣れてくると授業内容が分かりやすくなってきました。
(それに「現代ダンス」で見せてもらったビデオよりは印象に残るものが多かったし。)
「散々迷って、でもフランスに来たからにはできるだけ何でも吸収したい」
という私のニーズと最もマッチした授業だったのかもしれません。
それにひきかえ、何故か美術専攻の学生達と一緒にホールで受けさせられた「現代芸術」の講義は分かりづらく、退屈でさえありました。
・・・が、我が映画学科の学生の一部が
「美術専攻の子達と同じものを聞かされてもついていけない」
と講義したらしく、最後の授業が近づく頃になって、それまで講義中にスライドで紹介された作品をCDーROMに焼いたものが貸与される事になりました。
クラスメートから借りたノートはちょっと分かりにくいところもあったけれど(この子は字が綺麗だったけれど、他人様が急いで書き取ったものってどうしても意味が分からない事があります)、このCD-ROMを見つつ、かつ授業中に自分なりに理解して殴り書きしておいたものも加算して、テスト前日は苦しいながらも一応楽しむ事ができました。
(テスト当日にはもちろん相当ハラハラしましたけど・・・作品数もやたら多かったし。)
専門的な勉強内容ではなかったけれど、この時に覚えた監督名やアーチスト名は今でもテレビなどで耳にすると
「あぁ、あの分野で活躍している人か」
とか
「こんな作風の人だったかな」
と思い出せるので、この授業は結構役立っている事になります。
(今こうして当時の思い出を書いていて、名前をあまり思い浮かべられない事に気づいてがっかりもしましたが・・・・。)
よその大学ではどうなのか分かりませんが、私がフランスで第一年目に登録していた学校の「リサンス」という学年では、一部を除いてほとんどの授業が(「芸術」を中心に据えてはいるものの、そしてできるだけ映画と演劇の周辺に滞まってはいるものの)一般教養的なものでした。
本当の意味で「学問」をしたのは2年目にパリに来てからなのですが、まだ仏語能力もいまいちでフランスでの学生生活に不安もいっぱいだった1年目は、毎日顔見知りの人達と授業を受ける事になる地方の小規模な大学で過ごして本当に良かったと思っています。
2年目・・・いつも疲れていて時々辛くて、でもたまに精神が高揚させられたあの日々・・・留学2年目の生活については、もう少しだけ留学1年目の出来事を書いてからにしますね。
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上の写真はパリのPont-Saint-Michel(ポン・サン・ミッシェル)です。
「N」マークは確かナポレオンから来ているのよね?