2020年6月20日 土曜曜日
自宅に、高橋均様からご自身の著書「競争か連帯か 協同組合と労働組合の歴史と可能性」旬報社刊が送られてきました。
帯には「分断と孤立を蔓延された市場万能経済を創りかえるために!」
「社会のありようを一変させたコロナ禍は、四半世紀にわたって過度に強調されてきた自己責任者会から人間どうしが支え合う連帯社会へ、大きく転換させるチャンスでもある。労働組合と協同組合の果たすべき役割はますます重くなってくる」
協同組合の歴史や労働金庫、信用金庫、全労済、県民共済、農協や生協まで、創立から今日までの軌跡をこれだけ公平公正に書かれている著書は珍しい。
どうしてもイデオロギーが歴史を広く捉えることなく、セクト主義で描きがちな世界だからである。
山形県米沢市出身者の平田東助は、明治に国務大臣として協同組合を法制化してきた。
同じ出身者の河上清は、数少ない日本の社会主義協会の設立に関わっているジャーナリストだった。
早稲田大学生協から労働金庫へ移籍した杉本時哉は、大学生協を核に民青を利用して市民生協を共産党の活動拠点化を図った。
晩年はよく米沢に来られたものだ。
戦前の消費組合は木村武雄元帥の弟が米沢で、農民運動から関誠一が福島消費組合を創設した。
米沢はある意味では、そのような協同組合や革新運動の巨人を生み出した土壌の地でもある。
高橋均様の著書は、協同組合運動の歴史を学び、SDGsをどう生活に根ざすかを学ぶ上で貴重な教科書になると期待できる。