カテゴリ:私の歩いた山と道
登り斜面の切れる所が目前に迫ってきてダイトレの近いこと分かった。消防署の看板「あー4」の標識の立つ旧パノラマ台横に出た。やっとこさ、である。
パノラマ台から東の展望を見れば遥か下、水越トンネルを抜けて標高を落とす309号線のカーブが見えた。『あー、あそこを通ってきたんだ』 カヤンボに降りてモミジ谷に入る。叢林の中、沢を渡るのは気持ちがいい。見落とすほど狭い入り口ではなかったはずだが、狼谷の分岐がある右手には注意していた。 そして狼谷の分岐に到達。ここまでが遠かった! さぁ、いよいよだ。 狼谷を順路に組み入れると、モミジ谷の下半分を切り捨てることになる。モミジ谷の広く浅い沢の徒渉は爽やかで捨てがたい。緑濃い庭園のような景色も捨てがたい。その思いが狼谷の踏査をここまで遅らせたのであるが、狼谷を歩きながら私は、モミジ谷の下半分の魅力を補って余りある魅力を感じていた。 緑陰に苔むす岩間を清水が走る。広葉樹を透かして緑の光が降る。狼谷は水と緑の廊下だった。 ▲金剛山最奥の地、狼谷 倒木や藪と格闘することもなく、急な斜面で難儀することもなく歩きやすい谷道だった。テープも最後まで明瞭で、詰めは造林地帯を少し登って大日岳手前の分岐に出た。ここなら丸滝谷の終点からも近い。 私の谷道巡遊コースにピッタリ。そう、もっと早くに行くべきだったのだ。 帰りは太尾道を下った。途中分岐で水越へ降りる道をとり、沢遊びの園地へと出た。この道も初めてである。 ここから車道で増まで戻らないといけない。歩くと長いので走ることにした。 タッタッタッ――。祈りの滝で水を飲み頭からかぶって、タッタッタッ――。 見上げると金剛山朝原寺方面の裾、『あー、あの辺をうろうろしてたんだ』。 増まで帰りつき、本当の朝原寺道の取り付きはどこだろうと、もう一本南の道を調べてみた。蛇谷の下流らしき川を上ると堰堤か何かの大規模な工事現場に出た。金剛山巡礼古道の道標もあった。 朝原寺道、再び踏み込むことの、ありやなしや。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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