テーマ:山登りは楽しい(12098)
カテゴリ:私の歩いた山と道
空木岳で心残りとなった展望は、次の山行の眼目となった。スゴイものが凄くよく見えるところに行きたい。そういうところはどこにある? あの穂高連峰がバーンと見えるところ、これでもかというほどバッチリ見えるところ。そういうところがいい。北アルプスの地図を広げて、穂高の展望台といえる山があるのを知った。
幸い週末の天気予報は晴れ続き。このところあてにならない天気予報をあてにして、9月の第一週、その山「蝶ヶ岳」へ登りに行った。(このレポートは3週間遅れてます^^;) 蝶ヶ岳は、穂高の東に位置する。穂高の東といえば常念岳。蝶ヶ岳はその常念岳の南に連なる2,677mの山で、残雪の模様が蝶に似ることからつけられた名である。常念岳の名も同じく雪形に由来するもので、雪をつかせない絶壁が墨絵調で描く人影、それを徳利を持った坊さんと見たてて常念坊と呼んだものと伝えられている。 その雪形の写真は、 蝶ヶ岳はわかったけど、常念坊とやらはいずこ?という人はこちらをどうぞ。かくいう私も見つけられなかった。 上高地側から蝶ヶ岳へ登る道もあるが、上高地はマイカー乗り入れ禁止であるから、登山口までのアクセスが悪い。安曇野側からだと、三俣(みつまた)が登山口になる。林道終点に無料の駐車スペースが広く作られていて、トイレまであるという親切さ。安曇野市に感謝。 9月5日(土)の深夜、三俣の駐車場に着いた。8割近くが埋まっていた。ここで車中泊。 翌早朝4:40頃に出発。まだ暗い。歩き始めは未舗装林道なのでライトなしで行く。道端にぼんやりと白い花が見える。それ以上は見分けられない明るさだ。前常念から降りてくる道を右に見て、吊橋を渡って5時を過ぎた頃、周囲はようやく明るくなった。 一時間も歩いたころ、右に展望の開ける場所に出た。見れば彼方に雄々しい稜線。よく分らないままその景観をカメラに収めた。その写真を帰宅後に見て、現地のとき以上にしげしげと見入った。 ▲それと知らずに写した常念岳の姿 これじゃないのか、これでもないのかと、偽のピークを3回ほど踏まされてのち、最後に立ちはだかった本腰を入れてあたらざるをえない登り。自然と視線を引きつけるピラミダルなピーク。そこから伸びる前常念への岩稜。記憶上の高低図とぴたり一致する稜線が明澄に捉えられていた。あの場所は、常念を仰げる見事なビューポイントだったのだ。よく見えるように、わざわざ木を伐ってくれてあったに違いない。 その先にも常念山脈の仰ぎみれられる場所をいくつか通った。しかし、登っているとき、私の関心は稜線の向こう側にのみあった。穂高連峰がどう見えるかである。上に違う稜線を仰ぎ見て、下に花を見て、黙々と登った。 ▲朝6時、光は明るい。天候はGood! 蝶ヶ岳山頂までの中間地点といえる「まめうち平」までコースタイムよりもかなり早くについた。常念岳まで回ると歩行13時間の長丁場になる。なので常念岳に回るかどうかは蝶ヶ岳に着いてからの時間と調子をみて決めようと考えていた。この調子だと常念岳に回れそうだ。 休憩を取っていると男性2人組が追い越していった。そのあとしばらくして単独行の若い男性。「何時に登りはじめましたか」と聞かれて4時40分ぐらいと答えると、彼は5時半からだという。50分も後に発って追い越していく彼。出発時刻は、訊きたいのではなく言いたかったのだろう。それにしても速いペースだ。こっちは山友とペアなのでトレイル・ランではなく登山の歩みではあるものの、登りの足は平均以上のペースで来ている。その私たちを猛追した速い彼でも、先の2人組には追い越されたのだという。ふーん、上には上がいるもんだ。北アルプス周辺には、一般登山者を装ってその実、何かのスポーツの為のトレーニングに比重を置くズバ抜けた脚力の持ち主が、うようよしていそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.09.30 00:52:00
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