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とりあえず・・DIYで行こう!

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March 8, 2006
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カテゴリ:本・テレビ等
博士の愛した数式

小川洋子氏の作品。
確か、寺尾聡主演で映画にもなっていると思う。本屋の店員が選ぶ、本
屋大賞(?)にも選ばれているようだ。

いい話である。非常に心地よいリズムに乗せられながら読める本だ。
野原をゆっくりと流れる川の流れのようなストーリー展開である。
無駄な描写が一切なく、最初の一文字から最後の一文字まで一つの円
を描くような見事な流れの話を読ませてくれる。本来は自分の興味のあ
るジャンルではないのだが、これだけ見事な作品にはなかなかお目にか
かれない。本のプロである店員さん達に支持されるというのも納得の一
冊である。
登場人物たちの境遇は決して幸せいっぱいの人生ではなく、むしろ不幸
な生い立ちのはずなのだが、作品からは暗さはまったく感じられない。そ
こには明日へとまい進していく一人ひとりのパワーがこめられているよう
だ(博士には明日というものが存在し得ないのだが)。
数式というものを、堅苦しさを感じさせずうまく扱っているところにも感心
する。
なんだか、感心してばっかりであるが。

個人的に暗い話は嫌いで、前に天道荒太氏の「永遠の仔」を読んだとき
には、なぜこんな作品が売れてしまうのかと思ったことがある(決してデ
キの悪い話ではないが)。
ただ明るいだけの話でもつまらないのだが、どのような境遇にあってもと
にかくポジティブに生き抜いていく登場人物がいる作品が好きだ。
言い換えれば、その作者が人間を好きと感じているか嫌いと感じている
かということなのかもしれない。
そういう意味で大好きな作家が浅田次郎氏である。
作品を紹介するまでもないメジャー作家なのだが、とにかく読む作品、読
む作品すべてに感動しきりである。そこにはあふれんばかりの人間への
愛が感じられる。氏の作品をつまらないというヤツとは付き合えんなと思
うくらいだ(人格を否定するのではなく、性格が合わないということ)。
まあ、そんなことはどうでもいいのだが。

この小川洋子氏の作品もそうなのだが、このような作品がさらに大勢の
人に読まれるようになれば、日本ももう少しましな国へなるのになぁとい
つもながらに思ってしまう。
古い話だが、「バトルロワイアル」を暴力シーンだけの有害書籍だと断罪
するような大臣がいまだに幅を利かせているようでは(お前ほんとに読
んだのか?と思ってしまったが)、まだまだこの国の未来は暗いなという
ことである。
ちなみに、自分は「バトルロワイアル」が出版された当初に読ませてもら
ったけど、アクション青春学園小説だと思いました(笑)。泣けてくる、
いい話である。
ま、過激なシーンの功罪については百論あるでしょうけどね。
先入観にとらわれず、一度読んでみてもいい作品だと思いますよー。

バトル・ロワイアル

話がそれたが、この「博士の愛した数式」。
本を読んで心地よい気分になりたい人にはオススメの一冊である。
逆に、本を読んで落ち込みたい人は、絶対読んではイケナイ。そういう
人は前述の「永遠の仔」を読むか、野島伸二作のTVドラマでも見るがヨ
カロウ。







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Last updated  March 8, 2006 10:53:50 PM
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