カテゴリ:本・テレビ等
ホラーミステリーというのでしょうか。 山奥の村のそのまた外れの地区にある小さな村に隠された秘密。 物語の発端は偶然発見された日本には生息していないはずのアリだった。腹の部分に蜜を貯めるという特徴で有名なそのアリを発見した男は、結婚したばかりの妻を連れてその村に一年間滞在し、アリの研究を進めることを決意する。 とまあ、こんな感じの出だしなんだけど、こういう作品はその着想がすべてというか、幻想怪奇な雰囲気を気に入るかどうかなんだろうね。 この作者は物語の組み立ても非常にうまくて、当然出てくるであろう理屈に合わない話の部分を上手に雰囲気でカモフラージュして気にならないようにしてある。かといって、完全に世間と隔絶させるわけでもなく、うまく現実世界を織り交ぜて浮世離れした世界感に浸りすぎることなく物語を進めていると思う。 ただ、個人的にはもう一押し何か「おおっ!!」って思えるものが欲しい。 人物の感情にしても、割合ありきたりな表現で(あっさりとも言える)、共感できるでもなし、否定するほどでもなし、「ああ、あるかもなー」程度の感想しか出てこないような感じなので、ストーリーを追うくらいしか楽しみがないって感じです。 そのストーリーも、大体予想が付くようなオチに収束していくので(そう意図されているのだろうけど)、最後まで読んでも(ちょっとだけ意外だったけど)「ああ、そっちできたのね」くらいの感慨しかなかった。 今まで読んだこの人の作品って、そんな感じが多いんだよね。 淡々と始まって淡々と終わるって感じで、最初の話に戻るけど、雰囲気を楽しめばいいのかなーって。 ただ、途中の盛り上がりは結構あったりもして、すごく想像力をかきたてられる部分もあるのだけど、なかなか自分の思うようなエンディングには行かずに淡々と終わってしまうのであった(笑)。 苦手な雰囲気ではないので、気が向けば他の作品も読んでみたいです。そのうち当たりが出るかもしれないので。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 28, 2012 10:32:16 PM
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