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日本マクドナルドはきょう5日から、ハンバーガーの価格を80円から、過去最安値の59円とする値下げに踏み切った。同社が平日半額セールを打ち切り、値上げしてから、わずか半年後の戦略転換だ。出口の見えないデフレに抗しきれなかった苦渋の決断と言えそうだ。
マクドナルドは2000年2月、ハンバーガーの「平日価格」を130円から65円に引き下げた。この結果、来店客数、売り上げともに大幅にアップ、2000年12月期の税引き後利益は過去最高の168億円を達成した。 しかし、同社は今年2月、平日半額セールをやめ、平日価格を80円に引き上げた。「安さだけでは(客は)動かない。デフレの終息は近い」(藤田田(でん)社長=当時、現在は会長)と判断したためだ。 だが、平日半額セールをやめてから、既存店売上高は2ケタ減が続き、5月は前年比19・9%減、6月も13・4%減と惨敗を喫した。4月に首都圏で実施した顧客調査では、マクドナルドを利用しなくなった理由として「平日半額セールが終了した」ことを挙げた人が1割強に上った。 このため、同社は6月初旬に開いたマーケティング会議で、再値下げを決断した。藤田氏も八木康行社長らに「お客様のニーズをくみ取りなさい」と指示、値下げやむなしの考えを示した。これまでは、時代を先取りする嗅覚(きゅうかく)で外食産業をリードしてきたという評判が高い藤田氏だが、「今回ばかりはデフレの根深さを読み誤った」(業界関係者)との指摘もある。 マクドナルドの戦略転換は、ライバルにも影響を与えている。「ロッテリア」は8月10日から、毎月10日を「ロッテリアの日」として、ポテトを無料配布する。セット商品の価格を引き下げ、税込みで300円(チーズバーガー、Sサイズのポテト、飲み物)と、過去最安値の価格設定に踏み切る。「マクドナルドに対抗せざる得ない」(ロッテリア担当者)ためだ。 業界団体の日本フードサービス協会によると、協会に加盟するファストフードやファミリーレストランなどの客単価(既存店ベース)は、過去4年間で約8%も下落した。特に今年上半期(1―6月)は「客単価の下げ幅がきつく、デフレ基調は収まる様子がない」(千葉国夫広報室長)という。 ハンバーガーは消費者物価指数の構成品目になっているため、その価格動向は物価指数にも影響を与える。総合指数の下落が続く中、ハンバーガーの価格指数は、マクドナルドが平日半額セールを中止した2月以来、6月まで連続で前年同月を上回っている。今回の再値下げの影響で、ハンバーガーの指数が下落に転じれば、総合指数をさらに押し下げる要因となる。 工業製品から農産物まで幅広い分野で、中国などアジアから低価格商品の流入が続いている上、長引く景気の低迷で所得の伸びも期待できない状況の下では、消費者の低価格志向は容易に解消しそうにない。(読売新聞) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2002年08月05日 13時47分54秒
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