ＡＦＮは米軍の空軍基地内で放送され、基本的には駐在する米軍関係者が最も耳にするのだが、ゲートを出れば日本国内であり、当然の事ながら日本の文化にあわせて生活をしなければならない。だが基本的には軍の仕事で日本にいるから日本の事を知る機会が少ない。それだけに純粋な日本人のナビゲーターが必要になる。
　そんな横田基地に唯一の（ＡＦＮで声を出せる）日本人が『ヒサノ・ヤマザキ』さんである。勿論、彼女だけが基地が必要とする絶対的な存在ではないが、幾ら日本国内にある基地とはいえ、基地の中はアメリカなのだから、オイソレと日本人が立ち入る事はできないのが現実である。だからヒサノ・ヤマザキさんは米軍から『選ばれた』女性なのである。
　旧ＦＥＮの頃に活躍した日本人の女性といえば、深夜番組『タモリ倶楽部』で「夜の英会話」のコーナーを担当されていた事もある窪田ひろ子さんがいる。然し乍ら窪田さんが活躍していた頃の実際の声は耳にした記憶が殆んどない。だが窪田さんも現在のヒサノ・ヤマザキさんの様に高い評価を得たからこそ、声を電波にのせる事が出来たのである。否、窪田さんが活躍したからこそ、現在のヒサノ・ヤマザキさんがいるといっても過言ではあるまい。

　前日の日記でも触れた、アランダ・デイビス（アーミー・サージェント）が担当する番組の、基本的に平日の月曜日の午前９時～午前10時の間にヒサノ・ヤマザキさんは登場する。そこでヒサノ・ヤマザキさんは先週日本国内で起きた様々な出来事の中から幾つかピックアップして紹介する。例えば新札や流行語大賞の事、日本国内で開催されるイベントやコンサートの詳細など、多岐にわたっている。そんな中で面白かったのが流行語大賞の「チョ～気持ちイイ」や「キアイだ～！」を連呼して相手に説明していた事。独特な日本語の言い回しを如何に英語に変換して相手に伝えるかが難しい代物。でもヒサノ・ヤマザキさんは（おそらく身振り手振り交えて）きちんと伝えていた。
　この番組に出演する以外には、米軍関係者に向けた日本国内のイベント情報『What’s　Happning　Outside　The　Gate』を担当している。この情報が流れる際には必ず「I’m　Hisano　Yamazaki」と自己紹介するので直ぐ理解できると思う。なかなかセクシーな声が特徴。因に彼女は独身である。
　横田基地のゲートを堂々と通り、且つラジオ局で声を出す事ができるヒサノ・ヤマザキさんは本当にウラヤマシイ限りである。これからも日本人を代表して大いに活躍してほしい。