「阿修羅城の瞳」←「女王の教室」鬼教師のルーツ?
この「阿修羅城の瞳」はおすすめである。(なぜかリンクが効かないが、検索ですぐみつかるはず。映画版とは間違えないように!)2年前に見た舞台をDVD化したものだ。最近の映画のほうではない。ということで、<今日見た舞台>に準じるものと思い込んでおく。いっぱんに、舞台芸術を映像化した場合、どんなによく撮れたとしても、ナマの舞台には遠く及ばない。舞台でしか味わえない、空気、熱気、オーラ、観客席のどよめき、じわ、そんなものは残せない。たしかに、よく撮れた映像では、顔のアップなどがあり、これはナマの舞台の後ろのほうの席では見えない表情などを見ることができる。それでも、舞台の空気までは映らない。残せない。三階席や幕見席でもナマの舞台の勝ち。そのうえで言うと、このDVDはとてもよく撮れている。この芝居はナマ舞台のほうも見ているので、どう映っているか期待半分不安半分でDVDをかけてみた。画像の綺麗さと、舞台の熱気がわりと出ていたことに、ちょっと驚いた。舞台の臨場感というものがこれほど出ているものは初めて。なんでも、18台のカメラを駆使したとの触れ込み。ものによっては、客席からはありえない角度の映像もある。主役アップだけでなく、それをうける脇役の芝居もきちんと入っていたりする。さて、この物語は、江戸時代を舞台に、鬼軍団と、人間の鬼退治軍団の戦いを描く。激しい立ち回りもあるが、猛烈に笑えるネタも多く、とにかく楽しめる。鬼の王を演じているのが天海祐希。この夏、おなじオニでも鬼教師を演じて話題の…こちらの鬼の王では、舞台を圧する迫力で演じている。なるほどこれなら鬼教師の凄みもでるわけだ。前半ではチャキチャキの下町っ子を演じているので、その対比も面白い。これに負けず劣らずの迫力で鬼退治を演じるのは、歌舞伎の若手花形、市川染五郎。歌舞伎役者の底力というものを見せられた。この二人をはじめとする出演者の演技については、また稿を改めよう。