スーパー喜劇☆狸御殿
12月の新橋演舞場は「スーパー喜劇」。スーパー歌舞伎と松竹新喜劇の融合とのことで、どうなるかと興味をもって見に行った。序盤は、スーパーの器に新喜劇の中身を盛った感じ。狸の宴会など、どこか、ヤマトタケルでの宴会シーンを思わせる。さらに、かまぼこ型のミニ階段、客席天井から突き出たミラーボールは、おいこりゃ宝塚だよ、とも思わせる。音楽も、スーパー歌舞伎のものか、少なくとも、いかにもそれっぽいの。中盤では、新喜劇にスーパーの味付けといった色合い。狸の宙乗りに至って、スーパー100%となる。スーパー歌舞伎なら、引っ込むときに煙幕が出たりする。そこは新喜劇、パン!という音とともに、キンキラの紙片がひらひらと舞い踊った。藤山直美の演技が、うまい。笑わせる。何がうまいかというと、間がうまい。一瞬ぐっとひきつけたのを、はぐらかすところに笑いが生じる。本人は大真面目に行動しているように演じているから、よけいおかしい。また、彼女の演技には、どうも、一部にアドリブがあるようだ。それがあまりにおかしくて、共演者も思わず笑ってしまったり、必死に笑いをこられていたり、固まってしまったり、というのがまた面白かった。