毛利修三の一言

2015/09/17(木)08:21

2015.9.16

次に、水産業の振興についてお伺い致します。 本県は恵まれた漁場環境のもと、様々な漁船漁業や養殖業が営まれており、農林水産 統計によりますと、平成25年の漁業生産額は849億円で、北海道、長崎県に次い で全国第3位を誇っておりますが、漁業就業者数は、魚価の低迷や燃油の上昇、飼料 価格の高騰など、非常に厳しい漁家経営の状況を反映して、20年に1万人を下回 り、25年には約7,400人と、近年、大きく減少しており、漁村地域の将来に暗 い影を落としているのであります。 さらに、宇和海では毎年赤潮が発生し、今年も養殖魚やアコヤ貝が大量にへい死し、 3億7,000万円を超える大きな被害となっており、こうした状況が続けば、離職 を余儀なくされ、漁業者の減少に歯止めがかからないのではないかと懸念しておりま す。 このような中、県においては、幼稚魚の保護育成と漁場環境の維持保全を図るための 増殖場の造成など「海の畑づくり」や、サワラやヒラメなど有用魚介類の放流という 「海の種まき」など、漁業資源の維持増大を図っているほか、高値が期待できるスマ の養殖技術の開発、真珠の品質向上を目指した研究などを進めており、大変ありがた く思っております。 また、水産業の継続的な発展に不可欠な漁家所得の向上のためには、販売戦略が重要 であり、水産物の販路拡大による実需の創出に向け、知事自らが国内外におけるセー ルスの先頭に立っていることを、非常に心強く感じております。 こうした取組みの結果、最近では、サワラなど一部の魚種において漁獲量の増加が見 られることや、養殖マダイの価格が回復傾向にあるほか、真珠においても昨年度の生 産額が52億円を超え、リーマンショック以前の水準まで回復しつつあるなど、明る い兆しも見え始めております。 これを好機ととらえ、漁家経営の改善を図り、漁業を収益性の高い魅力ある産業へ転 換させるとともに、新規参入しやすい体制づくりを進めることが、漁業者の減少が続 く本県漁業の新たな担い手確保対策として大変重要であると思っております。 そこでお伺い致します。 漁業者の減少と高齢化が進む中、本県水産業の持続的発展に繋がる儲かる漁業の確立 を含め、水産愛媛の将来を支える担い手の確保・育成にどのように取り組んでいくの か、お聞かせ願います。 最後に、ものづくり産業を支える人づくりについてお伺い致します。 本県は、東予から南予まで細長い地形のなかで、それぞれの地域が独自の文化を育 み、特色あるまちづくりがなされており、特に東予地域は、様々な産業が集積し、優 れた「ものづくりのまち」を形成しております。 ものづくりの基本は技術力です。技術力は人が支えるものであり、その多くは、先人 から脈々と受け継がれてきたものであります。また、技術力の高さが、商品価値の高 さや消費者からの信頼につながることは言うまでもありません。 東予のものづくりを代表する今治タオルは、その高い技術力によって、伝統的な技術 と最新技術を巧みに融合させ、使い心地の良い商品を製造することにより、今や世界 に認められるブランドとなっております。 そして、今治といえばやはり造船業であります。 ものづくりは、世界規模で分業化され、我が国の生産拠点は国内から世界へと広がっ ており、それと共に物流が産業振興を支える要となっております。 また、国際物流は、海上コンテナ輸送が主流であり、特に島国である日本では、9 9.7%を海上輸送が占めております。物流の主役は船であります。 言を待たず、造船業は我が国を代表する主要産業であり、取りわけ本県は、数多くの 造船会社が立地する造船王国であります。 しかしながら、団塊の世代が大量退職を迎えた現在、優れた熟練の技術の喪失が懸念 され、この技術をどのように後世に伝えていくのか、守り育てていくのかが喫緊の課 題となっております。 愛媛の造船業を更に発展させ、造船王国愛媛を守っていかなければならないとの思い は県民共通のものではないかと思っております。 「国づくりはひとづくり」「企業づくりは、ひとづくり」と、実に多くのリーダーた ちが「ひとづくり」に腐心してきた歴史があります。ものづくりは、それを支える人 によって成功へと導かれるのであります。 今議会には、今治工業高校に造船コースを開設するための予算案が提案されておりま す。 造船を専門に学習する環境が整い、そこを巣立った若者が地元の造船業界を支える人 となる。まさに時宜を得た提案であると、期待するものであります。 そこでお伺い致します。 県では、今治工業高校への造船コースの開設により、造船業界を支える人材をどのよ うに育成していくのかお示し願います。  以上で私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。

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