もじりさんのブログ

高校三年の夏休みのはじめ。
６人の悪ガキは２隻のゴムボートを従え、真野浜から対岸の木の浜に向けて泳ぎだした。
幸い、風もなく鏡のような湖面であったが、流れは速くまた水は凍えるように冷たかった。
水面から眺める対岸は果てしなく遠く感じ、何度も何度も引き返そうかと議論した。
それでも、恐い物知らずだったあほどもは、抜き手と横泳ぎで流れの中を突き切り、ゴムボートにぶら下がりながらバナナを食い、水を飲み、なんの意味もないことに果敢に挑んだ。
対岸にたどり着いたのはたっぷり３時間も経っていた。
「死ぬ、死ぬ」と叫びながら泳ぎ切った４名の唇は、見事なくらい紫色だったのが印象的だった。

よい子のみなさんは絶対に挑んではいけないからな。死ぬでっ！

その夏休みの後半。
チャリンコにまたがった６名は瀬田の唐橋を出発して、反時計回りに琵琶湖を一周した。
最後のキャンプがこの真野浜。

あれから数十年。
今日、仕事でこの場所で休憩したとき、ガキの盛りの頃の無謀な自分のあほな姿が思い出される。