再びの セドナ。
第十惑星ということでセドナのことが再び気になり始めたのでセドナの伝説について書いてあるhttp://kotonoha.main.jp/2004/03/16sedna.htmlというHPからその伝説の部分を転記してみました。以下はその転記文です。全文を一度にアップできないので2回に分けてアップします。*「第十惑星セドナ(仮)」の名前のもとになった海の女神セドナについての伝説が各種ネットで発見できたので、3種類ほど訳してみました。ちなみにイヌイットとはエスキモーと呼ばれてきた人たちのことです。共通するのは、・娘が人間じゃない相手のもとに嫁ぐ ・父親と一緒に実家に帰ることになる ・追ってくる夫(鳥人間)が海を荒らす ・父親は恐れて娘を海に投げ出す ・娘はカヤックの端に手をかける ・父親がそれを切り落とす ・落ちた指はアザラシやセイウチやクジラになる ・娘は海に沈んで女神になる というパターン。どうしてこれが十番惑星なんでしょう?※2005年7月発表の「第10惑星」については「第10惑星」は冥王星より遠く、大きい。発見者による解説ならびに裏事情 [絵文録ことのは]2005/08/02を参照してください。関連記事⇒「第十惑星」セドナ(仮)の発見者は、惑星と考えていない--------------------------------------------------------------------------------2004年03月16日01:57|記事内容分類:サイエンス系|by 松永英明この記事のリンク用URL|コメント&トラックバック(7) はてなブックマークに追加 del.icio.us に追加 MM/Memo に追加 --------------------------------------------------------------------------------海の女神セドナの伝説 セドナがどのように海の女神になったかについて、北極圏全体に物語が伝えられている。その物語は地域によって違っている。しかし、どの話でも、若い女性がすべての海の生き物の母となっている。海の女神として、セドナは海の生き物たちを支配し、アザラシ、セイウチ、魚、クジラ、その他の海の動物たちをイヌイットの狩人たちに与えるかどうかを決めている。以下の物語は、多くのセドナ物語をまとめたものである。 そのむかし、セドナという名前の若い娘がいた。セドナは北極圏に両親と一緒に住んでいた。セドナは母親と父親を大変愛しており、非常に満足していた。その父親は優れた狩人であり、家族をちゃんと養っていた。セドナは多くの食べ物と暖かい毛皮を持っていた。両親の家の快適さが気に入っていたので、結婚を拒否していた。多くのイヌイット族の男たちがセドナを妻にしたいと思い、両親に結婚の許可を求めた。しかし、セドナはそのすべてを断った。両親がもう結婚しないと言ったときにも、伝統どおりに親に従うのを拒否した。 それからしばらくたって、一人のイヌークがセドナのもとを訪れた。この男はセドナに、たくさんの食べ物と毛皮の服と毛布を与えることを約束した。セドナは結婚することに同意した。そして夫婦になった後、男は自分の島にセドナを連れて行った。島の上で夫婦二人きりになったとき、男はその正体を現わした。それは人などではなく、鳥が人の姿をしていたのだ! セドナは激怒したが、捕らえられ、そこで暮らすはめになった。男はもちろん優れた狩人などではなく、肉も毛皮も持って来れなかった。その鳥男が持ってこれるのは魚だけだった。セドナは毎日毎日魚を食べるのにうんざりしてしまった。 その島で二人は一緒に過ごしていたが、やがてセドナの父親が訪ねてきた。娘が不幸になっており、夫が嘘をついていたことを知るやいなや、父親はその鳥男を殺した。セドナと父親はカヤックに乗り、家に向けて漕ぎ出した。鳥男が殺されているのをその友人たちが見つけ、その死に対する報復をしようとした。友人たちはカヤックの上空に飛んできて、激しく翼をはためかせた。それによって、巨大な嵐が起こった。波は小さなカヤックに襲いかかり、ほとんどひっくり返りそうになっていた。 セドナの父親は、この嵐のためにカヤックが浸水することを恐れ、セドナを凍り付いた海に投げ出した。こうすれば鳥は羽ばたくのをやめるだろうと思ったのだ。しかし、そうはならなかった。セドナは海の中に沈みたくはなかったので、父親のボートの端をしっかりつつかんで離そうとしなかった。ボートがひっくり返るのを恐れて、父親はセドナの指を関節一つずつ切り落としていった。このとき、セドナの指の関節それぞれから、別々の海の生き物が生まれた。それは魚、アザラシ、セイウチ、クジラになった。 セドナは海の底に沈み、そこで力強い精霊となった。その家は今も海底にある。もしセドナに会ったなら、女性の頭と胴体で魚の尾の姿であることがわかるだろう。 セドナは海の生き物すべてを支配している。これらの動物に頼っているイヌイット族は、セドナとよい関係を保とうとする。そうすれば、セドナは狩人たちに海の動物を捕らえることができるようにし続けてくれるのだ。イヌイット族には、セドナを喜ばせるためにしなければならない掟がある。その一つは、アザラシを殺すとき、塩水ではなく真水を飲ませなければならないというものだ。 もし狩人が長い間何も捕らえることができないなら、シャーマンは自分自身を魚に変える。この新しい姿で、シャーマンは海の底まで泳いでいって、海の女神セドナをなだめるのである。そのシャーマンはセドナの髪のもつれを解いて、編み上げるのだ。こうすれば女神は幸福になり、怒りを和らげることになる。セドナは指を失ってしまったので、誰かに髪を解かしてもらい、編んでもらうと喜ぶのだろう。セドナが幸福であれば、動物たちを狩人に与えてくれる。動物たちは、イヌイットのための食物・着物・家になるために自らを犠牲にするのをいとわないのだ。(C) Lenore Lindeman, 1999.--------------------------------------------------------------------------------セドナの物語 セドナはイヌイットの海の女神である。 セドナはイヌイット神話で非常に重要な登場人物だ。セドナの神話にはいくつかの異なったバージョンがある。ここでは私の好きなものを紹介しよう。 伝説によれば、セドナは美しいイヌイットの娘で、お父さんと一緒に住んでいた。セドナは非常にうぬぼれが強く、自分は美人すぎるから誰とも結婚しないと思っていた。求婚するためにキャンプにやってきた狩人たちを、セドナは片っ端から断った。ついにある日、父親が言った。「セドナよ、わたしたちには食べ物がないから、じきに飢えてしまうだろう。お前は夫に扶養してもらう必要がある。だから、次にお前と結婚したいと言ってくる狩人と結婚しなさい」 セドナは父親の言うことを無視して、水に自分の姿を映して髪をとかし続けた。 まもなく、父親は一人の狩人がキャンプに近づいてくるのを見た。その男は優雅に毛皮の服を着ており、顔は隠されていたが、裕福なように見えた。セドナの父親はその男に話をした。「もし妻がほしければ、俺に娘が一人いる。料理もできるし、裁縫もできる。いい妻になるだろう」 激しく抵抗しながらも、セドナはその狩人のカヤックに乗せられ、新居に連れて行かれた。まもなく二人は一つの島に到着した。セドナは見渡した。そこには何も見えなかった。芝土の小屋も、テントもなく、ただむき出しの岩と崖があるだけだった。その狩人はセドナの前に立ち、フードを下ろしたとたん、声を上げて邪悪に笑った。セドナの夫は人間だとばかり思っていたら、実はワタリガラスが変装していたのだった。セドナは叫び声を上げて走ろうとしたが、鳥は崖の上の開拓地にセドナを引きずっていった。セドナの新しい家は、硬く冷たい岩の上にまき散らされた動物の毛や羽毛の山だったのだ。食べられるものといったら魚だけだった。夫のワタリガラスは、一日中食べ物を探しに飛んでいって、生魚を持って帰ってくるのだった。 セドナは不幸で、惨めだった。泣いて、泣いて、父親の名前を呼んだ。うなる極寒の風に乗って、セドナの父親は娘の声を聞いた。娘が悲しんでいることを知って、父親は罪の意識に駆られた。そして、娘を救いに行こうと決めた。カヤックに荷物を積み、数日の間、凍てつく北極海を漕いでいって、セドナの家に向かった。到着したとき、セドナは岸に立っていた。セドナは父親に抱きつき、それからすぐにカヤックに乗って、漕ぎ出した。何時間も旅を続けたとき、セドナが振り返ると、遠くに黒い小さな点が見えた。セドナは恐怖が込み上げてくるのを感じた。あの点は自分を探して飛んでくる、怒った夫だとわかったからだ。 大きな黒いワタリガラスは、海の上で揺れているカヤックに急降下した。セドナの父親はかいをとってワタリガラスを攻撃したが、その鳥は執拗に反撃してきたので失敗した。ついにワタリガラスはカヤックの近くに舞い降り、海の上で翼をはためかせた。恐ろしい嵐が起こった。穏やかな北極海にまもなく荒れ狂う豪雨が襲いかかり、小さなカヤックは揺さぶられた。セドナの父親は非常に恐怖した。そしてセドナをつかんで、カヤックの横から海に投げ込んだ。「お前の大切な妻はここにいる! 俺を傷つけるな! 娘を連れて行け!」 セドナは叫び声を上げて逆らったが、氷で覆われた北極の海の中でその体はこごえ始めていた。カヤックまで泳いでたどり着いて、指でボートの端をつかんだ。父親は嵐におびえて、自分だけのことを考えていた。そしてかいをつかんで、セドナの指を叩きつけた。セドナは父親にやめてと叫んだが、だめだった。凍り付いた指は砕け、海の中に落ちていった。恐ろしい夫の力に影響を受けて、海の底に沈んでいくセドナの指はアザラシになった。セドナは再び泳いでいって、父親のカヤックにしがみつこうとした。また父親はかいをつかんで娘の手を叩き始めた。北極の海の中で凍り付いたセドナの手は再び砕かれた。その砕かれた手は海の底に沈み、クジラなどの大きな哺乳動物に変化していった。セドナはもうあらがうことができず、沈み始めた。 自分の身に降りかかったことに苦しみ、怒り狂っていたがあまり、セドナは死ななかった。そして海の女神となったのである。セドナの仲間はアザラシ、クジラたちで、海の底で一緒に暮らしている。人間に対する怒りは、海の荒れや嵐となって現れる。狩人たちはセドナを大いに尊重している。伝説では、セドナを敬わなければならないと伝えている。世界中からやってきたシャーマンたちは、セドナの長い黒髪のもつれをとかすために、海の底まで泳いでいかなければならない。こうすればセドナは落ち着くのである。これがなされれば、海の恵みとして哺乳動物が解放され、イヌイットはそれを食べる許可が与えられる。狩人がアザラシを捉えた後、その口に水を垂らし、家族を養うことができるようにしてくれたセドナへの感謝を示すのはこのためなのである。 これがセドナの伝説である。