2006/10/25(水)08:55
可能性
人の可能性と経済の橋渡しをしたひとが、ノーベル平和賞を受賞した。
バングラデシュのグラミン銀行と創始者のムハマド・ユヌス総裁だ。
彼は「貧困層の銀行家」とも呼ばれる。
彼が銀行をつくるきっかけになったのは、村の女性42人に竹細工の材料費27ドルをポケットマネーで貸したこと。
「慈善事業は貧困問題の解決にはならない。人間の持つ可能性を引き出す支援さえあれば貧しい人々も自立できる」
無担保でお金を貸し出すとともに、数人の連帯責任グループをつくらせ返済の期限を守らせる。
銀行は村々で週に一回会合を行い、人々の精神的・教育的の要素でもサポートをする。
返済率は98%である。
無担保、きめ細やかなサービスを支えるのは20%の利子だ。(今、インドはインフレ経済なので、今の日本の20%のイメージより軽い利子感覚でとらえる必要がある)
これは慈善事業ではない。
借りたお金を返済していく過程で、貧しい人々から事業家が次々と生まれてくる。
事業家にいたらなくても、物乞いから物売りへ変わる。
可能性を引き出すこの融資の仕組みはマイクロクレジットといわれる。
いまでは60カ国以上に広がり、資金や施設を与えることが主であった貧しい国や人への支援方法に大きな変化を生んだ。
参考:日経新聞 20061014記事、1024放映NHKニュース特集